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写真:永易量行
写真:永易量行

進化したキャプリーン・ミッドウェイト

By 村石 太郎   |   2019/09/25 2019年9月25日

2019年の秋冬シーズンにベースレイヤーの定番である
キャプリーン・ミッドウェイトが一新した。
中空糸とダイアモンド・グリッド構造の裏面を取り入れた
新しいキャプリーン・ミッドウェイト素材の特徴と機能性について、
3人のパタゴニア・アンバサダーの話とともに紹介していこう。

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理想的なミッドウェイト・ベースレイヤー

クライミング・アンバサダー 横山 勝丘、パタゴニアにて。写真:佐藤正純 
ベースレイヤー:キャプリーン・ミッドウェイト・ジップネック 
ミッドレイヤー&アウターシェル:マイクロ・パフ・フーディー
クライミング・アンバサダー 横山 勝丘、パタゴニアにて。写真:佐藤正純  ベースレイヤー:キャプリーン・ミッドウェイト・ジップネック  ミッドレイヤー&アウターシェル:マイクロ・パフ・フーディー

新しいキャプリーン・ミッドウェイトは、肌に触れる部分が出っ張ったダイアモンド・グリッド構造の裏地を取り入れることで、汗をかいたときのベトツキ感を抑えながら、不快な汗冷えを軽減する。中空糸を採用することで、さらに軽量で保温性に優れ、汗を吸いあげて拡散させて蒸発させる機能も向上した。

「乾きのよさと、温かさ。実際のクライミング中のストレスがない」と話すのは、アルパインクライミング・アンバサダーの横山勝丘だ。通常のクライミングでは薄着でいることがほとんどだと話す彼は、うえに羽織るのは「メンズ・ナノエア・ハイブリッドベスト」だけでいることが多いと教えてくれた。

「通常、かいた汗が乾くとき、体が冷える感覚がありますよね。でも、このキャプリーン・ミッドウェイトでは、そうしたいわゆる汗冷えを感じないなと思っているんです。瑞牆山でのマルチピッチクライミングだとすると、これからの時期で天気がよければうえにメンズ・ナノエア・ハイブリッドベストを羽織るだけで十分です。それでも寒いときは、さらに『フーディニ・ジャケット』を着る。もうそれだけです。もっと高い山で、寒くなるときはシェルを『ガルヴァナイズド・ジャケット』に変えるとか、ミッドレイヤーを保温性が高いものにしたりしますが、行動するときは暑くなるのでそういうふうに羽織ります」

ロッククライミング・アンバサダー 倉上 慶大、秩父北東部・二子山にて、写真:萩原 悟 
ベースレイヤー:キャプリーン・ミッドウェイト・クルー 
アウターシェル:フーディニ・ジャケット
ロッククライミング・アンバサダー 倉上 慶大、秩父北東部・二子山にて、写真:萩原 悟  ベースレイヤー:キャプリーン・ミッドウェイト・クルー  アウターシェル:フーディニ・ジャケット

いっぽう、ロッククライミング・アンバサダーの倉上慶大は、キャプリーン・ミッドウェイトの「軽さ」が自分にとってなによりも大切な機能だと話す。

「秋冬用の長袖で、単体で着ることができるベースレイヤーとして軽いところがいいですね。クライミングのとき、ホールドをずっと触っていると手がどんどん冷えてくるんです。そのときに、血流を止めないように手首までがしっかりと覆われていることも気に入っている点です。袖まわり、それに首のまわりのフィット感がしっかり作られているというか、熱が逃げないように絞られている、隙間が開きすぎないところがいいなと思っているんです。これは自分で計測した実測値ですが、夏の時期に着ている長袖の『メンズ・キャプリーン・クール・デイリー』が150g程度で、このキャプリーン・ミッドウェイトは170g程度だったんです。わずかな重さの違いで、ずいぶんと保温性も高められていると感じています。1〜2月頃の寒い時期にも、これを単体か、少し肌寒いときに『フーディニ・ジャケット』か、『エアシェッド・プルオーバー』を着るだけでいいんです」

倉上は、冷えやすい首の付け根の後ろ側の生地が2重になっていることも素晴らしいと付け加えた。

体の動きを妨げないダイアモンド・グリッド構造

重さに対して高い保温力を備えたキャプリーン・ミッドウェイトは、中空構造のリサイクル・ポリエステル100%素材を採用する。ダイヤモンド・グリッド構造の裏地は、高い吸汗発散性と速乾性を発揮するとともに、メカニカルストレッチの自然な伸縮性を備える。
重さに対して高い保温力を備えたキャプリーン・ミッドウェイトは、中空構造のリサイクル・ポリエステル100%素材を採用する。ダイヤモンド・グリッド構造の裏地は、高い吸汗発散性と速乾性を発揮するとともに、メカニカルストレッチの自然な伸縮性を備える。

