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まもなく自家製のコンポストにあやかる今シーズン最初の苗を手入れするリズ
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「私のフットプリント」:言葉を広めることについての一言

2012/02/02 2012年2月2日

シリーズのご紹介:今日の市民は積極的で、物事に関心をもち、そして何よりも自信を抱いています。それは消費者としての選択の力と社員としての力について、そして変化させることが可能であるという自信です。

フットプリント・クロニクルはパタゴニアが企業としてどのように環境への悪影響を削減し、改革をしているのかを文書化するために開発されました。そしてこの取り組みは、私たちの個人的な価値観の延長であるパタゴニア社員をも刺激しています。「私のフットプリント」シリーズはクロニクルに影響を受けたパタゴニアの社員と友人の物語を皆様に分かち合う場です。彼らの暮らし方は、企業として何ができるかということについて、私たちの視野をさらに広げるものです。ここでは肯定的な変化をもたらす途上で自己のフットプリントに気づいた彼らの物語をご紹介します。彼らの個人的な経験をお楽しみください。そして今度は皆さん自身の物語をコメントとして伝えてください。

まもなく自家製のコンポストにあやかる今シーズン最初の苗を手入れするリズ
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[編集者記:環境について危惧する人なら誰にも、自分がそのことに目覚めた瞬間についての物語があることでしょう。心理学者のエリザベス・モスコは人生によりよい変化をもたらすために多くの人びとを勇気づけてきました。そんな彼女が、グリーンなパートナーであるパタゴニアのウェブ編集者のマイク・コルポとの生活によって、環境保護者にとっての悪夢からコンポストの女王へと変革をとげた経験を語ってくれました。モスコ先生のフットプリントについての投稿をお楽しみください。]

人生ではじめて環境保護家と呼ばれる人に出会ったとき、私は環境意識の高い人にとっては悪夢のような存在でした。彼が何かを捨てようとして私のゴミ箱を覗いたとき、私は彼を凝視したであろうプラスチックボトルとアルミ缶の数に身がすくむ思いをしたのを覚えています。彼はリサイクル箱がいつか現れることを期待して、空のワインボトルを台所のカウンターに置いていましたが、私は彼が帰宅するやいなやゴミ箱に捨てていました。彼は漂白剤で磨き上げた洗面所で石油のキャンドルが燃えるなか、フッ化物にまみれた歯磨き粉で歯を磨いていました。そして徒歩で行くことのできる距離のスーパーにたった1〜2品を買うために何度も車に乗る私を目撃し、台所の生ごみ粉砕機にあまった野菜を捨てる私を眺めていました。私の新しい恋人の彼は4週間のバックカントリーへの旅から戻ってきたばかりで、環境意識の高いパタゴニアでの仕事に復帰するところでしたが、私はといえば考えもなしに廃棄物を生み、ゴミ箱に入れるためだけにそれらを世に送り出していました。いま思い起こすと、廃棄物に対する私の考え方を変え、環境に配慮した製品と人生への観点を変えることに結びついたマイクがしたひとつのシンプルな行動に気づきます。それは彼が何も言わなかった、ということです。

マイクが一緒に住もうと提案したとき、私は大賛成でしたが、私の環境癖が衝突の原因になるのではと気がかりでした。最初の心配事はコンポスト用にと、台所のカウンターにさっそく現れた透明のプラスチック袋でした。私は愉快ではありませんでした。そこでマイクは快くコンポストの袋の場所を変えてくれました。私が見たり臭ったりしなくていいように、大きなヨーグルトの入れ物に入れて、流しの下に移してくれました。リサイクルについてはより積極的な私でしたが、私が捨てたきれいにしにくいけれどリサイクル可能な食べ物の容器がゴミ箱から拾われ、あとでリサイクルのための場所へ移されるためにカウンターの上で洗われるのを待っているのにはイラつきました。それに家のなかは乾燥機ではなく、日干しされる洗濯物でいっぱいで、スーパーでは紙タオルを購入せず、歯磨き粉の味はなんとフェンネル。 私は環境を敵視しているわけではありませんでしたが、それが要する面倒さ(とフェンネル)については心の準備ができていませんでした。それでもマイクは何も言いませんでした。彼は私が捨てたリサイクル可能な物を探しながらゴミ箱を静かに漁り、いつもつけっぱなしのトイレの電源をオフにしながらも、私に文句を言ったり、私を変えようとしたりしたことはありませんでした。

