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川に栄養を与える

川に栄養を与える

2011/02/14 2011年2月14日

パタゴニアの環境インターンシップ・プログラムでは、毎年約20人の従業員を世界中の環境保護団体でのボランティア活動に送り出しています。さまざまな地域でのボランティア活動への参加期間中、最長1か月までの給与と福利厚生をパタゴニアが支給するシステムです。今回は、オレゴン州ポートランドストアの従業員のアリ・ゾロンズが、10月に参加した〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉でのボランティア活動について報告します。

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川に栄養を与える

本格的なトラウト・シーズンで僕のトラックがどうにか動いているときは、僕がコンクリートの近くにいるってことはまずないかな。ポートランドストアで働いていないときは、毎日出かけているからね。

衰退していく自然を懸念するアングラーとして、僕はわずかながらの金額をさまざまな環境団体へ寄付している。だからパタゴニアの環境インターンシップ・プログラムで大好きな団体のひとつ、〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉でのボランティアのチャンスが浮上したとき、僕はそれに飛びついた。

オレゴン州オレゴン・シティに拠点を置く〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉は、太平洋岸北西部の川に生息する在来魚の保護と復元活動に従事する団体だ。彼らは連邦/州組織と連携し、漁業関連の政策改善や水資源とそこに生息する魚に影響を及ぼす問題について、市民に積極的に関わってもらえるよう取り組んでいる。

[沿岸河川のドリフト・クリーク。ここは在来種のスチールヘッドやサーモンの生息地でもある。アリはこの川は集中的に伐採された土地を通過する他の川よりもずっと健全であることを発見した。写真: Ari Zolonz]

インターンシップ活動のほとんどの時間を水をはね飛ばしながら川を上下に駆けめぐり、在来のサーモンやスチールヘッドを一匹ずつ保護しながら過ごすことを期待していた。だが実際は、10月のほとんどを在来魚種に影響を及ぼす非常に複雑な問題に対応することに費やした。それでも〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉の役員たちとともに川をハイキングしながら、生息地や政策や課題などについて話し合うことができた。またモララ・リバーでサーモンの産卵場所を数えたり、そこでの調査にも参加した。

あるときアウトドア教育家として地方の高校生に指導する機会があった。僕はパタゴニアの環境保護活動や川に生息する昆虫、そしてサーモンやスチールヘッドの一生について説明し、いくつかの虫を捕まえて、僕たち自身もその一部である食物連鎖について語り合った。また〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉のウェブサイトに川の詳細を掲載するため、事務所で過ごす日もあった。

だが僕がダントツに気に入っていた仕事は、アメリカ北西部の宝石であるモララ・リバーの「栄養素強化」作業だった。ふ化場から出た何百ものサーモンの死骸を川に投げ込むという、臭くて、ぬるぬるして、最高に楽しい作業。これらの死骸が分解していくにしたがってその栄養素が生態系に戻り、極小の無脊椎動物から大きな木々までを養うのだ。

このような素晴らしい川の健全性を改善する手伝いができたことは、僕に本当に満足感をもたらしてくれた。来年ここに戻って来て、釣りをしようと考えている。そして僕がその川に加えた栄養素が昆虫やトラウト、サーモン、そしてその他の生物にどのように役立っているかを見てみたい。これは科学的な調査だと認識しているが、もし僕の顔に笑みが浮かんでいても、それは仕方ない。

このインターンシップは僕にとって素晴らしい勉強の場となった。自分の時間を〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉、そして彼らが保護する川に捧げることができて、僕の人生はさらに豊かなものとなった。

(全写真: Ari Zolonz collection)

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インターンシップの初日、サーモンの産卵場所を見にいくためにボートを待つポートランドストアのアリ・ゾロンズ。これから彼が見に行く「隠された宝石」を見たことのある人はあまりいない。

 

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上流移動の最終地点。この滝つぼにサーモンの巨大な産卵場所が存在する。
 

 

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モララ・リバーの長期研究の一環として水温を測るアリ。うーん、気持ちのよい10℃。

 

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遡河性の魚の一生とその生態系との位置づけについて高校生に説明するアリ。これは高校の環境学カリキュラムの一環。

 

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ジョン・デイ・リバーはアリが地元の生物学者と〈ネイティブ・フィッシュ・ソサエティ〉の役員のひとりと一緒にツアーに参加した川である。在来種について同じような懸念を抱きながらも、異なるバックグラウンドと仕事をもつ2人のあいだでは、魚の問題についての合意が困難なこともある。

 

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沿岸河川の排水溝の川下に設置された魚梯のおかげで魚は産卵場所まで到達できるようになったが、少し修復が必要だ。

 

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栄養素強化プロジェクトの一環として、ふ化場から出たサーモンの死骸を橋の上からモララ・リバーへと投げ込むアリ。白い容器ひとつひとつは、何十匹もの大きなコーホー・サーモンでいっぱいだ。

 

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さぁ、ごちそうだ。生態系に必要な栄養素を供給しながら、コーホー・サーモンの死骸がモララ・リバー下流へと流されていく。

 

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ふ化場で養殖されたスチールヘッドは、自動ヒレ削除機に投げ込まれたあと、食用としてラベルが付けられる。

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