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特別対談 捨てる社会からリユース社会へ!

特別対談 捨てる社会からリユース社会へ!

2013/07/23 2013年7月23日

ヤフー株式会社 代表取締役社長 宮坂学
パタゴニア日本支社 日本支社長 辻井隆行


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パタゴニアのユーズド・ウェア&ギア by ヤフオク!

着ることができるウェアはしまっておかず、世に出しましょう。パタゴニアではヤフオク!とのパートナーシップを通じて、タンスに埋もれているか、埋め立て地行きになってしまう不要なパタゴニア製品を簡単に販売することができます。とことん着ても着古せないパタゴニア製品に飽きたら、売却を考慮してみましょう。

以下はパタゴニアとヤフオク!のパートナーシップを記念しておこなわれた、ヤフー株式会社 代表取締役社長 宮坂学氏とパタゴニア日本支社長 辻井隆行の対談の模様です。

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リユースの原点は「モノを愛すること」
宮坂学(敬称略、以下宮坂):「リユースの個人的なエピソードといえば、1999年だったかな。会社が始めるオークションサービスに何か出品しないと、って。そしたら僕の出したストーブが、たまたま一番に落札されたんです。当時はリユースなんて正直考えていなかったですね。捨てるのではなく売ることで、モノが長く使われるのって楽しいなっていう、漠然とした思いはありましたけど。たとえば学生時代に、先輩からジャージやユニフォームをもらうじゃないですか。そのモノが持つポジティブな思いや持ち主の愛着もいっしょに引き継ぐ、そういう感覚って好きですよね」

辻井隆行(敬称略、以下辻井):「僕は先日呼んでいただいた立教大学のゼミのなかで、23年間使っていた万年筆をついに失くして、同じモノを買いにいったという話を聞いたんですよ。なんていうか、ひとつのモノを長く使うのってすごく楽しいことなんですよね。パタゴニアにはコモンスレッズ・パートナーシップ(注1)という環境イニシアチブがあります。そして製品の修理も請け負っているんですが、2012年は日本だけで8500件くらいの依頼がありました。なかにはもう20年ぐらい着て、さすがにそれは修理も無理だろう、っていうくらい生地が薄くなったショーツを、あと1回だけ! といって出されるお客さまもいる。愛着なんですよね」

宮坂:「“使用体験”っていうと大げさですけど、しっかりしたモノを買って2、3回修理しちゃうと、その体験の思い出が刻み込まれる。粗末には扱えなくなりますし、もしどうしても不要になったときは、本当に大切にしてくれる人をなんとか見つけだして、売るかあげるかしたいと思いますよね」

【撮影:中村 友一】


リユースで変わる!オークションサービスの未来

宮坂:「ただ、パタゴニアさんが環境面からリユースを考えているとしたら、プラットフォームとしてのYahoo! JAPANは、そういうエコロジーな部分がまだほとんどない。これはもう要らないから5000円で売っちゃおうとか、ヤフオク!で売ったらもうかるよねっていう、サイドビジネスの部分が大きいと思うんです。僕もずっと、そういう感じで出品してきました」

辻井:「そこは買い手も同じです。 僕は本来、中古品のもつ味わいやたたずまいが良いからモノをリユースしたい、というアイデアなのですが、学生のころはお金がないからヤフオク!を使っていました。最初は無印良品のベッドを落札しましたね。今はパタゴニアに携わって、より環境への配慮を理由にしたリユースを呼びかけていますが、モノを大切に使うって、日本人の心にすごく合っているなと実感します。もったいない、という文化があるから活動を理解していただきやすくて、安いからという理由以外でも、リユース品を買いたいという人が増えているように感じます」

宮坂:「そうなんです。売り手もサイドビジネスじゃなくて、これはどうしても捨てたくない。でももう使わないから欲しい人にゆずりたい! っていう人が、本当はたくさんいると思うんですよ。Yahoo! JAPANが提供したいのは、そういう人が極端な話、3秒で出品できるぐらいの手軽さ。スマートフォンやバーコードで出品できるようになって、もちろん昔よりは手軽になったけど、ヤフオク!はまだまだ、落札された後のやりとりや発送がめんどうくさいですよね。ビジネスじゃないのにそんなに時間をかけるなんて、きっとみんな嫌じゃないですか。現在、ヤフオク!では、ユーザーが宅配便で送ってくださったモノを、Yahoo! JAPANが買取って出品したり、福岡のヤフオクドームにリユーススタンドを設置して、そこで不用品を受け付けたり、だれでも手軽にリユースができる環境を整備しています。」

辻井:「うれしいですよね、本当に。捨てないですむというのは」


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【ヤフー株式会社 代表取締役社長 宮坂学】

Yahoo! JAPANとパタゴニアだからできること
宮坂:「今回のプロジェクトって、実はすごく画期的じゃないですか。本来パタゴニアさんはメーカーだから、新品が売れなくなるリユース品の出品には反対すべきでしょう?」

辻井:「反対してもパタゴニアの製品はすごく丈夫だから、ひとつ買ったら結局ずっと使えちゃうんですよ。環境保護への思いや作り手の魂もあるので、使わなくなったらどんどんヤフオク!に出品して、欲しい人に売ってもらったほうがうれしいです。私たちも頑張って発信しているんですが、会社の大きさやアウトドアブランドという性格もあって、活動に対する認知度がどうしても限定的。今回のヤフオク!との取り組みで、多くの人にパタゴニアの活動を知ってもらえることが本当に楽しみなんです。パタゴニアは、時間がかかるコミュニュケーションのほうが得意ですから、現代の忙しい人が求めるスピード感のアップにも期待しています」

