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サーフィン・アンバサダーの冬休みの読書感想文2:僕の知らないサーフィン

サーフィン・アンバサダーの冬休みの読書感想文2:僕の知らないサーフィン

By 進士 剛光(パタゴニア・サーフィン・アンバサダー)   |   2014/02/10 2014年2月10日

進士剛光

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ミッキー・ムニョス著『NO BAD WAVES(悪い波はない)』を読んだ。文章に写真に迫力があり、そして観たこともないような、聞いたこともないようなストーリーがちりばめられていた。本当に刺激のある時間を体験した。そして、サーフィンというもの自体には、一サーファーとして自分が頭のなかで考えていたことをはるかに超える実際の話があることに驚いた。

僕は小さなころ、物心つく前から父の影響でサーフィンをしてきた。地元でのさまざまなコンディションの波はもちろん、コンテストで日本中を駆けめぐり、海外にもコンテストのため足を運び、そして雑誌の取材でトリップに行ったり、ノースシーズンのハワイも経験したつもりだった。サーフィンについて、さまざまな側面から関わり、そして楽しんできたつもりだった。だがこの本を読んだあとに残ったのは、まだまだ本当のサーフィンというものに出会っていないんじゃないか、もっと海と対話する時間をもつべきであり、まだ答えを出すのは早いんじゃないか、という気持ちだった。これまで以上に、けれどもいまと同じようにサーフィンしていくことにプラスして、海とのコミュニケーションにも色々な方法があり、もっと自然を感じて、対話することができるんじゃないかと、あらためて思った。

[ 父も乗ってきた伊豆大浜でテイクオフ 写真:Yuki Shinji ]

感動させられた部分は山のようにあった。そのなかでもワイメアにチャージしているページ。その写真を見ることができたことにも感動したが、あの時代、海のなかに人が少なく、波に果敢に挑戦する姿は大きく見えた。ハワイに行き、ワイメアに乗ったと簡単に書いてある。けれども絶対にいくつかの経験や勇気は必要だ。自分をその環境に自然においてあげているサーファーが、大きな波に乗り、それを乗りこなすことに挑戦する自然な形を、しかも飾らずにこなしていく部分には、本当に感動した。

色々なサーフィンの在り方にも触れていることにも注目させられた。サーフィン、トリップ、コンテスト……。僕はサーフィンをはじめたときから当たり前のようにサーフボードがあり、ウェットスーツがあり、そもそもサーフィンという言葉がある時代からのスタートだった。だから、何不自由なく今日までサーフィンをつづけることができた。けれども逆に便利なものすべてがすばらしい訳ではない。波と対話し、よく自然を観察した結果、やっとできたサーフボードやサーフィンに対する知識には、何にでも歴史があることを再認識させられた。

すべての物事にはかならず歴史はある。だがサーフィンの、それこそ僕の父が歩んできた道を分かりやすく鮮明に感じられたことは、これまでただ毎日してきたサーフィンとは多少なりとも違ったものとなることは、言うまでもない。とくにサーフィンをつづけてきた自分としては、この本によってあらためてサーフィンというものの偉大さを認識するとともに、これまでのサーファーたちが歩んできたこと、そしてその歴史や文化に興味をもたせてくれる、そんな一冊になった。手元にかならず置き、時間が経ったらまた読みかえすことだろう。

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進士剛光は先日オーストラリアから帰国したばかり。その体験も、近くクリーネストラインで報告してくれるはず。

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[ 夕日のスナッパーロックス 写真:進士剛光 ]

 

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