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『Solitaire(ソリティア)』いよいよ来月公開

『Solitaire(ソリティア)』いよいよ来月公開

2011/09/29 2011年9月29日

編集者記:ニック・ワゴナーとスウィートグラス・プロダクションによる『Signatures』につづく彼らの3本目の映画『Solitaire』のリリースが、いよいよ間近に迫っています。今日は公式予告編とともにその全貌をご紹介しましょう。本作品は9月15日にコロラド州デンバーで開催されたワールド・プレミアのあと、北米、日本、ヨーロッパ、南米をはじめとする約50か所で上映されます。日本では10月23日のDVD発売を皮切りに、各パタゴニア直営店および正規取扱店で上映イベントを開催。イベントの詳細についてはこちらからご確認ください。

 スウィートグラス・プロダクション制作バックカントリー・スキー、スノーボード、テレマークの映画『Solitaire』の予告編をVimeoから。

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南米の高い砂漠では、冬が浸透すると、真っ白の骨と放棄された小屋を食いつぶす。これほどまでに荒涼な土地はないという場所で、吹雪のなかから数人の放浪者が出現。彼らは情けのない壮大で忘れ去られた山々で、運命を試そうとやってきたのだ。通常の山岳映画の領域を超えた『Solitaire』はアルゼンチンの伝説であるラス・レナスの針峰から生まれた。そこからはじまるのは捨て去られた世界、ペルーのコーディレラ・ブランカからチリ領パタゴニアまでの大陸間をさまよう2年間の孤独な旅。雪に埋もれた暗黒の風と原始の森の吹雪に迷いながら、馬のサドルとパラグライダーの翼の上から撮影され、スキー、スノーボード、テレマークという馬を駆る『Solitaire』は、西洋劇にインスパイアされた、しかしながらこれまで映像に収められたことのないバックカントリーでの一か八かの賭けのストーリーである。パタゴニア/ダイナフィット主催

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これは僕らの新作映画『Solitaire』のロマンチックで夢あふれるエレベーターピッチだ。だがこれは全体像を語ってはいない。そして映画もまたしかりだ。なぜなら洗練された作品がこの世に送り出される前、その裏舞台では数えきれないほどの問題を克服しなければならないからだ。日々無限の大惨事が起きる状況では、正しい方向に向けて舵を取るのが精一杯だ。南米自体も、狂気の沙汰ながらもつねに何とか方向性を保つという、映画制作と似たような機能で進んでいるように思える。
[全写真:Michael BrownSweetgrass Productions]

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僕らは3作目となるこの映画に取り組むために南へ向かう前、こういった難関が待ち構えていることは承知していた。これまで誰も南米大陸の全長をカバーするスキー映画を作っていなかったのには、れっきとした理由がある。映画のためのインフラはよく見積もっても質素としか呼びようがない。ロケ地はしばしば極端な遠隔地で危険、しかも高地にある。雪はその予測不可能さで悪名高い。風と寒さは耐えられないものがある。そしてヘリコプターもスノーモービルも使わないという前提を考えると、その場所の規模は男が単独で、シールかスノーシューで高度を稼ぐには気が遠くなるようなものだった。

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これらすべては既知の事実だったが、こういったことはたいていそうであるように、真の苦難はまったく予期せざるものだった。2010年6月にペルーに到着した僕らのクルーは、飛行機を降りた6時間後には5,500メートルの高度にいた。そこで僕らはパタゴニアのアスリートで友人であったアーン・バックストロムの死を知らされた。彼は僕らよりも数日早く到着していたが、その前日の朝、高度順応のために滑走したピークで事故死した。この酷い事実を目の前に、僕らにはその先3か月の撮影旅行が待っていた。僕らの抱いていた美しい西洋劇風のスキー映画というロマンチックなエレベーターピッチのイメージは、過酷な現実に突き当たった。その先に待っているものを予期するのは不可能だということは一目瞭然だった。

しかし僕らの南米でのはじめての冬の旅からいったん戻り、そこで過ごした時間や映像を振りかえると、問題を抱えながらも僕らの夢の基本は正しかったことは明らかだ。僕らはそれを実際に見つけ、体験した。容赦のない不可能な環境のなかでの1人の人間についての映画――ガッツと忍耐力というマカロニ・ウエスタンの理想に基づいた映画――を作ることが僕らの目的だった。誰もが予想だにしなかった悲惨なはじまりと、その途上で起きた多くの桁違いの問題にもかかわらず、僕らは3か月を堪え忍び、埋蔵された宝をもって帰国したのだ。すさまじい旅だった。そして僕らはまだ折りかえし地点にいた。

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『Solitaire』との旅は2009年〜10年のアメリカでの企画にはじまり、ペルー、アルゼンチン、チリでの撮影、そしてまたアメリカに戻り、編集して磨きをかけ、この夏またペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリを訪れ、最終的に北米に戻る。そしてこの壮大な時間を45分に凝縮した映画を世界に公開するのだ。試練と宝物に満ちた僕らの旅をぜひ一緒にたどってほしい。

poster

ロケ地:
アルゼンチン:ラス・レナス、バリローチェ、カヴィアフ
チリ:ポーティジョ、ナヴァドス・デ・チラン、パタゴニア
ペルー:フアラズ、イキトス
ボリビア:ウユニ、サハマ

出演:岡田修、五明淳、玉井太朗、レオ・アーレンス、JP・オークレア、ライランド・ベル、ウィル・カーダモーン、ジョニ・コリンソン、フォレスト・クーツ、ステファン・ドレイク、ジャック・エッジャリー、クリス・エリックソン、セバスチャン・ハーグ、キップ・ガレー、アツシ・ゴミョウ、キム・ハヴェル、エリエール・ヒンダート、エリカ・レイドロー、ジェイミー・レイドロー、カイル・ミラー、カーストン・オリバー、アレックス・ポール、セイン・リッチ、デイブ・ロセンバーガー、エリース・サーグスタッド、エイダン・シーハンフォレスト・シアラー、プトール・スプリセニックス、トーマス・スタイナー、ドリュー・ストエックライン、ジャック・トラン。
アーン・バックストロムとキップ・ガレーに捧ぐ。

 

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