100%になるまで
言い訳:難しい、お金がかかる、生地を作る人がいない、機能性が劣る。
現実:これらはもはや事実ではない。
企業として、私たちは品質に対する揺るぎないこだわりを固守しつづけており、グレードVIIのようなビレイ用パーカから悪天候対応型シェル、寒いときにすばやく動くためのナノエア・インサレーションまで、意図された状況で機能する製品を作っています。そして、より長持ちするデザインを採用することで、買い替えの必要性を減らしています。
1991年のカタログからの抜粋には、これらの要点が強調されています。
「飛んでいる最中に槍先が折れるような槍を作る人はいない。腐った藁でカゴを編む人もいない。これと同様に、マイナス50度の気温下で家族のために狩りに行く仲間にパーカを縫うとしたら、すべての縫い目は完璧でなければならない」
品質と機能性をつねに最優先事項とする一方で、私たちはすべてのテクニカル製品をリサイクル素材で作る、という目標も掲げています。それを実現させるためには、機能性を犠牲にすることなく、バージン化繊からリサイクル素材に切り替えることが要求されます。
しかしまずは、より幅広い層の観衆に、フィールドやラボでの厳しいテストが示したことを証明しなければなりませんでした。私たちが使用するリサイクル素材は、バージン素材と同じように機能するということを。私たちは新しいサプライヤーの協力を得て、数百の素材を徹底的にテストし、テクニカル製品ラインの中の300種類以上の製品をリサイクル素材に切り替えることに成功。その大半は、この2年間に実現しています。
そして今シーズン、そこに防水性シェルの全製品ライン(アルパイン、スノー、スポーツウェアのコレクションに存在する60種類以上のスタイル)が加わります。これが一大事であるのは、必ずしも技術革新の観点からではなく、生産能力の観点に関わるからです。私たちの2020年という目標を達成するためには、リサイクル素材の供給源を確保する必要があります。幸運にも、私たちとサプライチェーンのあいだには長年築かれた強い絆があり、価値観を共有している彼らは私たちの方向性を信頼し、それを実現させるための方法を編み出す努力を厭いませんでした。
しかしまずは、より幅広い層の観衆に、フィールドやラボでの厳しいテストが示したことを証明しなければなりませんでした。
すべてのシェル製品は、複数の段階と複数の国を巻き込む過程を経て製造されます。たとえば、イタリアとスロベニアで回収された再生プラスチックのペレットを糸に紡ぎ出し、日本で生地として織り上げて仕上げ加工を施し、ベトナムで最終的な製品として裁断・縫製するというように。世界中のパートナーと協働し、それを防水性シェルの1枚1枚に、必要な素材のひとつひとつについて実践できたことにより、私たちは異なる人びとを集めて難題を成し遂げることは可能である、という自信を得ました。
この変換は時間をかけて、徐々にゆっくりと行われてきたものですが、間もなく突如飛躍を遂げました。私たちは現在では、すべてのシェルをリサイクル素材(とフェアトレードの縫製)で作る、そうでないなら作らない、という譲ることのできない一線を画す段階にまでたどり着きました。
100% リサイクル素材の使用
100% フェアトレード・サーティファイドの縫製
100% 機能性
パタゴニアが製造するすべての防水性シェルに
ついに、やったぜ!
このエッセイはGEAR FALL+WINTER 2019カタログに掲載されたものです。