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ナノグリップと私の「脱げない」関係

 /  2017年6月12日 読み終えるまで8分  /  サーフィン, デザイン

25年くらい前、私がデザインした柄のラインアップ。ハイレグなのが時代を物語るけど、じつは今年、ワンピースやハイレグがカムバックしている。流行はめぐり巡ってくるから、Worn Wearも取っておくのは正しい。写真:岡崎友子

私にとって水着とは、普通の服よりも多くの時間をともにする関係と言っても言い過ぎではない大切なもの。サーフトリップ、いやじつは普段から下着をつけるのはあまり好きではなく、代わりに水着を着ていることはしょっちゅう。だから脱げません。そして出掛ける用事や人と会う約束がないときなどは、海から帰ってきてシャワーを浴びたらもうパジャマみたいな格好が多いので、人前で着るもののなかでは水着にいちばん気を使います。

まあ、言ってしまえば仕事着のようなものでもあり、自分がやっていることをサポートし、よく見せてくれる手助けもしてくれる大事なものでもあります。だからこそ、水着にはこだわりたい。多くの女性が服のおしゃれにこだわるように、自分に似合う、自分らしい色やデザイン、体型をカバーするデザインを選びたい、動きやすくずれないこと、そして何よりハッピーになれる、モチベーションを上げてくれるくらい気に入っていて脱げないものを着たいと常々思っています。

そんなことから大学生のころ、水着を作りはじめました。誰も着ていない柄で作りたいけどオリジナルのプリントなど作れる資金も規模もなかったので、一枚一枚ハンドペイントでオリジナルの柄を描いて作っていました。自分の体型(チビ、お尻が大きいのに扁平で垂れている、大根足、腕が太い)をカバーし、少しでも格好よく見えるカッティングなどを研究し、一年中見る景色やふとした出来事などから柄を考えることも、大変ではあったけれどとても好きでした。

ウインドサーフィンするための資金のために作りはじめた水着。アルバイトだと決まった時間に行かなくてはならず、そのときに風が吹いていたら練習ができない、水着を自分で作れば風がないときには一生懸命仕事をして、吹いているときはいつでも乗れる。そんな思いでははじめたはずがオーダーに追われ、吹いても吹かなくても朝から晩まで仕事しっぱなし。これでは水着作りをはじめた意味がないとは思ったけれど、ウインドサーフィンで激しく動いでも平気で、自分の好きな色ばかりの柄でつくったオリジナルの水着を着ているのは楽しかったし、それを気に入って買ってくれるお客様や、素敵に着こなしている人など見かけると、本当にうれしかったのを覚えています。

結局3年間ほどは完全な手作り、その後は自分のデザインをハンドペイント風にプリントしたものを使っての製作で10年近くつづけましたが、ウインドサーファーとしての活動がどんどん忙しくなっていき、「もともとウインドをするための資金を作りたくてはじめたものなのだから、ウインドに支障が出るのでは意味がない。また歳をとってウインドができなくなったころに再開すればいい」と水着の製作、販売を終わりにしたのでした。そうはいっても水着を一日中着ているようなライフスタイルは30年間変わることなく、水着に対してのこだわりも相変わらずでした。

ナノグリップと私の「脱げない」関係

アラスカ、キナイ半島の小さな町カシロフのフィッシュキャンプ。毎日、フィッシングに行く仲間の限られた食材を駆使して食事を作り、遠くから水を持ってきてお皿を洗い、たまに洗濯もし、暇があるときはこうしてハンドペイント水着を作っていた。写真:岡崎友子

それにしても、パイプラインの掘れた波をビキニだけでロングヘアーをなびかせて優雅に乗っているボディーボーダーや、女性らしく落ち着いたステップでライディングする女性サーファーたちを見ると、水着がずれたり、髪がぐちゃぐちゃになったり、鼻水がでたりと、無様な姿になってしまうのは私だけなのかと思ってしまいます。

お尻がプリンとでてしまった状態のままオーバーザフォールして上から下にグルンと引きずられ、お尻まるまるリーフというおろし金で引っかいたようになったときもありました。ショアブレイクで荒い砂と一緒にぐるぐる巻きになり、なぜだかわからないけど生地が切れてしまって、水着のボトムを手で押さえながら車まで走って行ったことも。泳いでいたらカレントで流されていることに気づき、必死で泳いで戻ってきて、やっと足がつくところまで来てホッとして立ち上がったら、胸を隠していたはずのバンドー・トップがお腹のあたりまでずれ落ちていたことに気づかずに、大恥をかいたこともありました。

