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ハイキング・ブーツ:残すのはかすかな足跡だけ

ハイキング・ブーツ:残すのはかすかな足跡だけ

2011/05/19 2011年5月19日
ハイキング・ブーツ:残すのはかすかな足跡だけ

環境に配慮しながらも最高の性能をもつハイキング・ブーツを作るのは容易ではありません。ブーツのデザインと構造は、サプライチェーンと同様に複雑だからです。

Backpacker』誌はこう述べています。「私たちのギアのなかでも、とくにブーツは繊維、レザー、ソール、シャンク、接着剤、パッド、靴ひも、金属部品などの数々の構成部品から成る、いちばん複雑なものである。さらには無数の縫製工程、微妙なフィット感、そして世界の反対側にある製造ラインで洗練された青写真を再現する困難、などが存在する」

その複雑さは『Backpacker』誌が環境への影響を最小限に抑えるハイキング・ブーツを作る試みとして60社に対して呼びかけた「2010年ゼロ・インパクト・チャレンジ」に応えたのが、わずか5社だったことにも反映されているでしょう。

パタゴニア・フットウェアはそれに応えた5社のうちの1社です。私たちは環境に配慮した高品質な製品を製造する経験と、フットウェア製品のパートナーである<ウルヴァリン・ワールド・ワイド社>が最高の性能をもつシューズを製造している経験を利用して、P26ミッドを作りました。同製品は最新のフットプリント・クロニクルでも取り上げています。

[P26の製造にレザーを使用するという私たちの決断、そしてそのことを『Backpacker』誌がP26により高い環境インパクトを与えたと判断したことは、レザーの使用に対する白熱したオンライン議論を巻き起こしました。同誌は化繊のアッパーはレザー同様の性能と耐久性を提供しながらも環境への影響を大幅に削減できると発言しました。私たちはレザーの性能と耐久性は他に比類がないものであり、レザーと化繊のシューズは別々のカテゴリーとして判断されるべきだと反論しました。『Backpacker』誌およびTreehugger.comでのオンライン議論へのリンクは下記]

ハイキング・ブーツ:残すのはかすかな足跡だけ

私たちの作品をデザインするにあたり、パタゴニアの環境チームは業界の友人やアンバサダー、ハードコアなハイカーたちにインタビューをし、競合会社が行っていたことを検証しました。そしてファストパッカーと通常のハイカーの両方のニーズを満たす最高のブーツを作るため、考慮およびバランスをもたせるべき5つの基準(フィット感、足の保護、効率、温度/湿度調節、クリーンなデザイン)を設定しました。

基準を設定したあと、それらを満たすことのできるサプライヤーを探しました。そして、レザー業界で環境スチュワードシップの実行を促進するブランドやサプライヤー、皮革工場の協会であるレザー・ワーキング・グループ(LWG)から、ゴールド認定を受けた皮革工場にコンタクトをとりました。

インソールとリサイクル素材を15%含むEVAの二重密度のフットベッドをデザインに取り入れ、ビブラム社と開発した新しいアウトソール、エコステップ・プラスも使用。リサイクル・ラバーを30%使用した同社のエコステップに比べて、リサイクル・ラバーの含有率を50%に向上させています。

パタゴニアの努力を讃えた『Backpacker』誌は、私たちの皮革工程は通常のそれよりも二酸化炭素を発生させるエネルギーを35%削減、P26ミッドは現行のブーツの製造と比較して、環境への影響を25%〜35%抑えているとの結論を出しました。

ハイキング・ブーツ:残すのはかすかな足跡だけ

けれどもレザー製のブーツであることに対してペナルティーを課したため、オンライン議論を巻き起こしました。『Backpacker』誌は化繊のアッパーはレザー同様の性能と耐久性を提供しながらも環境への影響を大幅に削減できると発言しました。私たちはレザーの性能と耐久性は他に比類がないものであり、レザーと化繊のシューズは別々のカテゴリーとして判断されるべきだと反論しました。『Backpacker』誌およびTreehugger.comでのオンライン議論はこちらでお読みいただけます。

この議論により私たちは、環境への影響をより抑えた製品を作るにあたって私たちが下した困難な決断、そして浮上した異なる意見を思い出しました。

ハイキング・ブーツ:残すのはかすかな足跡だけ

また同時に、フットウェアの環境への影響を削減するために、私たちは努力をつづけなければならないということも思い出しました。私たちが取ることのできる明らかな手段は存在します。ヨーロッパで実施されているように、製造工程が与える環境への悪影響を最低に留めるためのすべての手段を必ず履行するには、皮革工場以外のレザーのサプライチェーンの監査をすることもあります。レザー業界で環境スチュワードシップの実行を促進するブランドやサプライヤー、監査を受けた皮革工場の協会であるレザー・ワーキング・グループなどは、その方向へ向かっていると言います。来年はウエットブルー(クロムを使用して処理する皮革)を製造する皮革工場に監査を要求するとのことですが、完全な追跡可能性の達成には時間がかかります。

環境への影響を削減するための手段には、デザインの変更が必要となることもあります。たとえば靴のソールは通常、レザーのアッパーが摩耗するよりも早くすり減ってしまいます。もしP26のソールの貼り替えが可能になれば、世界最古のレザー・シューズ(今年アメリカの洞窟で羊の糞に埋もれて発見された靴は5,500年前のものでした)にはかなわないまでも、真に長持ちするシューズを作ることができます。

ビデオ、スライドショーなどはフットプリントのP26ミッドからご覧いただくか、patagonia.com/japanでP26 Midを検索してください。

写真情報:
[写真上:環境への影響がより少ないブーツを作るこの試みにより、フットウェア素材の環境への影響を削減するために、私たちには継続して取り組まなければならないことがあることを思い出しました。ヨーロッパで実施されているように、製造工程が与える環境への悪影響を最低に留めるためのすべての手段を必ず履行するには、皮革工場以外のレザーのサプライチェーンの監査をすることもあります。レザー業界で環境スチュワードシップの実行を促進するブランドやサプライヤー、監査を受けた皮革工場の協会であるレザー・ワーキング・グループなどは、その方向へ向かっていると言います。来年はウエットブルー(クロムを使用して処理する皮革)を製造する皮革工場に監査を要求するとのことですが、完全な追跡可能性の達成には時間がかかります。写真:Simona Tanning, Inc.]

[写真中央:『Backpacker』誌の2010年度エディターズ・チョイス・グリーン賞は、スポルティバのFC ECO 3.0 GTXが受賞しました。この製品の製造もまた、環境への影響を25〜35%削減しています。しかしながら同誌はこの点以外に、アッパーに100%リサイクル・ナイロンとレザー素材を組み合わせたことにより、その重量に対してレザーの使用量が最小だったこと(牧畜の要因を取り入れるとレザーのフットプリントは高くなる)、ソールの貼り替えが可能であることなどを受賞の理由に挙げています。写真:Backpacker.com]

[写真下:皮革工程の固形副産物は製造工程で選別され、最大70%が再利用、またはリサイクルされます。写真:Simona Tanning, Inc.]

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