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『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS -』 by デール・ホープ

パタゴニア  /  2013年7月29日  /  読み終えるまで10分  /  コミュニティ
『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS -』 by デール・ホープ

デール・ホープ著の新刊『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS – 』はアロハシャツに秘められた波乱に富んだ歴史を、700点以上もの美しいビジュアルとともに綴るものです。2000年に米国で出版された内容に、新しい事実やビジュアル、そして著者が最も関心をよせる「Pataloha」の物語を加え、日本の皆さまにご紹介します。本書ではアロハシャツに情熱を傾ける人びとの歩んだ道のり、ロマンに満ちたハワイの美しさが織りなす逸話、そしてシャツそのものが語る素晴らしい物語のコレクションを紹介しています。パタゴニア・アンバサダーのジェリー・ロペスによる序文と、イヴォン・シュイナードの寄稿文を掲載。本書はパタゴニアの直営店およびオンラインショップブエノ! ブックスにてお買い求めいただけます。

また発売を記念して、著者であるデール・ホープが来日し、パタゴニア直営店にてサイン会を行います。ぜひストアへも足をお運びください。

8月3日(土):15:00~18:00 パタゴニア サーフ東京
8月4日(日):10:00~13:00 パタゴニア 鎌倉
8月5日(月):16:00~19:00 パタゴニア 大阪
※『The Aloha Shirt – Spirit of the Islands-』をご購入もしくはお持込のお客様に限ります。

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パタロハ バイ パタゴニア

南カリフォルニアの小さな町ベンチュラは、石油産業で財をなして裕福だったため、保守的な町でしたが、1960年代に入るとアメリカのどの町もそうであったように、ヒッピーなど自由を求める若者が移り住む町へと変わり始めました。

しかし、景気や政治がどうであれ、冬ともなれば打ち寄せる波は大きく、そして美しく、ベンチュラという名前はサーファーたちを魅了してやまないものでした。
そんな新しいアメリカの時代が訪れるベンチュラで、ヒッピーでも排他的なサーファーでもない若者たち新しい連中が、町外れの安い土地で登山用具を製造販売してたのです。
1965年、クライマーでありサーファーであるイヴォン・シュイナードは、シュイナード・イクイップメント社を正式に設立し、彼の元には同じようなスタイルの若者たちが集まり、共に働いていました。
彼らは登山用具を作りながらその合間にサーフィンするという新しいライフスタイルを作り、自由主義でベンチュラの波を楽しみながらヨセミテのビッグウォールに挑む新しいタイプの若者たちです。海や山を何よりも優先する彼らが買う服は、スリフトショップに並んでいるようなものばかりで、多少のバリエーションはあったものの、選択肢はほとんどありませんでした。軍の放出品からアロハシャツまで多岐に渡る中で、サープラスよりアロハシャツの方が彼らにはしっくりきたのでしょう。クライマーたちは、知的であり自由であり遊び心があましたから、アロハシャツは歓迎されました。また彼らはクライミングという危険から解放される「緩さ」をアロハシャツから感じていたのかもしれません。
1970年代以降、登山用用具を製造していたシュイナード・イクイップメント社は、パタゴニアの前身として衣類も製造し始め、美しいアロハシャツも作りました。

『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS -』 by デール・ホープ

「私はアロハシャツを着ると、気分が良くなるだけでなく、私が来ているものを見た人も何かを感じると確信しています。それが、アロハ精神の力です」 – ジェリー・ロペス

カリフォルニアの青空を思わせるコバルトブルーの生地に登山用具をモチーフに散りばめたシュイナード・イクイップメントのアロハシャツはとても楽しく、クライマーの遊び心を反映しています。5種類の用具を大胆に散りばめるアイディアは、共同経営者であり、かつてアートの教師をしていたこともある、イヴォンの妻のマリンダ・シュイナードによるものでした。このアロハシャツの伝統的デザイン技法は、その後パタゴニア社でのアロハシャツのラインであるパタロハ(Pataloha)に踏襲されていくことになります。

パタゴニアは登山用具会社のソフトウェア部門として「Patagonia」と商標登録され、1972年に会社として正式に誕生します。パタゴニアのカタログは、その中の写真と芸術性が評判を呼び、アメリカで新たなカタログマーケティングの1ページを開けるのです。1985年の春カタログからはサイズをひと回り大きくし、翌年の春カタログではそれまでの有料(1ドル)から無料配布に変更します。この1985年と1986年の2年間は、パタゴニアにとって秋冬のイメージを払拭する事業の大切な節目になったと言えます。この節目で大役を果たすのが、パタロハ(Pataloha)でした。
1986年の春カタログには、トロピカルな魚や花をある種の東洋的な感覚で流れるようにデザインされたシャツ”Pataloha TM Hawaiian Shirts”が登場しています。そして同じページには、どこかのパーティに妻のマリンダと出席したイヴォン・シュイナードが、ジャケットの下にパタロハシャツを着て正装した写真が掲載されています。パタロハシャツの製品紹介文は、そのカタログの中では最長とも言えるもので、こう書かれてありました。

