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公正労働協会による監査の向こう側には…

公正労働協会による監査の向こう側には…

2010/12/06 2010年12月6日

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監査される側に立つことを好む人は誰もいません。たとえ監査を仕事にしている人でさえも…。私たちの環境/ソーシャル・レスポンシビリティ・ディレクターであるキャラ・チャコンがこのことに気づいたのは昨年6月、公正労働協会(FLA)が突然、翌週パタゴニアを訪問するという情報を得たときでした。キャラはワシントンDCでのメンバー会議でFLAの代表者に偶然出会ったとき、その訪問について知らされたのでした。FLAは企業や大学、市民団体などから構成された、世界中の労働環境の向上を目的とした非営利団体で、 最高の監査水準をもつ団体としての評判を確立しています。FLAの代表者はその訪問が実際に監査を目的にしたものであるとは言いませんでしたが、キャラは監査ではないかと疑いました。

[パタゴニアの環境/ソーシャル・レスポンシビリティ・ディレクター、キャラ・チャコンがサプライヤーの監査に参加する様子。写真:Julie Netzsky]

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パタゴニアは2008年にFLA認定会員になって以来、監査を受けたことがありませんでした。またFLAは、キャラが着任するまでの6か月間パタゴニアには企業の社会的責任を担当するディレクターが不在だった事実を認識しており、訪問の目的は私たちのプログラムがどのように機能しているかをチェックするためでした(適切な後任ディレクターを見つけるのに6か月かかりました)。

「異常な準備態勢に入りました。ただの訪問だと聞いていたのですが、彼らが送ってきた日程表は監査のように思えました」 キャラはパタゴニアの社会的責任プログラムは適切に機能していると理解していましたが、それでも監査の可能性にひるみました。彼女はパタゴニアに着任してからまだ6か月しか経っておらず、しかもそれまでの11年間に1,000を超える工場を監査し、企業ブランドのイメージと社会的責任プログラムの向上に携わってきた経験がありながらも、監査される側に立つことははじめてのことだったのです。

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「驚きはしませんでしたが、監査への不安は強烈でした」とキャラは言います。「良い評価を得たいと思っていましたから」 FLAは独立外部監査プログラム(IEM)の一環として毎年、会員企業のサプライチェーンの5%を監査することになっており、同時に会員企業の内部監査状況も検証して、FLAの行動規範にしたがって会員としての義務を果たしているかどうかを確認します。キャラにとってはデータベースや集計表や社会監査のファイルの見直しに、6時間もの時間を費やすことになりました。FLAはそれぞれの工場の監査報告についても、修正措置の証拠を審査しました。また、私たちが工場への長期研修を通じて工場が持続的に問題修正できるように支援していることについても確認したがりました。パタゴニアがFLAの創設会員であるにもかかわらず、手加減してはくれませんでした。

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「FLAと私たちは面白い関係です。彼らは私たちにとって非常に重要な情報源であり、企業の社会的責任に関して素晴らしいサポートとなっています。けれども同時に彼らは監視役であり、私たちが有言実行していることを確認する団体です。彼らの圧力には厳しいものがありました」

FLAはパタゴニアの社会的責任の手順のほとんどはFLAの基準に遵守していることを確認しましたが、工場出荷後の報告システムの改良など、パタゴニアが取るべき処置もいくつか指摘しました。監査人は私たちが工場に対してそうするように、修正措置の一環としてキャラに期限を課しました。たとえパタゴニアが自主的な会員であっても、FLAによる社会的責任プロセスの検証は、2011年の会員認定を受ける必要条件なのです。

キャラはそのストレスにも関わらず、このプロセスは非常に有益であったと言います。工場の遵守の向上に役立つ最良事例について、さらに学ぶことができたからです。それは、問題を恒久的かつ持続的に解決するための、より有効な社会的責任プログラムの構築に役立つことになるはずです。

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「内部監査はストレスの多いものですが、良い機会でした。私たちは、自分たちの社会に対する責任を示すためにFLAへ参加しました。私たちの努力が誠実であることを示すには、FLAのような信頼のある公平な団体に私たちの工場だけでなく、社内の社会的責任を管理するためのシステムもランダムに監査してもらう必要があるのです」 キャラはこの経験はまた、次回彼女自身が監査を行うときに役立つだろうと考えています。

「どんな監査も、そのプロセスは神経がすり減るものだということを思い出す良い機会になりました。また、自分が工場に対してつねに敬意を払って、ていねいに対応するように心がけている理由を再認識しました」
[写真一番左上−コロンビアの工場品質監査人がパタゴニアの製造過程を検査する様子。写真右上−社会責任監査で検査される、たくさんの資料の一例。この書類の山はサプライヤーの労働者への支払状況を評価するもの。写真左上−コスタリカ工場での生産状況。写真:Julie Netzsky。コロンビア工場の従業員が午後の運動に参加する様子。写真:Cara Chacon]

パタゴニアのサプライチェーンに対する企業としての社会的責任(Corporate Social Responsibility = CSR)についてはこちらをご覧ください。

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