パタゴニアは2011年3月11日の東日本大震災以前より、エネルギー源としての原子力発電に対し、「再生不可能な化石燃料を燃焼して発電したり、熱を作り出したりすることは、大気や土壌や水を汚染し、地球温暖化を加速させ、そして炭化水素に依存したすでに不安定な世界をさらに不安定にします。水力発電用ダムは貴重な景観を水没させ、重要な野生生物の生息地を破壊します。また原子力発電も放射性廃棄物、核兵器の拡散、悲惨な事故を起こす潜在性など、さまざまな脅威をもたらします」と考えてきました。さらに、唯一再生可能エネルギーだけが加速化する気候変動の影響を最小限に抑制するための望みであり、天然ガスや石炭を含む化石燃料由来のエネルギーからの可能なかぎり早期の投資引き上げが必要だと考えています。

2015年会計年度中、パタゴニアは自社にて203,502キロワット時の再生可能エネルギーを作り、国外オフィスの一部、直営店、リノの配送センターにおいて980,112キロワット時のグリーン電力を購入しました。私たちはこれらの数字を増やすことが可能であると考えており、そのための計画を策定中です。日本支社では、パタゴニア サーフ千葉/アウトレット、パタゴニア 白馬/アウトレットの2つの直営店に太陽光パネルを設置し、2015年度は合計で18,950キロワット時を発電しました。また2010年度からは毎年、日本支社オフィスおよび直営店で1年間に消費する電力のうち、再生可能エネルギーに由来しない電力全量についてグリーン電力証書を利用しており、2015年度はバイオマス発電から生まれた872,000キロワット時のグリーン電力を利用しました。

そして2016年4月1日、日本では電力の小売り全面自由化がスタートします。これまでは2000年に部分的に自由化された大口需要家以外は、地域で決められていた電力会社としか契約できなかった電気ですが、「電力システム改革に関する改革方針」のうちの「小売及び発電の全面自由化」段階以降は、家庭や小規模な事業所でも現在の電力会社だけでなく、新たな電力会社からも電気を購入できるようになります。電力会社を比較して自分で選ぶ、新しい時代がはじまるのです。もちろん新たな電力会社には、原子力で発電された電気ではなく、太陽光や風力、地熱、小水力、バイオマスなど自然界に存在し、繰り返し利用できる再生可能エネルギー源で発電された電気をあつかう電力会社も含まれます。

パタゴニアはGo Renewable – 「再生可能エネルギーを活かして」2016のなかで、4月1日からスタートする「電力小売り自由化」に際し、原発から再生可能エネルギーへの転換が必要であることを訴え、持続可能な未来社会のためにどう行動すべきかを考えていきます。再生可能エネルギーを広げるための私たちのあらたな一歩に、ぜひご協力をお願いします。

パタゴニア日本支社