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帰還:パダゴニアでの独立記念日

 /  2014年7月25日 読み終えるまで3分  /  コミュニティ
帰還:パダゴニアでの独立記念日

2014年1月14日。未来のパダゴニア国立公園、チャカブコ・バレーの真ん中に百人を越える人びとが集まっている。巣から落ちたあと救出され、チリのサンチアゴにある〈Raptor Rehabilitation Center〉でリハビリを受けた3羽の若いアンデスコンドルが囲いのなかから広い渓谷に出て、生まれてはじめて自由に飛ぶ瞬間を待っているのだ。

コンドルは地球上でもっとも大きい鳥類の一種で、3メートルを越える翼長は猛禽類でも最長、体重は15キロにもおよび、風の助けを借りて1日に240キロも飛行する。腐食性動物であり、グアナコ、羊、その他の大きな哺乳動物の死骸を探してまわる。コンドルは長寿で、繁殖の速度が遅く、そして絶滅の危機に瀕している(牧場経営者の多くがコンドルは家畜を盗むと誤解し、殺そうとするのだ)。よってこのような飼育下繁殖プログラムやリハビリは、コンドルの未来を守る重要な役割を果たす。

地元の小学生により、コルコル、アンディーノ、レイと名付けられた同巣のヒナたちは、この2か月間公園内のリリース前専用の囲いのなかで暮らしていた。鳥はここで、完全にリリースされる前に新しい環境と一体化することができる。子供たちは生物学者や自然保護活動家とともに公園を訪れ、ヒナの成長を観察し、若いコンドルがはじめて飛び立つこの独立記念日を待ちに待っていた。今日、子供たちはその瞬間を祝うため、家族を連れてやって来たのだ。

囲いの外に出たコンドルたちは周囲を観察し、体を伸ばす。そしてためらいがちに軽くジャンプすると、突然飛び立つ。3羽のコンドルが風に乗って飛翔するのと同時に、100の顔が空を向いた。

【All Photos: Linde WaidhoferとJorge Molina】

帰還:パダゴニアでの独立記念日

3羽の若いコンドルはリリースされる前、チャカブコ・バレーの囲いのなかで3か月間を過ごした。LINDE WAIDHOFER

帰還:パダゴニアでの独立記念日
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観察し、学ぶために集まった、コンドルの「里親」になった地元の小学生たち。JORGE MOLINA

帰還:パダゴニアでの独立記念日
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チリの農務省の職員(手前)と野生生物学者のクリスチャン・サウシードが、リリースする前の囲いに入れられている鳥を運ぶ。LINDE WAIDHOFER

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説明は不要だろう。若い鳥たちはリリース後まもなく宙に舞い、仲間たちが何百年もそうしてきたようにチャカブコ・バレーを自由に飛ぶ。LINDE WAIDHOFER

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