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メンズ・マイクロ・パフ・フーディ
メンズ・マイクロ・パフ・フーディ

あの化繊インサレーションが復活。「マイクロ・パフが帰ってきた!」

By 森山 憲一   |   2017/09/26 2017年9月26日

パタゴニアの化繊インサレーションの定番として知られた「マイクロ・パフ」。ところが、後発の「ナノ・パフ」や「ナノエア」が登場し、すっかり影が薄くなっていた。実際、すでにカタログラインナップからは消えている。

そのマイクロ・パフシリーズが、この秋から復活する。まずはフーディジャケットが発売され、来年春からはフードなしジャケットとベストも登場する予定だ。

この新生マイクロ・パフ、以前のものとはガラリと変わっている。手に取ってみればわかるが、劇的に軽くなった。メンズのフーディタイプで264g。これはナノ・パフ(363g) より軽いことはもちろん、超軽量ダウンジャケットの定番「ウルトラライト・ダウン・フーディ」(298g)より軽い。つまり、ダウン・化繊を問わず、現時点でのパタゴニア最軽量インサレーションということになる。

ということは保温性は低めなのかと思いきや、ナノ・パフやウルトラライト・ダウンと同等なのだという。ダウンより軽くて保温性は同じ?にわかには信じがたいが、それを実現したのが「プルマフィル」という新しい素材。極細の繊維が絡まりながら紐状に成形された素材がそれだ。

「軽くてコンパクトになるダウンのよさと、水濡れに強い化繊のよさを併せもつ素材ができないか、ずっと研究していたんです。プルマフィルの完成によって、それがついに実現したというわけです」

パタゴニアのプロダクトマネージャー、ジェナ・ジョンソンさんはそう語る。

「とくにアルパインクライマーからの要望が強かったんですよね。濡れを気にせずに着たおすことができて、しかも軽い。そんなジャケットができないかと」

軽さの秘密はプルマフィルだけではなく、徹底的に無駄を省いた設計にもある。一本の紐のようにつながったプルマフィルの特性を生かし、ステッチは部分的。これによって縫製糸は少なくてすみ、コールドスポットも最小限になるという一石二鳥。内側には大容量のグローブポケットがつくが、「サイドポケットの裏地を利用しているだけなので、余分なパーツの追加はしていないんです」。そういう一方で、首裏のタグは本体とは別生地に付けられている。これはムダでは?と聞くと、「攻めた軽量化をする人はタグも切り取るでしょ。別生地になっていれば、切り取るのが簡単だから」とのこと!表地は10デニールと極薄のパーテックス・クァンタムだが、もとは7デニールで試作していたらしい。「さすがに7デニールは、岩でこすったりすると破れやすくて、不採用になりました」。

つまり新生マイクロ・パフは、ぎりぎりまで機能を追求した、クライマー向けのテクニカルウエアだということ。「ナノ・パフの存在意義はどうなるの?」という気がしていたが、ここが違いらしい。新型マイクロ・パフがF1カーなら、ナノ・パフは日常ユースも可能な、より一般的なクルマ。リサイクル素材の採用率もナノ・パフのほうがずっと高いそうで、マイクロ・パフは機能優先のためリサイクル率はあまり高くないという。

もうひとつの疑問は、「ダウンと化繊の両立を実現してしまったのなら、もうダウンは不要なのか」ということ。さすがにそこはそううまくはいかないらしく、ダウンと同等の性能を発揮するのはこの厚さに限られた話だという。もっと分厚く保温性の高いジャケットを作ろうとすると、やはりまだダウンに分があるとのことだ。

とはいえ、ダウンをおびやかす新素材が誕生したことは間違いない。ここ数年、革新的なインサレーションを連発しているパタゴニアに、また新たな話題作が登場したといえるだろう。

本投稿は『PEAKS』2017年10月号からの転載です。

森山憲一は登山/クライミングライター。山のルポやクライマーのインタビューなどを各メディアに寄稿している。ギアについても詳しく、自身のクライミングレベルは5.10だが、ギア評論グレードは5.14dはあると自負している。

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