宮坂:「今後はヤフオク!に、パタゴニアの実店舗での活動を連携できたらいいですよね。具体的なアイデアはこれからになっちゃいますけど」

辻井:「実店舗では今年9月に、日本1号店である目白店をコモンスレッズ・パートナーシップやWorn Wear(注2)のストーリーを伝えるコンセプトストアとして新たにスタートするんですよ。まずは生産上どうしても出てしまうBクラス品を修理してよみがえらせたり、修理不能なものは、まったく違うモノに再生して必要な方に販売しようという。将来的には、お客さまから回収した製品の販売も予定しています。いつの日か、そのモノがたどった場所やストーリーまで一緒に伝えながら、ヤフーさんのリユース活動とも連動できたらもっと面白くなると思っています。」

宮坂:「いいじゃないですか、それ。ヤフオク!でやりたいですね。これは富士山を登ったんだとか、高尾山にも行ったんだとか。持ち主の思い出にも価値を感じてくれる欲しい人に、古いモノを売ることができるサービスって楽しいと思います。エピソードをコンテストにしてもいい。ふだんは聞けないユーザーのストーリーを聞いてみたいですね」


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【パタゴニア日本支社 日本支社長 辻井隆行】

1億人のリユース社会はここからはじまる!
宮坂:「今はリユースって、 20人に1人くらいのすごく興味を持っている人が、1人で10個も20個もリユースしていますっていう状況だと僕は思うんですよ」

辻井:「そうそう。僕らみたいに、それについて話しはじめたら止まらないような人たちが、でしょう?」

宮坂:「それが1人1個ずつ、1億人がみんなリユースしていますって状況になるのが理想ですね。これだけ便利な世の中になって、家中全部のモノを100%リユースしましょう、っていうのはさすがに無理。ただ、売るのでも買うのでもいい。1人が1個、家具1個でもいいからリユースすれば、そこが循環型社会への入り口になる。この先何十年、何百年かかるかわからないですけど」

辻井:「いろんなスタート地点があると思います。 たとえば宮坂さんが着ているTシャツを1枚作るのに、700リットルの水を使うんですね。20年後には、地球の水資源の7割を使い果たしてしまうといわれている今、そういう環境配慮はもちろん必要なんですが、きっかけはそこじゃなくてもいい。大学で講演をすると、今の学生はすごくストレートに、『まだお金がないんですけど、そういう良いモノはどうしたら買えますか』って聞いてくる。僕は『じゃあヤフオク!で、パタゴニアを検索してよ』と答えています。良いモノを安く買えて、リユースにもつながるから一石二鳥でしょ。そして使わなくなったら、捨てずに売ってみてほしい。それが自然と環境への意識につながると信じています」

宮坂:「理想の循環型社会は、僕たちが生きているあいだにはきっとできないですよね。でも一代では終わらなくて、何代も受け継がれてやっと完成するほうが、ずっと大切なことのように思います。今はまだ知られていないけど、パタゴニアさんのような素晴らしいリユース活動をしている会社が、実はいっぱいあると思うんです。そういうリユース活動を紹介して、ビジネスではない“売る”を、次の世代に受け継いでもらえるよう提案をしていきたい。それが巨大プラットフォームYahoo! JAPANの使命だと今は思っています。」

ライティング:勝間田 明美
撮影:中村 友一
出典:特別対談 捨てる社会からリユースする社会へ! – リユース! ジャパン プロジェクト – ヤフオク!

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■ふたりのリユースを知ろう

パタゴニア日本支社 日本支社長  辻井隆行(つじい・たかゆき):「リユースで手に入れた、北欧デザインのチークソファがとても気に入っています。40年前に作られたモノですが、一生使い続けるつもりです」

ヤフー株式会社 代表取締役社長 宮坂学(みやさか・まなぶ):「アウトドアが好きなので、汚れやすいモノはヤフオク!で、今もリユース品を落札しています。愛着のあるスキー板やスノーボードは絶対に捨てたくないので、万が一不要になったら売って、必要な方に使ってもらいます」

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注1: コモンスレッズ・パートナーシップ
リデュース(削減)・リペア(修理)・リユース(再利用)・リサイクル(再生)の順番で、4つの「R」に導かれたパタゴニアの環境イニシアチブ。5つ目の「R」にリイマジン(再考)を加え、モノを捨てない環境行動に取り組むと同時に、自然が再生できるものだけを使用する世界の実現を再考することも呼びかけている。Yahoo! JAPANも賛同している。

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注2: Worn Wear (パタゴニア製品にまつわる色あせないストーリー)
長年にわたって愛用してきたパタゴニア製品にインスピレーションを受けてはじまった取り組み。お客様や友人たちのお気に入りのパタゴニア製品にまつわるストーリーをシェアする場として、Tumblrブログをスタートさせた。本国では店頭で着ることのなくなったパタゴニア製品の回収/販売も開始している。日本でも2013年9月に現在の目白ストアをコンセプトストアとして新たにスタートし、将来的にはお客様から不必要になった製品を回収、それらを販売する予定。

WW

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