クリーネストライン


〈CWFS〉はこの放棄された林道を、地下水に支えられたオフチャンネル生息地に変換した。冬の降雨の際、サーモンとトラウトの稚魚がここで避難しているのが見られる。エネルギーを節約し、カロリー摂取を増やし、捕食を逃れているのだ。Photo: Jeremy Koreski
〈CWFS〉はこの放棄された林道を、地下水に支えられたオフチャンネル生息地に変換した。冬の降雨の際、サーモンとトラウトの稚魚がここで避難しているのが見られる。エネルギーを節約し、カロリー摂取を増やし、捕食を逃れているのだ。Photo: Jeremy Koreski

光を呼び戻す:セントラル・ウエストコースト・フォレスト・ソサエティ

By パタゴニア    |   2019/08/01 2019年8月1日

ブリティッシュ・コロンビアの林業界の有力者にとっては、バンクーバー島の森はあまりに豊かで抗えない。巨大なトウヒ、モミ、ベイスギは公開市場では最高値がつく。島の遠隔の、雨に濡れた太平洋沿岸では機械化された林業が1950年代に盛んになり、その後何十年もつづいた。

1955年以前は、ここの河川の生態系には何の保護もありませんでした」とジェシカ・ハッチンソンは語る。彼女は〈セントラル・ウエストコースト・フォレスト・ソサエティ(CWFS)〉の野外生態学者兼エグゼクティブ・ディレクターだ。

「川岸までずっと伐採することができ、私たちはいまもその林業の影響を目にしています。それまで上手に配置された、多様な老齢林が立っていた一部の場所は、いまでは暗く密に植林された単作林となっていて、その他の場所では林業の名残が川をせき止め、余分な堆積物が溜まっています。崩壊した橋が川を堰き止めたり、道路建築のために砂利が掘り出された川すらあります。それらの川の砂利は、野生の太平洋サケの重要な産卵場所でした」

修復作業が巧みに行われれば、自生種は以前の領域にふたたび生息する。ここでは、シロザケが新たに作られたタンニン豊かなサンドヒル・クリークの産卵床を利用している。Photo: Jeremy Koreski
修復作業が巧みに行われれば、自生種は以前の領域にふたたび生息する。ここでは、シロザケが新たに作られたタンニン豊かなサンドヒル・クリークの産卵床を利用している。Photo: Jeremy Koreski

パタゴニアの助成先である非営利団体の〈CWFS〉は、人間の活動によって破壊されたり、あるいは劣化した地元の森林と水域を修復することに取り組んでいる。環境科学者が先導する本団体の研究構想は、現場での多くの重労働の日々によって補われている。

「私たちの区画のほぼすべてを修復することが使命です」とハッチンソンは言う。「チェーンソー、ウインチ、カギテコなど、何百ポンドものギアを手で積み込みます。私たちはこれらの水域を復元させようと試みていますが、それはまた低木層を傷つけたり土壌を固めるための掘削機など、仕事を楽にする機械を使わず、手や手巻きのウインチを使って丸太を動かすことをも意味します」

バンクーバー島のバックカントリーで仕事をするジェシカ・ハッチンソン。この島の水域の大部分は皆伐が招いた大きなダメージを抱えている。ハッチンソンとスタッフは修復のプロセスを早めることのできるプロジェクトを企画する。Photo: Jeremy Koreski
バンクーバー島のバックカントリーで仕事をするジェシカ・ハッチンソン。この島の水域の大部分は皆伐が招いた大きなダメージを抱えている。ハッチンソンとスタッフは修復のプロセスを早めることのできるプロジェクトを企画する。Photo: Jeremy Koreski

林道を通過不能にすること、自生の植物を植えること、堰きとめられたサーモンの川を清掃すること、あるいは命を与える光を森林床まで通すために二次林を間引きすることなど、彼らのプロジェクトはすべて自然の修復プロセスを加速化する一助となるものだ。

自生の北米シダを川岸に植えるファースト・ネイションズのトラオ・キ・アットのメンバー兼フィールド技術者のジーン・アントワン。自生の低木層植物を再導入することで、川岸が安定し、水質が向上し、生息地の複雑性が高まることとなる。Photo: Jeremy Koreski
自生の北米シダを川岸に植えるファースト・ネイションズのトラオ・キ・アットのメンバー兼フィールド技術者のジーン・アントワン。自生の低木層植物を再導入することで、川岸が安定し、水質が向上し、生息地の複雑性が高まることとなる。Photo: Jeremy Koreski

「修復というのは、川や森を変更される前の状態に戻すことではありません」と彼女はつづける。「元の状態に正確に戻すことは決してできません。でも私たちにはシステムが癒えるのを手助けすることはできます。それは非常に困難な仕事ですが、わずか数年で生物多様性が真に復興するのを目の当たりにしてきました。だから肉体的には疲れる仕事ですが、その結果として肯定的な成果の一部となれるというのは、とてもやり甲斐のあることです。損なわれたものの一部を修復するというのは、気分がいいものなのです」

ワークウェア

ワークウェアは私たちにとっては目新しいものではありませんが、労働を重んじるパタゴニアの一面を再考できることに胸を躍らせています。重労働に耐えるよう開発された実用主義の製品ラインを構成するジャケットやシャツやパンツには、非常に丈夫で長持ちする素材を使用。その一例であるアイアン・フォージ・ヘンプ・キャンバスは、産業用ヘンプ/リサイクル・ポリエステル/オーガニックコットンを混紡した革新的な厚手の素材で、従来のコットン製ダック・キャンバスよりも耐摩耗性に25%優れながら、着慣らす必要はありません。パタゴニアのヘンプ混紡ワークウェア製品はまた、フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用。全コレクションはpatagonia.jp/workwearをご覧ください。

〈セントラル・ウエストコースト・フォレスト・ソサエティ〉

〈セントラル・ウエストコースト・フォレスト・ソサエティ〉についての詳細と彼らの仕事の支援についてはclayoquot.org(英語)をご覧ください。

本投稿は2017年パタゴニア・ワークウェア・カタログ(日本語版未発行)に初出。

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