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2度目のダークセンダービー:いまやっていることと、これからやりたいこと

辰己 博実  /  2015年3月2日  /  読み終えるまで5分  /  スノー

2度目のマウント・バチェラー。写真:辰己 博実

2度目のダークセンダービー:いまやっていることと、これからやりたいこと

2度目のマウント・バチェラー。写真:辰己 博実

昨年12月、前年に引き続き2度目の参加となるダークセンダービーに出場するためにアメリカ、オレゴン州マウント・バチェラーを訪れた。滑走日数が一番多いホームゲレンデのニセコの次に、二番目に多いのがバチェラーで、第二のホームだ。外に出ることによって得ることは多く、言葉の壁を感じることも少なくはないが、それでもこの町で過ごす数日は僕にとって特別な時間となっている。結果から言うと、今年も優勝出来ず2位だったがまた来年の課題にしようと思う。

ここ数年、アメリカのアンバサダーたちがよく日本に滑りに来ているから顔を合わす機会も多い。アレックス・ヨーダーはGENTEMSTICKのチームライダーだし、みなGENTEMSTICKに興味を持っている。ダービーにはジェリー・ロペスやペップ・ファスなどのスノーボード以外のアンバサダーも来ていて、ほかにも多くのローカルたちと同じ土俵で滑れるのがこの大会の醍醐味だ。今回は昨年動いてなかったトップリフトが動いていて、ヨーダーとジェリーさんの案内で一緒に滑ることができた。雪も少し降って快晴、一緒にリフトに乗ったローカルのおじさんが「今日は今シーズンで最高の日だ」って言っていたし、景色も素晴らしい。バチェラーは大きな山でリフト一本分の滑走距離が長く、地形も豊富で最高のロケーション。スノーアンバサダーたちが一同に会し、一緒に滑る機会はここでしかないし、当然ながら皆うまくて滑りながら自然と笑みがこぼれる。昨年来たことを覚えていてくれた人たちも多く、去年よりも誰かしら近くにいてワイワイ楽しくやれた。また今年新たに知り合った人たちも多く、皆が興味を持って話しかけてくれる。英語はあまりできないが、コミュニケーションは取れるし、みんなが「スゲーな」って言ってくれるのは単純にうれしい。日本よりもダイレクトな反応はとても刺激になるし、もっとやってやろうとモチベーションも上がる。

2度目のダークセンダービー:いまやっていることと、これからやりたいこと

トップリフトからの眺め。写真:辰己 博実

いまやれていることは夢のような話で、怪我をしたときにはどん底まで落ちて何をすればいいのかわからなかった。何をやってもいいし、何でもできるし、協力してくれる人たちも多く、感謝の連続だ。僕がアンバサダーとして活動することや、アメリカに遠征に行くことで何ができるかはまだわからないが、まだ道のないところを先頭を切ってやっていくことはしんどいことも多いが、すべてが自分の糧になる。一度は滑ることをあきらめた僕を一枚の写真が変えたように、あきらめかけている人が僕を見ることであきらめずに原動力に変えられるような活動をこれからもずっと続けていきたい。いまやっていることは義務でもなんでもなく、やりたいことをやりたいだけやっていられるのがつくづく幸せだ。

ケガをする前よりもいまのほうが充実しているのは複雑な気持ちではあるが、人生何が起こるかわからないってことだろう。不自由で不便でできないことが多く、それが嫌で工夫してできるようになるのが楽しいから、それをモチベーションに続けられる。動機はすごくシンプルだ。こうやって文章を書くことは苦手でいつも苦労するが、発表する機会や挑戦するチャンスを与えてくれることに感謝している。

怪我をきっかけに前よりもスノーボードにのめり込み、以前は想像すらできなかったパタゴニアのアンバサダーとして海外に遠征にまで行けるようになった。妻と家族のサポートが大前提での現在の動きではあるが、自分なりに苦悩しながらできることを精一杯やっているつもりだ。苦労話をするつもりはないが、いまやっていることは誰もやっていないことで、トライ&エラーの繰り返しでストレスを感じることも多い。だが、誰もやっていないと言うことは何をやっても新鮮で、つねに想定外のことが起こり得るが、最近はそれさえも楽しもうと思えるようになってきた。けれどもやはり勘弁してほしいこともある。想像してみてほしい、スノーボードでゲレンデをフルカービングしているときや、山に入り滑っているときに、いきなりビンディングが壊れて解放し、修理不能で足が動かず身動きが取れない状況を。これが僕のいまやっていることの現状なのだ。

けれども、そんなことを言っていても何も変わらないし、だいいちつまらない!僕にはアイディアもあるし、テストをできる環境もある。いままでになかったものを考案し、テストして作り上げるのはしんどいことではあるが楽しくもあるし、何より自分に合っていると思う。理想の道具を作り上げみんなにこの感覚を共有してもらいたい。それにはまず自分のライディングに耐えられる道具を作り、ストレスなく滑りつづけること。それがいまの僕の最大にして最高の目標だ。

2度目のダークセンダービー:いまやっていることと、これからやりたいこと

左からタイラー、僕、ゲイヴ、ラヴィ。写真:辰己 博実

2度目のダークセンダービー:いまやっていることと、これからやりたいこと

左からフォレスト、ジェリーさん、アレックス・ロペス。写真:辰己 博実

2度目のダークセンダービー:いまやっていることと、これからやりたいこと

ベンドのローカルたちと。写真:辰己 博実

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前年のレポートは以下からお読みいただけます。
ダークセンダービー参戦:チェアスノーボードを持って初めて海外に飛び出した

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