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葉山海洋スポーツ塾のビーチトレーニング。小中高生を対象にジュニアライフセービングの入門プログラムを実施。写真:松宮愛
葉山海洋スポーツ塾のビーチトレーニング。小中高生を対象にジュニアライフセービングの入門プログラムを実施。写真:松宮愛

草の根活動家のための「ツール会議」への日本支社からの参加者、パタゴニア 東京・ゲートシティ大崎勤務の松宮愛に聞く

By パタゴニア    |   2011/10/27 2011年10月27日
葉山海洋スポーツ塾のビーチトレーニング。小中高生を対象にジュニアライフセービングの入門プログラムを実施。写真:松宮愛
葉山海洋スポーツ塾のビーチトレーニング。小中高生を対象にジュニアライフセービングの入門プログラムを実施。写真:松宮愛

今年の9月14〜19日にスタンフォード・シェラ・キャンプで開催された第12回草の根活動家のための「ツール会議」には、日本からも2名の社員が参加しました。「ツール会議」は環境問題の最前線で働く活動家のためのもので、中核となるスキル(戦略、草の根組織化、ロビー活動)と新しいツール(テクノロジー・フォーラムとトレーニング、ビジネスと一緒に仕事をするための戦略、不確かな時期の資金集め)などを学ぶことができます。つまり通常この会議には社員のほとんどが参加することができません。しかしながら、パタゴニアが支援する草の根運動の活動家たちに刺激された社員や、自然のままだったお気に入りの場所が損なわれていく現実に憤慨した社員らは、パタゴニアで働きながらみずからも行動を起こし、現場で活動しています。パタゴニア 東京・ゲートシティ大崎で働く松宮愛もそうした1人でした。今回はパタゴニアの松宮愛としてではなく、個人的に活動をつづけている〈NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験活動センター〉の松宮愛として本会議に参加した彼女にインタビューをしました。

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パタゴニアではいつから働いていますか?またどのような理由で働きたいと思ったのですか?
2006年夏から2007年春まで働き、青年海外協力隊でマーシャル諸島共和国に行くために一度退職しましたが、2009年の冬にまた戻ってきました。パタゴニアは環境活動に本気で取り組んでいる唯一の企業だと思ったことと、再入社しようと思ったときは、自分のライフワークである海の環境教育の活動と両立できると思ったことも大きなポイントでした。

ずっと取り組んでいる、あるいはパタゴニアに入社してからはじめたアウトドアスポーツについて教えてください
素潜り、スノーケリング、シーカヤックは小さなころからずっとやっています。シーカヤックは〈NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター〉が主催するキッズプログラムのサポートをしています。あとは下手ですが、スノーボードとサーフィン、スタンドアップパドルも好きです。今年の春からはアウトリガーカヌーもはじめ、「ツール会議」直前の9月にはハワイ島のカイルアコナからホナウナウまでの18マイル(約30キロ)という世界最長距離の外洋カヌーレース「クイーン・リリウオカラニ・カヌーレース」に参加してきました。初レースでしたが無事完走しました。

マウイ島にて、リーフシャークの捜索中。写真:松宮愛
マウイ島にて、リーフシャークの捜索中。写真:松宮愛

〈NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験活動センター〉での活動に積極的に参加しているようですが、どのようなきっかけで活動をはじめたのですか?
最初は生徒としての参加でした。15歳、高校1年のときのことです。そのときは純粋にスポーツが大好きでプログラムに参加していましたがが、その翌年高校2年のとき、「海の生物の勉強がしたい!」と強く思いました。それがきっかけで大学もスポーツの分野から海洋の分野へ変更したのです。大学入学後も時間があるときには〈オーシャンファミリー〉を手伝い、現在は海洋スポーツ塾という中高生を対象とした講座のサポートコーチもしています。マリンスポーツを通じて身近な海を知り、ライフセービングの知識/技術を習得して、人と自然との関わり合いを学ぶという講座です。

