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PETAのウール・ビデオ

PETAのウール・ビデオ

By パタゴニア    |   2015/08/18 2015年8月18日

パタゴニアのベースレイヤーとインサレーションに使われているメリノウールを供給するオーヴィスXXIの牧場ネットワーク内で撮影されたビデオ映像を動物愛護団体〈PETA〉がリリースしました。これは〈PETA〉が出す他のものと同様、見る者を動揺させます。この4分間のビデオは子羊と羊の非人道的な扱いを示し、去勢、断尾(羊の尾を切ること)、食肉用の子羊の屠殺という生々しい映像が含まれています。以下で詳しく述べます。

このビデオが示す慣行に対する責任を認めることは、ことのほか意思をくじかれることです。なぜなら私たちがこのプロジェクトに関与することになった元々のきっかけは、草原地帯を再生することに加え、動物福祉を向上させることだったからです。2005年、私たちは(オーストラリアの羊毛生産者に対する〈PETA〉のキャンペーンを通して)ウジの発生を抑えるために羊に施すミュールズ手術という、苦痛をともなう慣行について知りました。私たちは公開(そして追跡不可能な)市場からのウールの調達を停止するために取り組み、ニュージーランドとオーストラリアのミュールズ手術を受けていない羊から安定した供給ができるまで、メリノ・ベースレイヤーの主要製品の立ち上げを延期したほどです。

〈PETA〉は私たちがその名の下に行われる慣行に責任を持つという理由で、パタゴニアを標的にしています。このビデオの牧場からのウールは紡がれ、編まれ、パタゴニアのラベルのついた製品に縫製されます。私たちはどのレベルにおいてもサプライヤーによる行いのすべてに責任を負いますが、この場合はとりわけです。2011年初期、私たちはウールを育てる画期的な方法を開発するため、オーヴィスXXIとパートナーシップを組みました。それは草原を破壊するのではなく再生し、パタゴニア地域の生活様式を守り、直接肌の上に着るためのこれまでにない品質のウールを生産することに着手しました。これは私たちにとって重要かつ興味をそそるプロジェクトでした。

オーヴィスXXIと最初の対話をはじめたとき、パタゴニア地方にはクロバエがいず、それゆえミュールズ手術は問題でないことを知り、うれしく思いました。またオーヴィスXXIの農家は動物が冬のあいだも温かく過ごせるよう十分な毛を保持する方法を講じていることを知り、満足しました。加えて、アルゼンチンは生きた羊の輸出という、危険な慣行が禁止されています。またオーヴィスXXIの認証を受けるには、参加牧場は放牧、土地管理、群れの移動、剪毛に対して厳しい手順を守らなければならないことにも注目しました。これらすべては動物福祉に良い影響を与えるものです。私たちは放牧の総体的な進展に向け、オーヴィスXXIとともに密に取り組みました。しかしながら、ミュールズ手術が行われていないことを認証する以外は、動物福祉慣行を監査したわけではなく、ビデオで取り上げられたような問題は認識していませんでした。

〈PETA〉は人間のいかなる目的のためにも動物を利用しないことを信条としています。これは私たちが尊重するものではありますが、共有する信条ではありません。それでもやはり、〈PETA〉は動物に危害を与える慣行への認識を高めることにおいて重要な役割を果たしており、私たちはパタゴニアが彼らの積極行動の標的であったとしても、正当な懸念が発覚した場合は耳を傾けます。

私たちに関する限り、パタゴニアはビーガンのお客様にはダウンとウールの代替品を提供しています。さらにグースダウンが確実にライブプラッキング(生きたままの羽毛採取)もフォアグラ用の強制給餌もされていないガチョウに由来するよう、世界で最も厳格な基準を開発/履行するために多大な資源を充ててきました。パタゴニアの要件は独立認証機関である〈NSF International〉により「グローバル・トレーサブル・ダウン基準」に組み込まれました。

