限られた資源を大切に。マイバックを携帯しよう。 写真:パタゴニア
限られた資源を大切に。マイバックを携帯しよう。 写真:パタゴニア

お気に入りのマイバッグを持ち歩く

By パタゴニア    |   2019/11/07 2019年11月7日

パタゴニア直営店では、2020 年 4月 1日よりお持ち帰り袋を廃止します。

パタゴニア直営店の日本国内の第一号店、パタゴニア東京・目白(現:パタゴニア アウトレット東京・目白)がオープンしたのはいまから30年前の1989年10月。当時のパタゴニアのお持ち帰り袋は再生紙を使用したものでした。そしてパタゴニアが製品に使用するコットンをすべてオーガニックコットンに切り替えた1996年、オーガニックコットン製のキャンバスバッグの販売がはじまり、それを機に、日本支社ではお客様へのマイバッグのご持参を奨励し、お持ち帰り袋を廃止しました。

その後2000年代の初めに、お客様のご自宅にあった不要な使用済み紙袋を再利用し、お持ち帰り袋としたこともありましたが、2003年、カスタマーサービスの点からパタゴニアのお持ち帰り袋を作ることを決定。可能なかぎり環境への負荷の少ない素材を求めた結果、ある小さな会社が開発した古米(食品残渣の米粉)を原料とする生分解性プラスチックと出会いました。当時入手できた、化石燃料ではなく植物に由来する生分解性プラスチックといえば、遺伝子組み換えトウモロコシを原料とするポリ乳酸(PLA)が一般的でした。私たちにとってこの非遺伝子組み換えの米、しかも残渣を原料とする生分解性プラスチック素材は理想的でした。しかしながら実際に採用してみると、まだ発展途上の技術であったこともあり、耐久性が不十分なため、重さのある製品を入れると継ぎ目から避けてしまったり、また保管している倉庫などの条件により、まさに分解がはじまってしまうことがありました。

ところで、パタゴニアの製品はすべて、運搬や保管中の毀損や劣化、汚れの付着などを避けるため、製造工場から出荷される段階でプラスチック袋に梱包されています。そしてこのころの日本におけるビジネスの成長とともに、廃棄処分しなければならないそのプラスチック袋が増加していました。1着の製品の製造にはエネルギーや水をはじめとした多くの資源を必要とし、その環境コストはプラスチック袋の製造よりもはるかに高いため、製品をプラスチック袋で梱包することは必要不可欠です。

こうした状況に危機感をもったある直営店のスタッフが、自主的な取り組みとして、プラスチック袋の再資源化を請け負ってくれる協力会社を探し、リサイクルの取り組みをはじめました。この取り組みは徐々に全国の直営店に拡大していき、プラスチック袋をリサイクルしたこの再生原料を新たな持ち帰り袋の素材にすることに発展しました。この当時は、リサイクル素材を使用した袋のおもな原料は未使用の工場端材であり、一度市場に出荷されて使用済みとなった素材をリサイクルして袋を製造する工場はほとんどありませんでした。この袋が2008年に導入され、現在でもパタゴニア直営店で提供している、社内で「デポバッグ」と呼ばれているお持ち帰り袋です。導入当初は素材の一部がバージン原料だったものの、プラスチック袋の回収量が増加したことで、再生プラスチック100%で製造できるようになりました。また、より質の高いリサイクルにするため、プラスチック再生事業者にわたす前の段階で、社会福祉事業所に委託して、シールなどの異物を取り除いています。

名前の由来でもあるデポジット制度とは、預かり金として100円をお支払いいただき、使用後にどのような状態であってもご返却いただければ100円を返金。さらに返却いただいたデポバッグをリサイクルのループに入れて、また次のデポバッグの原料に再利用する、というものです。これは、意識することなくお持ち帰り袋を受け取ってしまうことで消費される資源を削減するために、また、お客様に次回からマイバックを持参いただけるようお願いしながらも、はじめてのご来店やご旅行中だったりと、さまざまな事情で必要な方にお持ち帰り袋をお渡しできるよう対応させた制度です。2008年から10年間の直営店スタッフの努力と製品を購入していただいたお客様のご理解により、2019年時点でパタゴニア直営店でお買い物をされるお客様の約83% はマイバッグをご持参されるという結果となりました。

こうしたなか日本政府は先日、「容器包装リサイクル法」の一部を改正し、プラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化義務化を2020年7月1日に一律施行するなどの新たな制度案を示しました。日本は1人あたりの使い捨てプラごみの発生量が、米国に次いで2番目に多い国です。また、マイクロプラスチックの海洋流出による海洋汚染はここ数年で地球規模の環境問題として認知され、2019 年6月の G20 大阪サミットでは、2050 年までに海洋プラスチックごみの流出をゼロにすることが世界共通の目標として共有されました。そうしたなか小売業ではプラスチックから紙へとレジ袋の素材を切り替え、さらに紙袋についても有料化する動きが活発になってきています。

製造され、購入され、捨てられるすべての製品は、目に見えないフットプリントを残します。1990年代初期、パタゴニアは「私たちが製造するすべてのものは汚染につながる」という事実を認識しました。それは、プラスチック袋であっても、紙袋であっても、です。さらにパタゴニアは昨年末、ミッション・ステートメントを新しく、「私たちは、故郷である地球を守るためにビジネスを営む。」に変えました。

そうして、パタゴニアは2020年4月1日よりお持ち帰り袋を廃止することを決定しました。来年4月からは、パタゴニア直営店ではいかなる種類のお待ち帰り袋もご用意がありません。

*4月以降さまざまなご事情でマイバックのご持参のないお客様には、ご自宅で使用されずに眠っているエコバッグを循環・共有する仕組み、「エコバッグ・シェアリング」を通じて回収させていただいたバッグでご購入いただいた製品をお持ち帰りいただきます。これは世の中で使われずに眠っているバッグを再利用し、必要のないモノを新たに増やさない/作らない、ことが目的です。現在パタゴニアの各直営店では、お客様が使用されていないエコバッグの提供を呼びかけるとともに、回収をしています。

紙やプラスチックといった使い捨ての袋に入れて洋服を持ち帰ることが当たり前とされる社会の仕組みを変えるためには、私たちの取り組みとともに、お客様のご理解とご協力が必要です。

お買い物の際には、使い勝手のいい、皆様のお気に入りのマイバックをご持参ください。

スタッフ一同、皆様のご来店を心よりお待ちしております。