今年8月に実施した三宅島のサマースクールでは三宅島の生態系を学んだ。写真:松宮愛
今年8月に実施した三宅島のサマースクールでは三宅島の生態系を学んだ。写真:松宮愛

今回、ツール会議の参加に応募しようと思ったのはなぜですか?
最初にツール会議のことを知ったのは、パタゴニアのUS本社のウェブサイトに載っていたエッセイを読んだときでした。あの会議にいつか参加したいと夢見ながら入社したんですが、しばらくして日本支社でもツール会議を開催しはじめていたことを知りました。そして昨年日本で開催された第2回ツール会議に参加しました。さまざまな分野の環境団体の人たちが一同に集まって、学んだり、意見を交換したりするスタイルが新鮮で、その会議で持ち帰るものも多く、〈オーシャンファミリー〉のスタッフ全員に参加してほしい!と感動したのを覚えています。日本で働いているので、アメリカのツール会議に参加するのはむずかしいだろうと思っていましたが、社内で募集があったとき、間違いなくすばらしい経験になるだろうと思い、すかさず応募しました。

アメリカのツール会議に参加しての率直な感想は?
学びとショックが想像よりも大きかったです。アメリカと日本の環境活動家のエネルギーや、環境団体の社会的位置づけの違いをあらためて感じました。集まった参加者たちは皆、有能で情熱があり、プロ意識をもって能動的に活動している人たちばかりでした。それぞれが自分の携わっているその仕事に誇りをもっていることがよく分かりました。また、ツール会議の講師の方たちは環境団体をサポートするプロばかりで、参加者よりもさらに情熱をもっていました。参加者をあっと驚かせたり、あるいは笑わせたりするようなツールを有し、私たち環境活動家をより熱く、奮起させる講義をしてくれました。その私たちを引き付けるプレゼン力に驚きました。メモを取っても取っても追いつかない状況で、毎日朝から夜まで頭をフル回転させながら、なんとか講義とディスカッションついていく時間は、学生時代よりもきつかったです。

会議で得たツールのなかで自分の活動に最も役に立つと思われることをひとつ挙げてください。
シンプルにすること。メッセージもビジョンも活動もシンプルにすることで、コアな部分を確認できる。シンプルにすることは、本当にむずかしい作業ですが、何かを伝えたり、本当に目指すビジョンに向かっているかどうかを確認するために原点に立ち返るには、シンプルさが重要だということを学びました。会議を通じて、シンプルな戦略をもって活動することの大切さを再認識しました。

会議に参加して、基本的なツール以外に得たことは何かありますか?
自分の環境活動にもっと自信をもって、もっと情熱を表現していく勇気が必要だと気づかされました。これまでは周りの空気や状況を気にしすぎて、たとえばそれほど環境問題に興味のない社内の人たちや個人的な友人たちには、自分のやっている活動に対する思いを伝えることをためらっていたこともありました。情熱や思いを発しなくても、〈オーシャンファミリー〉での活動を一生懸命やっているという自分がいれば良いと、割り切っていました。でも自分が表現することで、他の人の思いを知ることもできるし、そうすればもし他の人が興味をもっていたら応援することもできます。

今後、この会議で得たことをどのように活かしていきたいですか?
とにかく人にシェアしていきます。〈オーシャンファミリー〉のメンバーにはもちろん、関係する環境団体や個人、仲間や家族、友人たちにも、伝える内容をきちんと「シンプル」に整理して、必要な部分をシェアしていきたいと思っています。

1日の終わり、夕日を背にジャンプする子供たち。写真:松宮愛
1日の終わり、夕日を背にジャンプする子供たち。写真:松宮愛

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イヴォン・シュイナードが環境活動家になった経緯や、環境団体に彼らの活動はビジネスだと考えさせる必要性、また科学を活かせる­かどうかは活動家次第であることなどについて語ります。個人が変革をもたらす力についてのくだりは、勇気を得ることができるでしょう。この対談は2009年に開催された草の根活動家のためのパタゴニア「ツー­ル会議」で行われました。

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