私たちはまたウールについても取り組みつづけています。2014年初期、羊と子羊の倫理的な取り扱いのための21世紀の水準である「責任あるウール水準」(近刊予定)を開発するため、他の数々のブランドおよび〈テキスタイル・エクスチェンジ〉との恊働を開始しました。この世界的な水準における私たちの願いは、その完成時には、動物福祉を保護し、ベストプラクティス(最善慣行)に影響を与え、追跡可能性を確実にし、究極的には消費者が責任ある選択をするために明確かつ信頼できる情報を提供することです。〈テキスタイル・エクスチェンジ〉はこの過程に〈PETA〉を招待しましたが、〈PETA〉は参加を断ったため、他の動物福祉組織が参加しています。

このビデオでハイライトされている2つの慣行は、注目すべきは、ウール産業では標準化されているものであるということで、それには相応の理由があります。群れの一部を去勢することで、群れを管理することができ、密集化を防ぎます。一方で、断尾は羊の感染および施設の衛生を保ちます。重要なことは、これらの手段が履行可能な、統一の水準のもと、人道的な方法で行われることです。

ご興味のある方は、こちらからビデオをご覧いただけます(生々しい映像にご注意ください)。衝撃的な画像の影響を受けずにはいられません。暴力的な剪毛方法や非人道的な屠殺には弁解の余地がありません。ここで映されている慣行について私たちは調査中です。オーヴィスXXIと協働し、必要な修正と改善を加え、私たちが取る手順についてお客様と公にご報告します。

私たちの名の下に行われた害について心よりお詫びいたします。そして経過をお伝えしていきます。

より責任あるウールのサプライチェーン構築のためのパタゴニアの取り組み

2005年2月

オーストラリアの羊毛生産者に対する〈PETA〉のキャンペーンを通してミュールズ手術という羊に苦痛を与える過程について知る。このキャンペーンはまた動物の「生きたままの輸出」(生肉消費のためにオーストラリアから中東へ生きた羊を輸送し売ること)についても非難。

2008年

ウール繊維の調達先を、追跡することもミュールズ手術の有無も分からない従来の公開市場から、これらの慣行が行われていないニュージーランドおよびオーストラリアの特定地域のサプライチェーンへと移行しはじめる。ニュージーランドとオーストラリアのミュールズ手術を受けていない羊からのものであることが追跡可能なサプライチェーンが構築されるまでウールのベースレイヤーの製品立ち上げを延期。

2008年秋

ミュールズ手術を受けていないニュージーランドの羊から調達したメリノ・パフォーマンス・ベースレイヤーの製品ラインを発表。

2011年11月/12月

素材調達および環境チームがアルゼンチンのパタゴニア地方にあるオーヴィスXXIのネットワークの牧場を訪問する。その目的は彼らのプログラムからの糸を調達する可能性を見極めるため、a) 重要な草原地帯の保全を支援しているか、b) サプライチェーンにて羊のミュールズ手術を避けるというパタゴニアの方針が維持されているかについて探ること。

アルゼンチンではクロバエが蔓延することはないため、ミュールズ手術が行われてないことは確認したが、この他の動物福祉懸念事項についての牧場監査は特に実施しなかった。羊の感染および施設の衛生を保つ断尾が行われていることは認識。去勢慣行は調査していない。

2011年秋

メリノ・パフォーマンス・ベースレイヤーのプログラムをオーストラリアの追跡可能かつミュールズ手術が行われないウールへと移行。

2012年

オーヴィスXXIのウールを徐々に、より多くの製品に適用することを探るための計画、品質テスト、生産高およびサプライチェーンの試験を継続。

2012年秋

ソックス全製品とベースレイヤーの一部にオーヴィスXXIから調達したウールを採用。

2014年2月

〈テキスタイル・エクスチェンジ〉が指揮する「責任あるウール水準(RWS)」への業界の取り組みについて、公共の特別委員会の一員として仕事を開始。この水準は21世紀の動物の人道的取り扱いの倫理水準を満たす羊と子羊の取り扱いへの責任ある一貫したやり方を保証する。この世界的水準の完成により、動物福祉を保護し、ベストプラクティス(最善慣行)に影響を与え、追跡可能性を確実にし、究極的には消費者が責任ある選択をするために明確かつ信頼できる情報を提供することが願いである。

