すべては石油、石炭、ガス、ウランなのだ
2017年12月、米国大統領はベアーズ・イヤーズとグランド・ステアケース・エスカランテ国定記念物からほぼ2百万エーカーを、違法に削減しました。大多数のアメリカ国民による圧倒的な支持、そしてほぼ3百万人が、一般からの意見聴取期間に国定記念物の保護を訴えたにもかかわらず、大統領はその決断を裏付けるために「遺産」、「敬意」、「輝かしい自然の驚異」、「保護」などの言葉を引用しました。
その時点で説明はされず、情報公開法による要求を通じて公開された何千もの記録により、ようやく明るみになったのは、その決断が政治的便宜以外の何ものでもないことでした。数人の政治家がこの2つの「前」国定記念物には著しいエネルギー資源がないことを何度も断言したにもかかわらず、それは虚偽であったことが証明されたのです。その境界線の書き直しは故意によるものであり、私欲のために政府へのロビー活動に何百万ドルも費やす産業から直接影響を受けたのです。
以下にその数例を挙げます:
石炭
114億トン:従来のグランド・ステケース・エスカランテ国定記念物の中心に位置するカイパロウィッツ台地にある、採掘可能な石炭の推定量。それはユタ州最大の石炭田で、米国屈指のひとつ。
2017年春に発行された内務省のメモには「国定記念物内のカイパロウィッツ台地は米国最大の石炭田のひとつを有する」と書かれています。
石油とガス
9万エーカー:従来のベアーズ・イヤーズ国定記念物の東側の境界線沿いに産業界が興味を示している、新たな石油とガスのリース面積。
ウラン
50万トン:もし新たな許可や拡張操業が許された場合、従来のベアーズ・イヤーズ国定記念物周辺でこの先20年にわたって採掘されるウラン生産高の増加量。これはとりわけナバホ・ネーションの先住民族の飲料水に影響を与えかねない。しかもその場所は、土地に残置された500以上のウラン鉱によってすでに汚染されている。
実際、内務省の再検討プロセスの当初から、その担当者はこれらの地域を国定記念物と指定する決断によってどれだけの石炭、石油、天然ガスおよび放牧用の草や材木が利用不可能、または困難になるのかを探るようスタッフに指示しました。一般からの意見聴取期間がはじまる前から、ハッチ代議員は石油とガス資源を利用するために既存の国定記念物を削減することを要求しています。
内務長官ライアン・ジンキは言っています。「私たちは石油とガスの潜在的可能性についてかなり理解しています。そして可能性はあまりありません。だからベアーズ・イヤーズは石油とガスのためのものではないのです」 しかし、それはやはり石油とガスのためのものだったのです。従来の国定記念物の地図を、新たに書き直されたそれと比較するとき、それぞれはこれらの資源を利用するために突き動かされたものであることが明白で、これらの決断の多くはトランプ政権が一般からの意見聴取期間を開始する前にすでに下されていました。
パタゴニアはトランプ政権に対して訴訟を起こしており、この行為が覆されることに自信があります。しかし選出議員に公有地を保護させつづけるために必要なのは、狩猟者から女性、アウトドア狂から環境保護活動家、そしてこれらの土地を誰よりも長く知ってきた先住民族までの、全アメリカ国民の声と投票です。
情報を入手し、活動をつづければ、今年11月、投票ブースで私たちの土地を最高入札者に売却する政治家をクビにすることができるでしょう。民間企業は途方もなく類まれな私たちの野生地を破壊することにより利益を得るべきではありません。
これは私たちの土地なのだから。
地図データと、ベアーズ・イヤーズおよびグランド・ステアケース・エスカランテ国定記念物の石炭/石油/ガス/ウランの潜在的可能性についての分析を提供してくれたアウトドア・アライアンス・GISラボのパートナーに感謝します。彼らのストーリー・マップはこちら。
なぜパタゴニアが公有地のために闘うのかについては、こちらをご覧ください。