どんな世界に住みたいかについて、大きく考えよう
今年8月にキュリオシティが火星に着陸し、異世界の画像を地球に送りかえしてきたとき、人類がはじめて月に歩くのを畏敬の念を抱いて見た日を私たちに思い出させました。そしてそれから3週間もしないうちにニール・アームストロングが逝去したことにより、その記憶はふたたびかき立てられました。自分たちの惑星が直面する問題は、星に手を伸ばすことよりもさらに重要であると私たちの一部が感じているとしても、月面/火面着陸は大きく考えたこと、つまり「現状維持を受け入れるのではなく、何が可能であるかを想像したこと」の結果であることに同意するでしょう。
変革への実りある運動のはじまりも同様です。公民権運動や南アフリカの反人種隔離政策運動、そして初期の環境保護運動など、深く持続性のある社会的変革は、つねにより良い社会のために大きく考える、少数から成るグループによってはじまります。それは数人のための小さな改善ではなく、全員のための大きな改善です。
しかし今日、地球の気候変動から生物多様性の喪失、そして増幅する貧富の差といった巨大な驚異に直面するとき、私たちはこれらの問題——つまり私たちの生存が究極的に依存する環境問題を含むすべての問題よりも、短期的な企業利益を重視する経済——の根底に到達しない小さな解決策に引っかかってしまう傾向にあります。小さな勝利を祝うのは当然ですが、現存の体制に小さな変更を加えるのではなく、再建するような規模の変革を想像することに、往々にして失敗してしまうのです。
リイマジン――皆で再考しようではありませんか。どんな世界に住みたいかについて、大きく考えようではありませんか。最初の一歩はこんなところにあります。
•安全な製品:「安全」とはシートベルトや注意ラベル以上のもの、つまり地球や、製造したり使ったりする人びとに害を与えない製品を意味します。有害な化学薬品を使わず、安全かつ公平な条件下でクリーンエネルギーを使って製造され、そして長持ちするように作られ、さらにリユース(再利用)/リペア(修理)/リサイクルができるようにデザインされた製品のことです。
•健康な惑星:私たちは地球が1つ以上存在するかのように生活しています。毎年、私たちは地球が提供できる1.5倍の資源を使い、処理可能な1.5倍の廃棄物を生んでいます。アラン・ダーニングは著書『In How Much Is Enough? The Consumer Society and the Future of the Earth(邦題:どれだけ消費すれば満足なのか―消費社会と地球の未来)』のなかで、過去75年間アメリカ国民だけでそれ以前の全世代が合計で使った量以上の資源を消費したと言います。私たちは地球が提供してくれる資源の範囲内で生活する必要があります。
•より幸福な人びと:モノと幸せは奇妙な関係にあります。より多くのモノはある時点までは幸福度を増加させます。住む場所や食べる物がなければ、より多くのモノを持つことは人を幸せにします。しかし基本的なニーズが満たされたあと、それはより複雑になります。より多くのモノを持つことが提供する価値は、そのかさむコスト、つまりそのモノの売値、維持、保管、改善、保険といったコストに相殺されます。
新しい種類の経済と社会を再考することは、健康で持続可能かつ公平な未来をつくるための最初のステップです。削減、再利用、修理、再生をしつづけましょう。けれどもより大きな変革に到達するためのインスピレーションは、私たち全員がこの1つしかない美しい惑星でどう共存するかを再考することにかかっているのです。
アニー・レオナードはほぼ20年にわたり、環境安全と正義についての問題を調査し、そして解決のための組織作りをしてきました。彼女の処女作『The Story of Stuff』は2010年にFree Pressから出版されました。
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