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ブラックフライデーの満腹ショッピング

アニー・レオナード & リック・リッジウェイ  /  2011年12月8日  /  読み終えるまで6分  /  アクティビズム

2011年度のパタゴニアの草の根活動家のための「ツール会議」で講演するアニー・レオナード(左)。Photo: Tim Davis/2009年度の国連の「気候変動に関する国際連合枠組条約」で講演するリック・リッジウェイ(右)。Photo: Kodiak Greenwood

アニー・レオナードリック・リッジウェイ共著

以下の論説は2011年11月25日金曜日に発行されたロサンジェルス・タイムス紙からの転載です。アニー・レオナードは『The Story of Stuff』プロジェクトの創始者で、リック・リッジウェイはパタゴニア環境イニシアティブの副社長です。

ブラックフライデーの満腹ショッピング

2011年度のパタゴニアの草の根活動家のための「ツール会議」で講演するアニー・レオナード(左)。Photo: Tim Davis/2009年度の国連の「気候変動に関する国際連合枠組条約」で講演するリック・リッジウェイ(右)。Photo: Kodiak Greenwood

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今日はブラックフライデー。国中のショッピングモールに大勢の人たちがホリデーショッピングをしに詰めかけ、小売業者は収支バランスを赤字から黒字に変えるための利益を期待する日です。今年のブラックフライデーは、地球の帳簿が、つまり人間の経済を支えるために地球エコロジーの収支バランスが赤字となる日、「アース・オーバーシュート・デイ(Earth Overshoot Day)」の2か月後にやってきました。

毎年、地球はある量の資源を生産し、ある量の消費を吸収します。つまり自然の一年間の予算です。『グローバル・フットプリント・ネットワーク』はこれに注目する科学者のグループで、彼らの計算によれば、2011年度は9月27日、つまり年頭から10か月後に、私たちはその年間資源の予算を超えてしまいました。地球が提供してくれるきれいな水、空気、耕作地、健全な漁業や安定した気候といった不可欠な年間「サービス」が許容値の135%になったのです。私たちの過度の消費により世界中の経済すべて、そしてつまるところ生命すべてが依存するエコロジー体系が、食いつぶされているのです。もしうるさい話だと思われるなら、私たちが物を作り/使い/捨てるやり方を変えなければ、2050年までにはこの数字が許容値の500%に達するということを考えてみてください。

これではダメです。ではどうしたらよいのでしょう。まずは今日に戻ってみましょう。ブラックフライデーです。これらの恐るべき予測の最大の種、それは人口増加よりもさらに大きな、肥大する人口による消費の成長です。だから1つの答え――私たちがおそらく最大の影響をもたらすと信じる1つの答え――は世界中でとくに過剰消費をしている場所に住む私たちが消費を減らし、長持ちするものを購入することを、確実に実行することなのです。

だからこの論説を書く私たち2人は共同で働いています。『Story of Stuff』プロジェクトでは、昨年所有していた物よりもより高速でより素敵でより大きいものが本当に必要かどうか、自問することを呼びかけています。販売者が私たちに信じさせたいように、新しい物が愛や地位や娯楽や安心などをもたらすかどうかをよく考えるよう促しています。あるいはこれらの物が、地球の健康はいうまでもなく、家庭の予算にどう響いているのかを疑問視するときではないでしょうか。消費者の負債、物でいっぱいに溢れた車庫、最新の物を持たねばならないストレスなどに足かせをかけられる価値はあるのでしょうか。もしかしたらあなたの人生のなかで物でないもの――たとえば、友達や家族との時間、人生の目的、分かち合う目標のために他の人と共同で働くことなど――が真に価値のあるものではないかという可能性を考えることを呼びかけているのです。

アウトドアウェアを製造するパタゴニアでは、自分または友達や家族のために新しいジャケットを買うまえに、よく考えるよう呼びかけています。「すでにあるものでまかなえるのではないか」と。そしてパタゴニアの製品に関しては、いま持っているジャケットがどこか壊れているのなら、修理に出してください。車庫やクローゼットで眠っているものがあれば、再利用先を探すお手伝いを、無料でします。そして本当に使えなくなったものは、パタゴニアに戻していただければリサイクルします、と。

パタゴニアは人びとが欲し、必要とする製品を作り、売ることによって存在しています。ビジネスの健康、そして社員すべての生業は、人びとに私たちの作る製品を買っていただくことに依存しています。しかし私たちはまた、環境保護者であるデービット・ブラウワーが述べたように、「死んだ地球でビジネスはできない」ということにも気づいています。

『Story of Stuff』では、私たちは他の人びとと同じように物を所有し、使用しています。けれどもこのホリデーショッピングシーズンのはじまりでは、皆に買う物をよく考えるよう促しています。物につぎ込まれた資材やエネルギーに感謝し、どうしても使えなくなるまで替えないということです。年齢を重ねた人ならだれでも、一台のトースターや一着の冬着、あるいは何年も使えたソファーがあった時代のことを認めてくれるでしょう。何年も使える製品を製造することがその時代に機能していたのなら、なぜいま、それができないのでしょうか。私たちは経済学者や政治家が経済成長を助長するために消費者にお金を使ってほしいと思っていることを認識しています。また製品をデザインし直したり、文化基準を変えたりすることは巨大な仕事のように思えることも知っています。けれどもそれは、毎年資源が貸し越しされている地球を修復する方法を考えるよりも、ずっと簡単なことなのです。

健康な経済と健康な環境を確実にするための簡単な解決法はありません。それには不似合いなパートナー、つまり販売者と非購買キャンペーンといったパートナーが共通点を見いだし、共同で働くことが必要です。ひとつしかない美しい地球の予算内で私たち世界中の全員が生活する方法を見いだすためには、政治、ビジネス、市民のリーダーたちの献身が必要です。けれどもいちばん必要なのは、あなたと私、そして物を作り、買い、使う全員がよりよい将来のためにともに働くことなのです。

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