クリーネストライン


シエラの近くでスキーをしながら育てた自分の娘の持ち物かもしれないジャケットを修理するスーザン・ベイカー。 Photo: Ken Etzel
シエラの近くでスキーをしながら育てた自分の娘の持ち物かもしれないジャケットを修理するスーザン・ベイカー。 Photo: Ken Etzel

修理に夢中

By パタゴニア    |   2018/03/06 2018年3月6日

パタゴニアの修理センターへようこそ。ここではあらゆる手法を用いて、皆様のギアを遊ばせつづけられるよう、修理します。

パタゴニアはお客様が徹底的に使って傷んだギアを修理するのが大好きです。そうしたギアは、私たちが長年の酷使に耐える美しい製品を作るという役割を果たし、お客様が思いきり遊ぶという役割を果たした証拠だからです。40 年のビジネス経験で、1 枚の衣類は平均3 年しか手元に置かれないということがわかりました。新たな衣類を製造する原料と工程は、地球に多大な負担を与えます。これにはアパレル業界一、持続可能性を重視しているパタゴニア製品も含まれます。私たちのウェアの環境フットプリントを削減する最善の方法は、ウェアを可能なかぎり長く使いつづけることなのです。

衣類の修理は決して新たな発想ではありません。ほんの数世代前は、持ち物の寿命をできるかぎり延ばすことは、世界中のどこでも必然でした。しかしいまや世界の大半で衣類は使い捨てと見なされ、平均的な成人は毎年約30 キログラムの衣類を捨てています。これはどう考えても驚くべき数字です。しかも1 枚の衣類をあと9 か月使いつづけるだけで、その衣類に付随する二酸化炭素の排出量を27%、水の使用量を33%、廃棄物の発生量を22%削減できるのです。つまり、モノを長く使えば使うほど、地球への影響は小さくなるのです。

ビフォーアフター:ダウンジャケットに新たな人生を与えるアンドレア・ダウナード Photo: Ken Etzel
ビフォーアフター:ダウンジャケットに新たな人生を与えるアンドレア・ダウナード Photo: Ken Etzel
Photo: Ken Etzel
Photo: Ken Etzel
Photo: Tim Davis
Photo: Tim Davis
Photo: Ken Etzel
Photo: Ken Etzel

パタゴニアは、製造する衣料品をできるだけ長く循環させたいと考え、ひとつひとつの製品の耐久性を高めるほか、お客様のギアの寿命を延ばすお手伝いもしています。ネバダ州リノのパタゴニア配送センター内の修理センターは全米最大級の衣料品修理施設で、フルタイムの修理技術者を42 名雇用しています。マネージャーのジョシュ・シルによると修理センターでは現在、5 万を上回る製品の修理を承っています。つまりこよなく愛され、とことん使い古された製品を埋立地行きから救い、さらに利用するための循環に戻しているということです。どの製品も個別にていねいに修理し、「修理をお願いします。これがないと困るのです」というお客様の共通の感情にお応えします。

平均的な修理には約1 時間半。それ以上かかるものもあり、複雑な修理には相当の時間を要します。パタゴニアの修理技術者は多様な経歴をもつ熟練裁縫師で、国外の工場で働いた経験や、ロサンゼルスのアパレル業界に勤めたり、自宅のミシンで独学で習得した人もいます。修理技術者はまずシンプルな修理を覚え、徐々に複雑な修理に挑みます。「ここで取り扱う修理の70%を確実にこなせるようになるには4 〜6 か月かかります。とくに複雑な修理はホイール付きラゲージやフィッシング用ウェーダーのブーティの修理などで、誰もができるわけではありません」とシルは語ります。しかしどのような修理内容であっても、技術者はそれを自分の使命とし、持ち主に10 営業日以内に送り返せるよう、製品を修理します。

北米のパタゴニアでは、ユーズド製品は「Worn Wear」プログラムを介してクレジットに交換することも可能です。Worn Wear 該当品は水を使用しない液体二酸化炭素洗浄機で洗濯されます。これは精巧なクローズド・ループ(循環型)システムで、プラスチックの海への流出を防ぎ、さらに乾燥も不要です。洗濯後のウェアの写真はwornwear.com に掲載され、すでに一度愛用されたパタゴニアのギアが次の持ち主の手に渡ります。

どうしても修理不可能な製品もあります。その場合は、お客様の許可をいただいてからリサイクルします。もちろん、お客様が手放すのはしのびないと思われる際は、ご要望に応じてお返しします。

リノの修理センターでこよなく愛された製品を修理するスーザン・ベイカー。1987 年のチョー・オユー遠征でベースキャンプのサポート隊員だったスーザン(彼女の子供たちの父親はネバダからのクライミングチームに所属していた)は、いまでもオリジナルのシュイナード・エクスペディション・ソーイングキットを所有。彼女はそれを使って暴風に切り刻まれたテントのフラップや、チームメンバーのゲイターを修理した。 Photo: Ken Etzel
リノの修理センターでこよなく愛された製品を修理するスーザン・ベイカー。1987 年のチョー・オユー遠征でベースキャンプのサポート隊員だったスーザン(彼女の子供たちの父親はネバダからのクライミングチームに所属していた)は、いまでもオリジナルのシュイナード・エクスペディション・ソーイングキットを所有。彼女はそれを使って暴風に切り刻まれたテントのフラップや、チームメンバーのゲイターを修理した。 Photo: Ken Etzel
リノの修理センターの技術者たちに送れらた熱烈なファンレター。 Photo: Ken Etzel
リノの修理センターの技術者たちに送れらた熱烈なファンレター。 Photo: Ken Etzel

「結局のところ、パタゴニアの最終目標は製品がゴミ埋立地行きとなるのを最大限に延ばすこと」であると、Worn Wear運営コーディネイターのステーシー・ウィーバーは言います。「パタゴニアの品質基準は非常に高いので、着古されたウェアであっても、まだまだ寿命は尽きません。だから修理、再使用、アップサイクル、リサイクルなど、できることは何でもします。着古した衣類を活躍させる方法がじつにたくさんあるのに、なぜ無駄にするのでしょう」

このストーリーの初出はパタゴニアの2018年Januaryカタログです。

編集後記:日本でもビジネスを展開するパタゴニアは、「日本基準」を満たす構造と縫製にしなければならない、を合い言葉としてきました。そして、それは修理技術にも確実に生かされています。今年1月に投稿されたリペアサービス・マネージャーによる記事「遊びつづけるための2つの修理」も合わせてお読みください。

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