マイクと暮らしはじめた最初の1年で、何かが少しずつ変わりました。その出来事も瞬間も日時も思い出せませんが、まず思ったのは、悩まされつづけているニキビのために、パラベンや石油製品などを含まないナチュラルな製品をトライしてもいいかなということでした。この決心によりグリーンな化粧品について多くの情報を得ることとなり、ひいてはよりナチュラルなクリーニング製品を使うことにもなりました。それでもコンポストにはあまり乗り気ではありませんでしたが、私が掃除をするたびに残すアンモニアと漂白剤をマイクと私、そして私たちの子猫が吸う必要はないかもしれないと思うようになりました。そしてある日、つねにあった腹痛が軽減されていることに気づきました。唯一説明がつくとすれば、それはマイクが作ってくれる地元で栽培された野菜や、牧草やオーガニック飼育の肉、そして私が発音できない素材が何も入っていない美味しい食事のおかげでした。

気づくと化学薬品にまみれた化粧品は私のキャビネットから消え、大気中の有毒薬品のレベルを削減する観葉植物を買い、多くの洗濯物を日干しし(電気代の節約になりました)、苦情を垂れずにリサイクルし、無害のクリーニング製品を使用し、好きな野菜やハーブを栽培し、徒歩でスーパーへ行き、そしてさらには――いまだに私の弱点ではありますが――コンポストに協力するまでになっていました。これはちょっとした変身でも、恋人を喜ばせるための一時的な行動修正でもありません。いまや私は庭仕事や自分に害を与えない製品で掃除をするのが大好きです。夜ベッドに横たわり、とうもろこしが呼吸を容易にしてくれていることを思うことや、私の顔がこれまでに比べてずっと清潔であることが大好きです。実際、次は自分で化粧品を作るプロジェクトを考えています。もう病みつきになっているのです。

こうした変化のなかで最も驚異的だったのは、マイクが何も言わなかったことです。微妙な示唆すらありませんでした。彼は私の尽きない質問に答えてくれて、私の興味にあきらかにワクワクしていました。けれども彼は一度も「…すべき」と提案することはなく、地球人として輝かしくない私に罪悪感を抱かせたこともありませんでした。彼自身がよいと思ったこと、そして究極的には、私にとっても健康でバランスの取れた生活が健全であることを、ただただ静かに行動に移すことによってのみ、私を刺激しました。彼は根気よく、静かでした。

以前に比べてはるかに知識を貯えたいま、私はスーパーウーマンのようにしゃしゃり出て、怪しいローションを貴重な体に塗る女性たちを助けたいという衝動にかられます。腐食剤にまみれた工場生産の食品を食べる人たちに、地元の新鮮な食品を食べればもっと健康になれるよと講義したくなります。少しは外に出て手作業をすべきだと思うようなオフィスで働く人びとに、自分で野菜を育てることを奨励したいとも思います。でもそうはしません。

私は誰かに何か忠告を受けたことに対して、積極的に反応したことはありません。それに、誰かに何かを押し付けられるのが好きな人も知りません。心理学者として、ただ他人に何かをすべきだと言うことには効き目がないことも知っています。もしそうだったら、私の職はなくなってしまいます。

だから私は言葉を広めないことによって、そしてマイクが昔も今もそうしてくれたように、行動することによって、言葉を広めます。誤解しないでください。もし誰かが聞く耳をもっているのならよろこんで話します。でも私は自分の意見を誰かに押し付けることや、そして私がそうだったように、私が知っていることを他の人が知ることで彼らが行動に移って当然だと思うことはしません。私たちは皆、この宇宙上に存在する自分の場所を知るうえで異なる段階にあるのだし、その道は異なるからです。幸運にも私はより強靭で健康になり、素晴らしい「環境伴侶」が応援してくれている自分のこの変革の旅について誇りに思います。私もマイクと同じ様にできたら、と願うかぎりです。静かな方法で。

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編集後記:昨年12月、お昼休みのトレイルランニング中に急死したパタゴニア本社のブログの共同編集者、「ローカルクルー」ことマイク・コルポ。彼の人柄は先の投稿で多くの人が語っていますが、彼の人物像を物語るにふさわしい、彼の最愛の妻、リズによる2009年3月の投稿をご紹介しました。

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