でも何よりも鮮明に覚えているのはカイトサーフィンをはじめたころのこと。当時はまだ道具も不備な点が多く、カイトが風をはらんでもその力をリリースしたり、コントロールできないほどになっても安全にストップするすべがなく、とにかく暴れ馬の手綱を持っているような思いで練習していました。ウインドでは飛んだこともないくらいの高さに、自分の意思などまったく関係なく吹っ飛んだし、背中から100メートルくらい引きずられたり、カイトが一回転するたびに吹っ飛んでは叩きつけられたり、スピードが出すぎた状態でエッジが引っかかって何回転もするようなワイプアウトをしたり……。とくに板から離れて体だけカイトに引きずりまわされることは日常茶飯事でした。

それだけの勢いで引きずられたり吹っ飛んだりするのだから、水着もビキニの上がずれたり、スプレーや水の力で水着が食い込んだりするし、しかも手はカイト操作するためにバーを握っているので水着のズレを直す暇もない。

あるとき、マウイ島の南側のビーチで乗っていたときのこと。いつものごとく引きずりまわされ、それでもバーを離せない。とにかくカイトに繋がっているバーだけは必死で掴んでそのまま引きずられていたのですが、引っ張られたときの水の勢いで着ていたビキニのボトムがザーッと膝の下まで一気に引きずり落とされ、もうちょっとで足からスルッと抜けてしまうところでした。なんとか足首を絡ませて、何が何でも水着をなくしてしまわないように足首をロックしました。足首のところで止めたものの手はバーから離せない。その状態のままカイトに振りまわされながら、空中に吹っ飛んで体が浮き上がるときに見られるんじゃないかとヒヤヒヤしていました。沖でカイトが落ちたときを見計らって一瞬バーを掴んでいた手を放し、一気に足首に絡まっていたビキニのボトムを引っ張り上げました。すでにかなり岸からも近く、見ている人もいたので、危機一髪でした。それ以来カイトをするときはワンピースの水着、あるいはショートジョンのウェットを着るようになりました。

ナノグリップと私の「脱げない」関係

最近夢中になっているフォイルサーフィン。これでもナノグリップはずれずに安心だけど、自分のスキルが安心でなく、はじめたばかりのころは打ち身予防にウエットとビッグウエイブベストをつけてやっていた。写真:岡崎友子

サップや波乗りでもドルフィンやスープや巻かれたときに水着がずれたりして、それを直しているあいだにまた巻かれることがあるし、水着に気を取られている場合ではない状況のときもあります。いくらきれいな色でおしゃれなデザインでも巻かれた後お尻も胸もむき出しになっていたり、慌てて髪の毛もぐちゃぐちゃのままバタバタしている女性はあまりカッコいいとは言えないでしょう。誰よりも水着を着ている時間は多いと思うし、水着自体好きなこともあって、どういう水着が自分の体型をカバーし、動くやすく、着心地がいいか、この30年間つねに考えてきたと思います。

ナノグリップと私の「脱げない」関係

マウイ島、マケナランディングにて、朝日のなかをクルージング。冬は潜るとクジラの鳴き声がたくさん聞こえてくる。Photo: Kengo Nakasato

そんななか、昨年パタゴニアからリリースされたのが

ナノグリップと私の「脱げない」関係

マウイ島のジャングル探検。ウオータープルーフのバックパックにナノグリップ・ボトムなら、ガシガシ岩壁を登っても、水路を泳いでも、滝に飛び込んでも、不安ゼロでピクニックできる。写真:岡崎友子

ちなみにずれない水着について、さらに私なりのいくつかのシークレットを。
1.水のなかで巻かれたときにいちばん安心なのは、じつは紐ビキニである。
2.トップがずれないようにするには、アンダーバストの紐をきつくしめるべし。
3.胸を大きく見せたい人は小さめのトップ、お尻を小さく見せたい人はできるだけお尻の上の部分のカバーが少ないものを。(どちらもデザインにもよりますが、本気で詳しく知りたい方は個人的にご連絡ください)

そして、ナノグリップはこの条件をしっかりとクリアしています。絶体絶命だと思うような状況でも必ず私にぴったりとくっついてサポートしていてくれる、これこそ良い関係。良いパートナーの条件ではないでしょうか。

最後に私のお気に入りをご紹介。トップは

ナノグリップと私の「脱げない」関係

ナノグリップ・ボトムでお気に入りの天然シャワー。近くにはシャンプーになるアワプヒも生えているので完璧。マウイ島 写真:岡崎友子

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