「生き生きと跳ねるような小粋なシャツは、そもそもハワイで生まれたものです。それはすぐに有名になりましたが、その人気が高まるにつれて、ハワイの本来の印象主義の美を表現する本物は、ゆっくり退化していきました。やがて、単に燃えるような色使いになり、微細を欠いたパターンのシャツは、しばしば大きなお腹を隠すためか、観光客のカメラの下に隠れるだけの哀れな代物になったようです。私たちはこのパタロハ・オリジナルで、本来のアロハシャツの古典と尊厳を回復したいと思います(以下略)」。
パタゴニアは、1990年に入り本格的にサーフ市場への進出と、春夏製品の事業規模を拡大する転機を迎えます。その時に大役を果たしたのがレラ・サンでした。彼女はパタゴニアとサーフィン業界の、特にハワイとの架け橋になりました。本物に尊厳を見出し、それを敬うパタゴニアにとって、彼女が果たした役割は数字では表せないほど大きかったと言えます。彼女はハワイが持つ海との関わりや文化を正確にパタゴニアに教え、パタゴニアは忠実に実現しながらも、それが持つ許容範囲を知ることで、より美しいものを作ろうと努力しました。クラシックなアロハシャツのパターンにアウトドア・アクティビティであるクライミングやカヤック、サーフィンをするアスリートたちをデザインしたシャツは、レラのアイデアによるものでした。

『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS -』 by デール・ホープ

「それまで機能と品質を追求し、遊びの精神を加えて作られていたパタロハシャツに、デール・ホープの「本物」の知識と才能が加わることで、さらに美しいパタゴニアならではのシャツに仕上げるチャンスが来たのです」 – イヴォン・シュイナード

レラは1987年に他界していますが、彼女の意思は別の形でパタゴニアにギフトをもたらします。2001年のある日、レラの縁故を通じて長身の日焼けしたデザイナーが、カリフォルニアのパタゴニア本社を訪ねてきました。ホノルルから来たという彼こそ、デール・ホープでした。デールは、パタゴニアの評判をハワイでも聞いており、パタゴニアとの出会いを心待ちにしていました。彼の持つシャツや生地に関する知識はすべての人を驚かせ、「アロハシャツとは、彼そのもののことだ」と思わせるほどでした。
本物への尊敬と忠誠を誓いながら、パタゴニアらしいシャツを作ることは、パタゴニアという文化にすぐに溶け込んだデールにとって、さほど難しいものではなく、ホノルルにある彼の自宅のオフィスから次々とデザインが送られてきました。そして、2003年夏から最高品質のオーガニックコットンで作られたパタロハのリミテッド・エディションを、デール・ホープのデザインにより発表することになったのです。
彼の記念すべき最初のパタロハは、フライフィッシング好きなイヴォンのフライを赤い生地に載せてプリントした、シンプルでオーセンティックなデザインでした。その後、デールはそれまでのパタロハのデザインに息吹を与えるように、生き生きとした、しかも正統派のアロハシャツをパタゴニアから次々と発表していきました。

2006年のパタロハを最後に、パタロハはデールから独り立ちをするのですが、彼の偉業を受け継ぐのは、簡単なことではありませんでした。デールの才能と努力を受け継ぐ時に初めてその大きさに気付かされるのです。

『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS -』 by デール・ホープ

2013年春夏では、デザイナーにマイケル・キャシディーを迎えてパタゴニア由来のパタロハを発表しました。

パタゴニアのアンバサダーであるジェリー・ロペスが、「パタロハのリミテッド・エディションは、デール・ホープが作るに等しいアロハシャツのマスターピースであるべき」とマイケルにデザインを依頼したことによるものです。
1986年春にカタログに書かれたように、パタロハとは遊び心のデザインの中にも「本来のアロハシャツの古典と尊厳の回復」に努めながら、それを着る人に、その意味を着心地から理解してもらえるシャツであるよう常に志し、それは今日でも全く変わらぬ理念になっているのです。

[ マイケル・キャシディーよってデザインされた2013年春夏のパタロハ ]

『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS – 』より転載

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デール・ホープ
ハワイ在住のアロハシャツデザイナー、コレクター。10代の頃よりハワイのアパレル業界に深く関わっている。両親が経営していた洋品店を引継いた後、1986年に伝説のブランド「カハラ」を買い取り、再び注目されるブランドへと復活させる。サーフィンとカヌーを愛する彼は、アロハシャツの権威として幅広く知られる。1987年、“Hawaii Apparel Manufacturer of the Year”の初代ガバナーズ・カップに輝く。2000年より「パタゴニア」のサマーオーシャンラインである“Pataloha”のディレクターを務める。www.thealohashirt.com

『The Aloha Shirt – SPIRIT OF THE ISLANDS -』 by デール・ホープ

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