パートナーシップ
The Story of Stuff」プロジェクトでは、新たに環境保護に目覚め、変革を起こしたいと願う人びとから毎週、何百通ものe-mailをいただきます。これにより私ははじめて学ぶことから、変化のための行動を起こすまでの道について考えることとなりました。ハーバード大学のトニー・ワグナーは彼の新刊書『Creating Innovators: The making of young people who will change the world.』で、その道のことを遊びから情熱、そして使命への軌跡だと表現しています。
私たちは楽しいという理由で何かに着手します。そしてこの興味は、創造的で構造のない、実験的な遊びを通じて、情熱へと変わることがあります。情熱がつづくと、使命にまで成長することもあります。人生における使命を見つけてしまったら、思いやりのない、より深く関わることを求めない世界にはもう戻れなくなります。
パタゴニアで働く人たちは登山やサーフィンなどの楽しみをきっかけに、自然の世界を熱烈に愛するようになりました。彼らがはじめた会社は環境への意識を慈しみ、自分の社内で、そしてより大きなアパレル産業で、さらに顧客の住む地域社会や、ひいては社会全体においてまで行動を起こすようになりました。
でも本当に必要なレベルの変化をもたらすためには、もうひとつのP、つまりパートナーシップが不可欠です。これは私たち全員が背負う問題であり、1人で解決することはできません。私たちは地球上で同じ空気を吸い、同じ物を食べ、同じ水を飲んでいます。避難所になるエコの理想郷というものはありません。ここで皆一緒に盛衰するのです。
惑星を救うためのこの仕事をするにあたって、私たちの仲間に属さないように見える人たちを除外してしまうのは簡単です。彼らの政治、あるいは宗教的信念やファストフードや4輪駆動車への愛情、そして人種や仕事は、一緒に働くのを不快にさせるかもしれません。でもそれでいいのです。スイート・ハニー・イン・ザ・ロックのバーニーズ・ジョンソン・レーガンはこう言います。「何かの連合において、それは十分幅の広い連合である証拠です」
この惑星を救うことは私たちの安全地帯の外に出ること、つまり私たちが信仰していない宗教のコミュニティや話が遅い高齢者の人びと、あるいは解読不明なテキストメッセージを送ってくる若者層と一緒に仕事をすることを意味します。そして解決策の一部であるビジネス——グリーンウォッシャーではなく、誠実に旧態依然に挑戦し、責任ある会社とは何かを定義すべく、しゃしゃり出る会社——と仕事をすることを意味します。シムラン・セイティは彼女の刺激的なTedX talkのなかでこう語ります。「政治、人種、性別、地理面において私たちが経験している分裂は、最も切迫する地球の問題のいくつかを解決するために共に働くために必要な切迫感と協力を不透明にしてしまいます。私たちの世界を変えるためには、互いとどう関わるかを変えなければならないのです」
私は今年、より多くの仲間、より多くの協力者、より多くの共謀者を求めることを新年の抱負にしました。私は安全地帯の外へ手を伸ばし、除外する理由ではなく、共通点を探します。これが私たちの運動とコミュニティをより強力にするのです。それこそパートナーシップに約束されることなのです。
アニー・レオナードはほぼ20年にわたり、環境安全と正義についての問題を調査し、そして解決のための組織作りをしてきました。彼女の処女作『The Story of Stuff』は2010年にFree Pressから出版されました。
*****************************************************
「コモンスレッズ・イニシアティブ」はより持続可能なウェアを作り、買い、使うことを、パタゴニアとお客様が共同で行う取り組みであり、パタゴニア製品をゴミ埋め立て地で終わらせないことをその究極の目標としています。コモンスレッズ・イニシアティブに参加し、言葉を広めてください。