素材にストレッチ性を与えるには、伸縮性に優れるスパンデックス繊維などを混紡するのが一般的だ。しかし、この新しいキャプリーン・ミッドウェイトはリサイクル・ポリエステル100%ながら、独自のダイアモンド・グリッド構造によって豊かな伸縮性を実現している。汗などの水分を吸わないスパンデックス繊維を含まないため、軽く、吸汗速乾性もより効率的になった。今季からは、新しくスイス・マテリアルAG社が開発した耐久性抗菌防臭加工技術「HeiQ(ハイキュー)」も採用した。

横山と倉上の両氏とも、体の動きを妨げないダイアモンド・グリッド構造によるメカニカル・ストレッチを高く評価する。「岩登りでも着ることがあるけれど、まったくストレスを感じない」という横山に対して、倉上は「一般的なベースレイヤーと違って、ひっぱられる感じがしない」と体の動きやすさを強調した。

いっぽう「着ていて一切のストレスがない。とても満足しています」と話すのはスキー・アンバサダーの古瀬和哉である。同時に、「ある程度のストレッチ性があるミッドレイヤーなどとあわせると、より動きやすくなる」と提言する。厳冬季には「キャプリーン・サーマルウェイト」など、より保温性の高いモデルを着るという古瀬にとって、キャプリーン・ミッドウェイトの出番は3月中旬あたりからのスプリングスキー・シーズンに始まる。

スキー・アンバサダー 古瀬 和哉、白馬にて。写真:伊藤 剛 
ベースレイヤー:キャプリーン・ミッドウェイト・ジップネック 
ミッドレイヤー:ナノエア・ジャケット 
アウターシェル:フーディニ・ジャケット
スキー・アンバサダー 古瀬 和哉、白馬にて。写真:伊藤 剛  ベースレイヤー:キャプリーン・ミッドウェイト・ジップネック  ミッドレイヤー:ナノエア・ジャケット  アウターシェル:フーディニ・ジャケット

「春は、気温的にはキャプリーン・ミッドウェイト一枚で歩けるぐらいなんだけれど、稜線に立って風が強いときは『フーディニ・エア・ジャケット』を着ることが多いですね。この時期のミッドレイヤーとしては、薄めのクロストレック・ジャケットを保温着としてバックパックに入れています。それにキャプリーン・ミッドウェイトの裏地がダイアモンド・グリッド構造になったことで、汗をかいても肌にベタつかないのもいいですね。山を登っている最中、かいた汗でひんやりと冷たく感じることもほとんどなくなったと思います。これは、裏地側が肌に触れるところと、汗を拡散するところに段差ができているからなんでしょうね」

軽量で温かく、汎用性にもっとも優れた一枚

秋の縦走登山から、アルパイン・クライミングやバックカントリー・スキーまで、もっとも汎用性に優れた「キャプリーン・ミッドウェイト」(左)。より保温性が高く、寒冷地での活動に適した「キャプリーン・サーマルウェイト」(中)、天然素材メリノウールを使いながら最高位の温かさを備える「キャプリーン・エア」も揃う。
秋の縦走登山から、アルパイン・クライミングやバックカントリー・スキーまで、もっとも汎用性に優れた「キャプリーン・ミッドウェイト」(左)。より保温性が高く、寒冷地での活動に適した「キャプリーン・サーマルウェイト」(中)、天然素材メリノウールを使いながら最高位の温かさを備える「キャプリーン・エア」も揃う。

キャプリーン・ベースレイヤーは、吸汗速乾性や抗菌防臭効果を向上しながら、環境への配慮からリサイクルポリエステルを採用するなど、さまざまな進化を遂げてパタゴニアのベースレイヤー・ラインアップとして多くの登山者たちに親しまれてきた。この2019年の秋冬シーズン・ラインナップは、寒冷地での活動に適した「キャプリーン・サーマルウェイト」、天然素材メリノウールを使いながら最高位の温かさを備える「キャプリーン・エア」のほか、今回紹介するキャプリーン・ミッドウェイトが加わえられている。

新しいキャプリーン・ミッドウェイトは、温暖な季節と山域に最適な「キャプリーン・クール」シリーズ、寒冷地向けのキャプリーン・サーマルウェイトのちょうど中間に位置する保温性を備えた、汎用性にもっとも優れた素材だ。控え目なロフトは適度な保温性を備えながらも、発汗量が高く、ストップアンドゴーを繰り返すようなアルパイン・クライミングやバックカントリー・スキーなどにも対応するよう配慮している。優れた吸汗速乾性はもちろんのこと、軽くて動きやすく、肌触りも良好なキャプリーン・ミッドウェイトは、少し肌寒さを感じる、これからの時期の北アルプス縦走などにも最適な一枚だ。

本投稿は『Yamakei Online』に掲載された、<パタゴニアベースレイヤー物語 「進化したキャプリーン/ミッドウェイト」>からの転載です。

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