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サニーサイド・アップ

トミー ・ コールドウェル  /  2020年9月7日  /  読み終えるまで4分  /  クライミング

Photo: Austin Siadak

この11月、フィッツ・コールドウェル(6歳)は、ヨセミテ国立公園のサニーサイド・ベンチで、人生初の数ピッチのクライミングを成し遂げた。父親のトミーと一緒に。

フィッツ・コールドウェルの言葉(父親のトミーによるインタビュー)

トミー:オースティンと一緒にクライミングに行った日のことを憶えている?

フィッツ:こわかった!

トミー:どんな一日だったか聞かせて。

フィッツ:こわいところがいくつか、ひとつかあった。その他のところは、とっても速く登ったよ。

トミー:登り始めたとき、どんなだったか憶えている?

フィッツ:クラック?

トミー:大きなクラックを登ったよね。僕たち以外に人はいたかな?

フィッツ:いたよ。

トミー:何ピッチで登ったか憶えている?

フィッツ:うーん、、50かな?

トミー:50!はずれ。

サニーサイド・アップ

Photo: Austin Siadak

フィッツ:5?

トミー:そう5ピッチだ。じゃあ、そのルートの名前は憶えている?

フィッツ:ううん。

トミー:サニ…

フィッツ:サニ…サニーサイド・ベンチ?

トミー:サニーサイド・ベンチ、よくできました!よし、それについておしえてよ。スタートしたところから、登りながら憶えていること全部を詳しくね。

フィッツ:ほら僕、円を作ったよ!パパ、そこに腕を置かないでよ。あのね…ええと。たくさんの人を見てね、最初に見たのはグループだった。次はそんなに多くなかった。2人かな。

トミー:岩はどんな感じだったか、説明して。

フィッツ:むずかしくて楽しかった。むずかしくて簡単だった。

ベッカ:どこが簡単だった?

フィッツ:あのね、クラック以外のだいたい全部。

ベッカ:クラックの何が難しかったの?

フィッツ:あのね、すごく大変だったんだ。抜け出すこともできなかった。

ベッカ:何が起きたの?

フィッツ:はまっちゃったんだよ!

ベッカ:どうやってはまったの?足が滑った?

フィッツ:クラックの中でつっかえちゃったんだ。

トミー:ほとんど登り切ろうとしていた時に君がつかえちゃって、何が起きたんだっけ?クラックの中はどんな感じだった?

フィッツ:うーん、あのね…ただ、はまったって感じた。

サニーサイド・アップ

Photo: Austin Siadak

トミー:それで何が起きたの。

フィッツ:泣いた。

トミー:そう、ちょっとだけ泣いたよね。

フィッツ:だってさ、まるで…ええと。

トミー:それから、君を楽にしようとパパたちはどうしたんだっけ?

フィッツ:持ち上げた?

トミー:その前にどうしたんだっけ?オースティンさ、オースティンを憶えている?彼は君が楽なようにしばらく支えていたんだよ。その時、ママは下の谷にいたね。

イングリッド:そして、私がママと一緒にいた。

トミー:そうだったね。ママは「フィッツィー、いい調子よ!」って応援してくれたけど、遠すぎて実は僕らからママは見えなかったね。憶えている?そして君はとても怖がったけど、第4ピッチの難所を乗り越えたんだ。

ベッカ:どうやって乗り越えたの?

フィッツ:パパが僕をクラックから持ち上げて、簡単なところまで連れて行ってくれた。

トミー:それで頂上が見えた時、何が起きたんだっけ?言ってみて。

フィッツ:そこからは僕はすごく速く登って、頂上が見えた時、僕がそんなふうに速かったから、パパでも追い付けなかったんだよ。

トミー:その通り、本当にそうだったよね。そして、君は頂上に立った時、どう感じた?

フィッツ:よかった。すごくよかった。すごーーーーーーーーーく、よかった。

トミー:パパが憶えているのはね、君はすごく興奮して、ほぼ半日それについて話し続けていたんだよ。

ベッカ:自分を偉いと思う?

フィッツ:うん。

ベッカ:あの難しい部分がなかったとしても、頂上に着くことが楽しかったと思う?それとも、難しいところがあったから、楽しかったんだと思う?

フィッツ:難しいところがあったから、頂上が楽しかった。

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