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空になった川岸を海まで陸路運送するピート・マクブライド。Photo: Jon Waterman
空になった川岸を海まで陸路運送するピート・マクブライド。Photo: Jon Waterman

すべての川は海に注がれるべき:コロラド・リバー・デルタを救おう

2011/10/03 2011年10月3日
空になった川岸を海まで陸路運送するピート・マクブライド。Photo: Jon Waterman
空になった川岸を海まで陸路運送するピート・マクブライド。Photo: Jon Waterman

「だがその途上で、私はこの問題をどうすれば解決できるかについても学んだ。つまりそれを気づかう人びとや、そこがいまだ存在する顕著な生息地であるという意味においても、デルタは死からはほど遠い状態であることを」—ジョナサン・ウォーターマン

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コロラド・リバーについてのジョナサン・ウォーターマンの素晴らしいエッセイが掲載されたパタゴニアの秋のカタログ『FALL2011』をお持ちでしょうか。ジョナサンはこの川と、そこに依存するすべてのものに献身を注ぐ著作家です。かつて偉大だったコロラド・リバーは、いまや過剰な使用により破壊されてしまいました。この川とパタゴニアの現在の環境キャンペーンについては「アワ・コモン・ウォーターズ(共有の水)」をご覧ください。今日はジョンがコロラド・リバーを救うための緊急かつ雄弁な呼びかけを送ってくれました。ぜひいますぐ行動を起こしてください

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2008年6月にコロラド・リバーの全長2,333キロを下りはじめたとき、私はこの川がこの10年のあいだ海に到達していないという知識に憤慨していた。それはただたんに海へ到達する最後の150キロをパドリングできなかったからということだけではない。私たちは最も象徴的なアメリカ西部の川を北米最高の砂漠の河口から奪い、土地改良局はこの事実を闇に葬った。そしてさらに、ロッキー山脈からコルテス海までのこの旅の途上で出会った人びとのほぼ全員が、川が枯渇していることを理解していなかったからだ。

私は幾度となくコヘレクトの言葉「川はみな海に注ぐ」を引用した。これを聞けば人びとは行動を起こすと思ったからだ。さらにこの地球の神、自然、あるいは気まぐれな力によって、山々はつねに雲に届き、海は海岸に打ち寄せ、鳥は空を舞い、川は海に注ぐべきであることを、人びとに分かってもらおうとした。そしてこうしたことが起こらなくなるときこそ、私たちが行動を起こすべきときであり、こうしたことについて「屁とも思う」ときだということを、分かってもらおうとした。この「素晴らしい」言葉を選んだのは、土地改良局のお役人が私に向かって吐いた言葉に起因している。彼はこのデルタに生息する「たくさんの鳥(正確な数字は360種)なんかについては屁とも思わない」と言ったのだ。だからメキシコの国境から先、南へ川の水を送りつづけることなどどうでもいいと感じているのだと。

だが私が出会った多くの人びとはそのことを気にかけ、また多くの人びとは、私たちにできることは何もないと肩をすくめた。だがその途上で、私はこの問題をどうすれば解決できるかについても学んだ。つまりそれを気づかう人びとや、そこがいまだ存在する顕著な生息地であるという意味においても、デルタは死からはほど遠い状態であることを。

2009年1月、国境の汚染した水による足の感染に悩まされながら海までの長い陸路運送を終えた私は、何とかして生き残った鳥と湿地帯の量に驚かされた。そして、機を狙ってこの問題のために行動を起こそうと決意した。デルタは結局のところ、この川の最も美しい場所なのだから。

数日陸路運送したあと、パックラフトでコルテス海にたどり着くピート・マクブライド。Photo: Jon Waterman
数日陸路運送したあと、パックラフトでコルテス海にたどり着くピート・マクブライド。Photo: Jon Waterman
乾ききったコロラド・リバーがコルテス海と出会う(岸の釣り人に注目)。Photo: Jon Waterman
乾ききったコロラド・リバーがコルテス海と出会う(岸の釣り人に注目)。Photo: Jon Waterman

2年と半年が過ぎた。いまこそそのときだ。アメリカとメキシコの国境を管理する国際協定の書き直しが間近のこのとき。デルタとそして海に水を戻すことは、コロラド・リバーが直面する多くの問題のなかのひとつである。やるべき仕事はたくさんあるが、まずはこれを実現させることができれば、コロラド・リバーとコルテス海だけでなく、メキシコと、そして私たちの絶滅危機種の法律の外にある国境の南で危機に瀕するネズミイルカやエビや多くの鳥などの生き物のことを私たちが気づかっているということを世界中に示すことができる。

アリゾナのツーソンにある〈ソノラン・インスティテュート〉は、変化を促すことを願って、他の多くの研究者や環境保護活動家とともに熱心にデルタで活動している。活動内容にはたとえば植樹、地元のコミュニティーを巻き込む、鳥の生命の監視、湿地帯をつくる貴重な水の獲得、観光の促進、水の購買方法の模索、湿地帯を築いてコロラド・リバー・デルタの支流に流れ出す排水の浄化、メキシコとアメリカ政府間、殊に国境水権委員会(IBWC)の協力を取り付けるためのコミュニケーションの促進などがある。

大漁で入港するコロラド・リバー付近のエル・ゴルフォ・デ・サンタクララのエビ漁船。異常な雨によってエビが必要とする淡水がもたらされた。Photo: Jon Waterman
大漁で入港するコロラド・リバー付近のエル・ゴルフォ・デ・サンタクララのエビ漁船。異常な雨によってエビが必要とする淡水がもたらされた。Photo: Jon Waterman
偉大な川の終焉? 「ノー!」メキシコ、ソノラ郡にはまだ希望が存在する。Photo: Jon Waterman
偉大な川の終焉? 「ノー!」メキシコ、ソノラ郡にはまだ希望が存在する。Photo: Jon Waterman

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これはコロラド・リバー・デルタを救うための行動への呼びかけだ。〈ソノラン・インスティテュート〉のウェブサイトでIBWCの委員長と(無能な土地改良局を監督する)サラザー国務長官への嘆願書に署名してほしい。これは変化をもたらす機会なのだ。私たちが屁と思っていることを彼らに見せつけよう。そうすればいつか近い将来、川と同じように次世代のパドラーが海まで流れることができるようになるかもしれない。
ジョナサン・ウォーターマン

ジョナサン・ウォーターマンは『Running Dry: A Journey from Source to Sea Down the Colorado River』、写真集『The Colorado River: Flowing through Conflict』(ピーター・マクブライド共著)の著者。〈ナショナルジオグラフィック協会〉の後援で、旱魃がつづくアメリカ南西部の15 の川をパドリングしながら調査。川の重要性を一般市民に呼びかけて、こうした川が失われてしまう前に公共政策に影響を与えようとしている。

本年度のパタゴニアの環境キャンペーン「アワ・コモン・ウォーターズ(共有の水)」は、人類と地球上に生息するその他すべての動植物が必要とする水の、共有のバランスの重要性について考察します。ジョンのエッセイ『川の終わりには』をはじめ、ビデオやその他の関連情報については、「アワ・コモン・ウォーターズ(共有の水)」をご覧ください。

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