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サーモンのために団結

レイ・フリードランダー  /  2013年5月9日  /  読み終えるまで5分  /  アクティビズム

遺伝子組み換えサーモンは「人間の健康や環境にリスクは呈さない」としたFDAの決定に対し、地域集会にて異議を唱える小さなアラスカ沿岸の町、シトカの150人の住民たち。Photo: 〈Sitka Conservation Society〉

サーモンのために団結

遺伝子組み換えサーモンは「人間の健康や環境にリスクは呈さない」としたFDAの決定に対し、地域集会にて異議を唱える小さなアラスカ沿岸の町、シトカの150人の住民たち。Photo: 〈Sitka Conservation Society〉

メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』と同じレベルに置かれている遺伝子組み換えのサーモン『フランケンフィッシュ』は、バイオテック産業がデザインした創作物だ。この魚は一年中成長するように考案され、その食欲は猛烈で、餌とする魚への影響は維持不可能である。また通常の3年ではなく、1年半で市場に出せるようにデザインされている。もし食品医薬品局(FDA)に認可されれば、フランケンフィッシュは市場に出回る最初の遺伝子組み換え動物となり、将来アメリカにおいて他の遺伝子組み換え動物への道を開くことになる。

なぜ反対するのか? アメリカ最大の国有林、トンガス温帯雨林に住む私たちの経済とアイデンティティーは、野生の極みであるサーモンによって維持されている。野生のアラスカサーモンは9.86億ドルとアラスカ南東部の仕事の11%を生み出しているのだ。これらの経済にとって、遺伝子組み換えサーモンが私たちの海に誤って導入されることは巨大な驚異である。それは経済だけにとどまらず、人間の健康にも影響する。遺伝子組み換えサーモンを食べることのリスクは未知であるため、人間だけでなくサーモンに依存する海洋動物にとっても驚異なのだ。

当初、FDAは12月26日にGMOサーモンの環境査定へのコメント期間を設け、フランケンフィッシュに対する意見を表明するために公共に与えられたのは、わずか30日だった。

ポール・リオックスにとって彼ができる唯一のことは、遺伝子組み換えサーモンに抗議してシトカの集会を組織化することだった。「この国の他の地域で集会が開かれているのを目にして、ここでも開けばいいんだと決めたんだ」と彼は言う。

ポールの行動によって130人が集会に集まり、これはのちにアラスカ州のマカウスキー上院議員ベギッチ上院議員、そしてアラスカ州代議員のジョナサン・クリース=トムキンスによって公表された。このイベントの4日後、FDAは遺伝子組み換えサーモンの公衆意見聴取期間を60日に引き延ばし、2013年4月26日を新たな締め切りに設定した。私はシトカの取り組みがこの期間延長につながったと確信している。

サーモンのために団結

漁業が経済の最大の貢献者であり、また私たちの生業でもあるシトカでは、住民は野生のサーモンについては真剣だ。町は小さいかもしれないが、シトカはその声を高く、明確にひとつのメッセージとして轟かせた。「遺伝子組み換えサーモンはいらない! 」Photo: 〈Sitka Conservation Society〉

これを実現させるために、私たちはささやかな取り組みからはじめた。このメッセージをメンバーに伝えるために〈Alaska Longline Fishermen’s Association (ALFA)〉や〈Alaska Troller’s Association (ATA)〉などの漁業組織から支援を得たり、地元のビジネスや学校で看板を作るパーティーを開いたり、そして集会の情報と遺伝仕組み換えサーモンに反対するコメントをFDAに提出する方法を掲載したチラシを作って、貼ったり手渡したりした。また地元のラジオ局KCAWが朝のインタビューに招待してくれ、私、ポール、そしてGMOに反対してアメリカを走る地元の中学生デービッド・ウィルコックスが遺伝子組み換えサーモンのマイナス影響について議論した。MudflatsブログとFish RadioからもFDAが遺伝子組み換えサーモンの認可を考慮していることについての意識を高めるための集会についての情報を伝達した。

テクノロジーによって私たちのソーシャルネットワークは組織化され、私たちのストーリを国中の地域社会に住む人びとと共有し、意思決定者に有権者の意見に耳を傾けることが、これまで以上に可能となっている。これは私たちが情熱を抱くいかなる問題にも同様で、私とポールにとってその問題とはトンガス国有林の野生のサーモンの健康なのだ。

「民衆の力はかけがえのないもの。なぜなら民衆の力に終わりはないからだ」

私たちの行動をつうじて希望する世界を創造できるのは、まさしくここ、地域社会なのである。しかしこれは積極的で活発な市民参加によってのみ可能だ。民主主義のプロセスで懐疑的な人びとに出会うことがよくある。自らの声の力への信念を失った人たちだ。しかし結局のところ、誰も行動を起こさなければ何も起こらない。ポールのようなシトカの人びとは私たちの声は変革の触媒であることを思い出させてくれる。そして信じていることについて発言し、立ち上がることで、自分たちが住みたい世界を創造しつづけることができるのだ。

サーモンのために団結

みずから組織化した集会で、遺伝子組み換えの魚がアラスカの経済と生態系にもたらす潜在的な脅威について群衆に語るポール・リオックス。Photo: 〈Sitka Conservation Society〉

小さなアラスカの田舎町におけるポールのGMOサーモンに対する積極的なアプローチは、草の根組織の意義を示す一例である。外部の政治的力が私たちのための決定を下すのを待つのではなく、一緒に立ち上がり、再生可能な民衆の力を作って、地域アクションにより作られ、支援される未来に向かって一緒に行動を起こそうではないか。このためには、国中、そして世界中の皆が互いの草の根組織を支援する必要がある。周りの人びとからの支援のなかに存在する私たち個人の情熱は、不動に見える状況も可動にできるのだということを互いに思い出させつつ。

トンガス温帯雨林の野生のサーモンについてはwww.sitkawild.orgをご覧ください。

パタゴニアは2001~2002年の環境キャンペーンで遺伝子組み換えの問題について報告しました。また2003~2004年は野生のサーモン種を保護することの重要性に焦点を当てました。これらのキャンペーンについては、パタゴニアのアーカイブでお読みいただけます。

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