パタゴニアとオーヴィスXXIにとって、RWSは草原地帯の再生とともに、動物福祉を明らかな優先項目として強調するものである。

2014年

メリノ・パフォーマンス・ベースレイヤー製品ラインをすべてオーヴィスXXIウールに移行。

公開市場から調達している少量のウール(ウールの帽子一部とウェットスーツの裏地)のサプライヤーを変え、改善に着手。

2015年冬/春

ソーシャル/エンバイロメンタル・レスポンシビリティ・チームを通して、〈テキスタイル・エクスチェンジ〉のワーキング・グループ運営委員会に参加し、「責任あるウール水準(RWS)」を開発する産業界の努力をリードする支援を継続。

2015年夏

2016年に完成が予定されている「責任あるウール水準(RWS)」の執行方法を決定するため、いくつかの社内会議をもつ。

2015年8月

〈PETA〉が去勢、断尾(羊の尾を切ること)、食肉用の子羊の屠殺という子羊と羊の非人道的な扱いを示す生々しい映像を含むビデオを公開する。

私たちは以前から確実な動物福祉のための厳格な水準を採用すること、またこの目標へ向けて取り組むことへの必要性を理解していたが、オーヴィスXXIの牧場における動物福祉の問題については認識していなかった。〈PETA〉のビデオで映されている慣行について緊急に調査に着手し、オーヴィスXXIとともに必要な修正を加え、私たちが取る手順についてお客様と公に報告することを誓約する。

オーヴィスXXIの動物福祉に関するプロトコルの概要

オーヴィスXXIの持続可能ウールの認証を受けるためには、牧場は厳格なプロトコルを遵守しなければならない。放牧および土地管理、群れの向上、剪毛はその3つの柱であり、これらすべてに動物福祉を保証するための主要な条件を含む。

本水準の規定概要:

• 羊は自然の草原で放牧されること

• ミュールズ手術は行われないこと

• 抗生物質やホルモン剤が使用されないこと

• 医療処置は外部寄生虫を制御するためのワクチンとピレスロイドに限られること

• 動物の「生きたままの輸出」はしないこと

• 責任ある群れの管理と衛生のための業界の基準慣行である去勢と断尾は早い段階で苦痛を最小限に抑える手法で行われること

3つの柱の詳細規定:

1. GRASS(Grassland Regeneration and Sustainability Standard=草原の再生と持続可能な水準) 

土地管理は動物福祉の鍵となる問題である。我々の適応管理を用い、またおもに総体的計画放牧を使用することにより、以下の結果を達成することができる:

• 自然の放牧に類似し、草食・肉食動物の関係を再現した状態で(囲みや人工飼育なしに)解放された広域の放牧場にて飼育される。

• すべての動物が年間を通して確実に十分な餌を得られるよう、飼料を増加する。 • 食餌の品質を向上させる草原地帯の生物学的多様性を増やす。

• 動物への責任を負う管理者の技術と注意を向上させる。

• 動物の削減につながる可能性のある干ばつおよび深雪の際のリスクが削減し、より良い管理が行われる。

• より良い水の供給および配給をする。

• キツネやピューマに配慮した形で、その捕食を避けるため番犬を使用する。

2. 群れの向上水準

• 広大な放牧システムに適合しやすい顔面無毛で簡素な体形の動物を飼育する。顔面無毛は通年、明確な視野を保ち、多産かつ健康な羊と相関させる。

• 気候的ストレスのある状況で生存し、繁殖する能力に相関する脂肪沈着の高い動物を飼育する。

• 自然な(人工遺伝子操作のない)方法のみを使って飼育する。

3. ウールのクラッシングおよび剪毛水準

• 剪毛、ウールのクラッシングおよびパッキングに関するすべての手順はアルゼンチンの国家水準に従う。

• 寒気によるストレスを削減し、保温性を確保するのに十分なウールを残すため、剪毛にはスノーコームあるいはブレードを使用する。

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