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家族が夕刻を一緒に過ごせるようにパタゴニアの託児所は5時半に閉まる。Photo: Kyle Sparks
家族が夕刻を一緒に過ごせるようにパタゴニアの託児所は5時半に閉まる。Photo: Kyle Sparks

不確かな世界でビジネスのための確かな道徳観を探る

By ローズ・マーカリオ   |   2017/05/23 2017年5月23日

過去数か月にわたり、ビジネス環境は劇的に変化しました。それは通商政策や税制改革について言っているのではなく、私たちの民主主義の根底が脅かされている現在、多くのビジネスリーダーが感じている道徳的/倫理的な不確かさのことです。毎日のように新たな不正義が浮上し、私たちはそれについて意見し、行動することを要求されています。それは多くの場合、ビジネスとしての選択ではなく、人間としての義務であり、ときとしてその両方です。

こういった混沌のなかで、いくばくの勇気と慎重な計画があれば、いまビジネスには世界的なリーダーシップの欠如を埋める刺激的な機会が存在します。誰もが考えている疑問は次のようなものです:どうすれば企業はビジネスの必要性に焦点を当てながら、同時に収益よりもさらに大きな緊急の道徳的義務に効果的に対応できるのでしょうか。これは多くの会社にとって未知の領域なのです。

急成長するベネフィット・コーポレーション運動は、困惑する世界にビジネスが肯定的な変化をもたらす主体となることができる/なるべきであると信じるビジネスリーダーにとって、明確で信頼できる道を提供します。ベネフィット・コーポレーションは、ほとんど戦略もないまま日々の屈辱に反応するために奔走するのではなく、その核となる価値観を法的枠組みに埋め込みます。その結果、企業は意思決定のすべての段階において目的に満ちた行動を起こすことができ、可能な際にはつねに、複数の利害関係者に付加的恩恵をもたらすために意図的に取り組み、透明性と理にかなった財務利益を達成する必要性の狭間で平衡を保つことができます。つまりベネフィット・コーポレーションは、ビジネスが人びとと惑星にとって良いものであることを保証するための真のステップとなるのです。このプログラムはお金を儲けることと正しいことをすることのどちらかを選ばなければならないという偽りをなくします。

いまでは法的に指定された4,700以上のベネフィット・コーポレーションが全国に存在します。

パタゴニアは2012年にカリフォルニア州初のベネフィット・コーポレーションとなり、会社の法的枠組みを転換してパタゴニアの土台に私たちの核となる価値観を永久に埋め込みました。それ以来、あらゆる意味においてパタゴニアは成長をつづけています。ベネフィット・コーポレーションの枠組みとBコープ責任説明要項は利益を犠牲にせず企業の行為を改善させる、本モデルのユニークな原動力です(パタゴニアの最新の年次ベネフィット・コーポレーション・レポートはこれがどのように機能するかを示しています)。

これは良いニュースですが、十分ではありません。もしビジネス社会が正しい行いをするための世界的なリーダーの役割を受け入れたいと願うのであれば、それは奇抜な一角獣的な数社ではなく、群れ全体を要します。そしてそれに45年を費やしている時間はありません。ビジネスの大小に関わらず、世界中の全企業は企業利益を査定する方法の優先順位を完全に見直すという責任を負う必要があります。何よりも利益を優先させる従来のビジネスモデルを、ビジネスリーダーとして私たちが下すすべての決断が環境、労働者、顧客そして地域社会に対する忠誠を強化させるものであることを保証するモデルに転換させなければならないのです。

そして最終的には、それでも利益は上がり、もしかしたらパタゴニアの事例のようにそれは前例を上回るレベルになるかも知れません。現在、ほとんどすべての経営幹部と役員(そしてもちろん私たちの破損した政治システム)のあいだに蔓延する短期的思考を変え、長期的見解を採用することは、人びとや惑星にとっての得策であるばかりか、それは究極的には利害関係者にとっての得策でもあります。なぜなら長期的成功を目指す経済では、収益そのものの見解を拡大させる意志のあるビジネスのみが生存可能だからです。

私たちはビジネスとして目を光らせ、声を轟かせ、そして最も重要なことに大胆な行動を進んで起こさなければなりません。ベネフィット・コーポレーションになることはビジネスリーダーに、不確かな世界で確かな道徳観を深く埋め込む機会を提供します。そして長期的にはより高い収益のみならず、人間と惑星にとってより良い未来という見返りをもたらすのです。

パタゴニアの今年の取り組みについては最新の年次ベネフィット・コーポレーション・レポートをご覧ください。

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