「いつかジャンボ・バレーのような野生地を私の子供たちに見せたいです。彼らが自分の内に野生地を培い、私たちに委ねられた世界を気遣ってくれるように」—リア・エバンス。ブリティッシュ・コロンビアのパーセル山脈ジャンボ峠にて。Photo: Garrett Grove
「いつかジャンボ・バレーのような野生地を私の子供たちに見せたいです。彼らが自分の内に野生地を培い、私たちに委ねられた世界を気遣ってくれるように」—リア・エバンス。ブリティッシュ・コロンビアのパーセル山脈ジャンボ峠にて。Photo: Garrett Grove

ジャンボ・ワイルド:聖域と野生地

By ロビン・ダンカン   |   2017/02/03 2017年2月3日

ジャンボ・バレーのパーセル山脈のパウダーの秘められた奥地には、ちっぽけなコンクリートのスラブがあります。放棄されたジャンボ・グレーシャー・リゾートの基礎です。それは環境認可書が無効になる前にグレーシャー・リゾートが公式にスキー場の建築に着手しようとした最後の試みの名残りです。

地元民が25年間戦いつづけているジャンボ・グレーシャー・リゾート計画はまったく意味をなさないものです。ブリティッシュ・コロンビアにもう一つ別のスキー場は必要なく、しかも野生のパーセル山脈のど真ん中に、またすでにすべての街に独自のスキー場がある地域ではなおさらです。私たちに必要なのは野生地であり、クトゥーナーハ族の神聖な価値への尊敬の念とグリズリーベアが自由に歩き回ることのできる場所なのです。

ジャンボ・ワイルド:聖域と野生地

パタゴニアが2015年10月に映画『ジャンボ・ワイルド』をリリースして以来、世界中の5万6千人以上がジャンボ・バレーの永久保護を呼びかける〈ワイルドサイト〉の嘆願書に署名しました。この映画は世界各地で200回以上上映され、そのリリース後数週間のうちにカナダとアメリカで、Netflixで最も閲覧された映画のトップ10に入りました。パタゴニアとのパトナーシップを通じて、私たちは何十年にも渡るこの地元のキャンペーンを世界の舞台へと押し上げました。そして世界中の人たちが私たちの特別な渓谷を愛するようになったのです。

ジャンボ・ワイルド:聖域と野生地

パタゴニアのボルダー店で『ジャンボ・ワイルド』を鑑賞した人たちが行動を起こすのを手助けするアディ・トンプソン(最左)。Photo: Fredrik Marmsater

ブリティッシュ・コロンビアのクートニー=コロンビア地域を1万年以上故郷としてきたクトゥーナーハ族にとって、ガットムークつまりジャンボ・バレーはグリズリーベアの魂の聖域です。この聖域のど真ん中にリゾートを建設することはそれを冒涜することです。

25年にわたり、〈ワイルドサイト〉はクトゥーナーハ族とともに取り組んできました。過去数年間、私はジャンボ・バレーのクトゥーナーハ族恒例のガットムーク・キャンプに参加する幸運に恵まれました。今年のスピリットサークルではジャンボ峠まで歩きました。高山植物に囲まれ、パーセル山脈の360度のパノラマを見渡した私たちには、この聖域への感情と精神的なつながりを声にする必要はありませんでした。

12月1日、カナダの権利および自由憲章に基づき、クトゥーナーハ族の精神的信条と聖域への保護の申し立てがカナダの最高裁で聴取されました。この種の申し立てとしてはカナダ初のものでした。私は〈ワイルドサイトの〉ジャンボ・ワイルドのキャンペーンの主任としてクトゥーナーハ族と連帯してオタワへと旅し、先住民の精神的権利をいかにして認識するのかというカナダでは遅延されていた会話の幕開けを記しました。判決は2017年の春に予定されています。どちらに転ぶかは不明ですが、最近の最高裁の憲章の事例はカナダにおける先住民の権利を肯定しています。本判決は全国で聖域をいかに尊敬するかについての判決となります。

クートニーでは、ジャンボ・ワイルドのキャンペーンが敵対的で地域社会を分割するものだと議論する人もいます。しかし真実は保護のための戦いは私たちの地域社会を新たな方法で結びつけ、スキーヤー、環境保護主義者、観光業者、狩猟者とクトゥーナーハ族のあいだに新しい架け橋を作っています。私たちはともにジャンボ・バレーの長期的な保護のための基礎を作り、先住民の精神的価値、地元地域、野生生物、水、そして環境に配慮したレクリエーションに敬意を表する新たな保護モデルを築いています。

私たちのキャンペーンはたんなる「ノー」から、圧倒的な「イエス」へと移行しています。それは野生地、聖域、きれいな水、野生動物が自由に歩きまわれることへの「イエス」という肯定なのです。

インバーミア・バレーの多くの人びとがジャンボ・グレーシャー・リゾート開発阻止への支持を表明して署名したバナーを掲げるボボ・キャンプソールとジム・ギャロウェイ。Photo: Garrett Grove
インバーミア・バレーの多くの人びとがジャンボ・グレーシャー・リゾート開発阻止への支持を表明して署名したバナーを掲げるボボ・キャンプソールとジム・ギャロウェイ。Photo: Garrett Grove

40年以上も前に、〈ワイルドサイト〉の創始者はパーセル・ウィルダネス・コンサーバンシーを設立しました。それはいまもブリティッシュ・コロンビア南部における最大の保護地域で、野生と野生生物の宝庫であり、国際的な野生生物の重要なコリドー(回廊)の一部です。そのすぐ北に位置するジャンボ地域は、野生生物のつながりとパーセル山脈の野生保護のための重要な一片なのです。

ジャンボを野生に保つためのキャンペーンは25年もつづいており、私たちは皆変化の兆候を感じています。問題はリゾートが建設されるかどうかではなく、それが最終的に正式に放棄されるのはいつか、そしてその後ジャンボ・バレーに向かって来るものは何かです。

コンクリートを流し込んだ最後の試みにもかかわらず、グレーシャー・リゾートの環境認可書は2015年に無効となりました。それは25年間抗議をつづけた地元民にとっては大勝利です。しかし会社は未だに開発のオプションを探っています。今年の春、ジャンボ・バレーのコンクリートのスラブに載った雪が解けるとき、私たちは州首相のクリスティ・クラークに永久保護を訴える嘆願書を提出します。5月の選挙を控えるなか、私たちの声を轟かせなければなりません。この野生地を永久に保護するためにぜひ嘆願書に署名し、友人や家族にも言葉を広めてください。

ジャンボ・ワイルド:聖域と野生地

バスティーユ山が作る陰影のなかを、終わりのないジャンボ規模の問題の懐に向かって登るリア・エバンスとセブ・バーレリン。ブリティッシュ・コロンビアのパーセル山脈。Photo: Garrett Grove

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