オワイヒー・キャニオンランズの1日目。岩だらけの旅の味を覚えるため、渓谷へと向かって進むジェフとジェシー。<br>FREDRIK MARMSATER
オワイヒー・キャニオンランズの1日目。岩だらけの旅の味を覚えるため、渓谷へと向かって進むジェフとジェシー。
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最後の暗闇:
オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る
By ジェフ・ブラウニング

足の感覚がなかった。凍るような冷たい極寒の川を数え切れないほど渡った。狭い谷底に沿って進めるルートを探すため、柳の群生を押し倒しながらはい進み幾度ともなく川をジグザグに渡る必要があった。たった6マイルを進むのに3時間も要し、僕たちの能力では持て余すことに着手してしまったのではないかと思いはじめていた。とはいうものの、オワイヒーに冒険はつきものだ。今後10年のうちアラスカとハワイ以外の48州でミルキーウェイ全体がはっきりと見える場所はわずか3つになってしまうこと、そしてオワイヒーはそのうちのひとつになることが予想されている。ここは最後の暗闇なのだ。

計画はシンプルに思えた――新しいオレゴン・デザート・トレイル(ODT)の最後の170マイルを4日間で走る。ウルトラ・ランナーのジェシー・ヘインズ、写真家のフレッド・マームセイターとジョナサン・バイヤーズ、ロジスティック担当にトレイルヘッド・ラボのジェレミー・モントー。全員が壮大な冒険に乗り気なウルトラ・ランナーだ。オレゴン州東部の高地砂漠に点在するウェイポイントをつなぎながら横断する全長800マイルに及ぶODTは、現時点ではただの概念に過ぎない。170マイルはウルトラランニングの世界ではわずかな距離だが、深く侵食された火山の谷や流れる川などの高度な技術を要する地形が、ウルトラランニングという用語に新たな次元を加えた。

オワイヒー・キャニオンランズの175 マイル(約280 キロメートル)に挑むジェシー・ヘインズとジェフ・ブラウニング。オレゴン州<br />FREDRIK MARMSATER
オワイヒー・キャニオンランズの175 マイル(約280 キロメートル)に挑むジェシー・ヘインズとジェフ・ブラウニング。オレゴン州
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エアシェッド・プルオーバー
蒸し風呂状態からの解放

パタゴニア・アンバサダーのお気に入りであり、テスターの1人は「魔法のシャツ」と呼びました。冷えない程度に風を遮りながら、通気性を確保して恐るべき蒸し風呂状態になるのを防ぎます。ベースレイヤーや中間着と組み合わせると、幅広い気温範囲に対応します。何でもこなすエアシェッドはハードに働き、ハードに遊ぶ1着。

ユタ州南東部ベアーズ・イヤーズ地域の長距離を走り抜けるルーク・ネルソン。
NATE PTACEK

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An Interactive Film Experience

2016年12月、オバマ前大統領は未来の世代のために、古文化財保護法令上の権限を行使してベアーズ・イヤーズを国定記念物に指定しました。 しかし議員たちは民営化と開発を支持し、この指定を取り消そうとしています。文化的に豊かでレクリエーション的に壮大な風景を守り、「公共の土地を公共の手のなかに」入れておくことが不可欠です。

探検し、行動を起こそう
(英語サイト)
ワシントン州ベリンハム
NICK DANIELSON
STEVEN GNAM
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Patagonia Trail Running Ambassador Jeff Browning

ジェフ・ブラウニング

エンデュランス・コーチ、ウルトラ・アスリート、そして父親であるジェフは野生の場所で走るために生きている。地球に対する責任を自覚する彼はまた、これらの特別な景観を守るために戦っている。グラフィック・デザインを生業とし、「形は機能に従う」ことに加え、ギアはつねにより良く、より軽く、より完璧になりうると信じている。シューズを切り裂いたり、ショーツを改良して新しいアイデアを試す、自称「ギアオタク」。山での冒険に加え、オレゴン州ベンドの自宅のオーガニック庭園で3人の子供、4羽のニワトリ、2匹の猫、1匹の犬を追いかける日々を過ごす。

ジェフについて詳しく読む
5日間で225キロ メートルを走る旅には、類い稀な 地形がたっぷり含まれている。 ショショーニ・ガイザー・ベースン を駆け抜けるケイティ・ミラー、 ボー・フレッドランド、ウォーカー・ファーガソン、ジャスティン・ アングル。ワイオミング州イエローストーン国立公園<br />
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5日間で225キロ メートルを走る旅には、類い稀な 地形がたっぷり含まれている。 ショショーニ・ガイザー・ベースン を駆け抜けるケイティ・ミラー、 ボー・フレッドランド、ウォーカー・ファーガソン、ジャスティン・ アングル。ワイオミング州イエローストーン国立公園
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走りゆく公園
by ケイティ・ミラー

起きぬけのボーッとした状態で寝袋に入ったまま、 足元のジッパーだけを開けてキャンプのキッチンに ヨロヨロと歩み寄り、仲間と朝の挨拶を交わした。肌寒かったけれど、荷物を軽くするためにウェアは最小限しか持ってきていなかった。私は寝袋から手を出して、温かいコーヒーを握った。すると東の霞のなかに、2頭の雄のバイソンが姿を見せた。高く生い茂った草のあいだをぶらつく彼らを、私たちは無言の驚嘆で見つめた。待ち受ける長距離のことを考えると、これは幸先のいいス タートに思えた。私は驚嘆するのが大好きだ。

私たちはランナー、写真家、ローカルから成る チームで、メンバーはジャスティン・アングル、ウォーカー・ファーガソン、ボー・フレッドランド、フレドリック・マームセイター、私の5人。モンタナ州クック・シティからイエローストーン国立公園の中心地オールド・フェイスフルまでの225キロメートルを5日間で走る、バックカントリートラバースをしていた。前日に出発した私たちは最初の48キロメートルを消化。「野生」の意味の世界共通の概念を象徴する、この野生の縮図のなかで展開する環境や政策にまつわるストーリーを、現場で直接体験することが目的だった。

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