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「えねぱそ」太陽光発電/おひさま発電所(長野県飯田市)
「えねぱそ」太陽光発電/おひさま発電所(長野県飯田市)

個人向けグリーン電力証書「えねぱそ」 ~自然エネルギーに頼ることは難しいことではない、いますぐ1人からできるアクション~

By 竹村 英明 (エナジーグリーン株式会社取締役副社長)   |   2012/03/16 2012年3月16日

竹村 英明 (エナジーグリーン株式会社取締役副社長)

個人向けグリーン電力証書「えねぱそ」 ~自然エネルギーに頼ることは難しいことではない、いますぐ1人からできるアクション~

東日本大震災から1年が経ちました。震災では電気、ガス、水道などがことごとく破壊され、これまでのインフラシステムがいかに弱いものであったかを教えられました。代わって注目されたのが自然エネルギーです。送電線やガス管がなくても電気や熱を供給できる仕組みだからです。日本の自然エネルギーの潜在的な可能性は、日本の一次エネルギーすべてをまかなえるほど大きいものですが、いまはまだそれが十分に活用できていません。それでは、自然エネルギーの発電所が少なく完全な電力自由化のできていない現在の日本では、個人が自然エネルギーによる電気を使うのは難しいことなのでしょうか。

自然エネルギーの電気を選ぶ
ヨーロッパでは電力が自由化されています。つまり個人が太陽光発電や風力発電の電気を選んで買うことができるのです。『ミツバチの羽音と地球の回転』という映画のなかでも、「えーっ、日本ではまだ電気が選べないの」とびっくりされるシーンがありました。

けれども日本の電力も部分自由化はされています。契約電力6,000ボルト、50kW以上の高圧電力契約をしている需要家には、電力会社ではなく特定電気事業者(PPS)からも電気を購入することが認められています。全需要家のうちの63%が該当しますが、実際にPPSのシェアは1.5%程度しかありません。日本はヨーロッパと異なり送電線は電力会社の持ち物で、地域独占の枠組みもそのままだからです。またPPSには送電線を借りるための「託送料金」や、送電線に一定の電圧と量で電気を送る「30分同時同量」などの制約があります。そのため変動の大きな自然エネルギーはほとんど増やすことができないなのです。

つまり、高圧電力の需要家でも自然エネルギーの電気を選ぶことは難しい状況です。それではまして個人が、自分の好きな自然エネルギーを選ぶなどというのは夢のまた夢なのでしょうか。

環境価値にお金を払う
ところでヨーロッパの人たちは、どのようにして自然エネルギーの電気を購入しているのでしょうか。ヨーロッパの人たちも同じように送電線から流れてくる電気を購入しています。電気とは電子の流れで、送電線に流れるのはこれだけです。ではどうして自然エネルギーを購入しているといえるのでしょうか。自然エネルギーの電気を自然エネルギーたらしめているのは、自然エネルギーの環境を汚さない、CO2を出さない、資源を枯渇させないなどの「力」であり、私たちはそれを「環境価値」と呼んでいます。自然エネルギーで発電すると、それと同じ量の環境価値が誕生していると考えるわけです。環境価値は発生しますが、それは送電線には流れません。したがって、環境価値が送電線を流れたとみなして、契約のなかでその分の代金を払うのです。

つまり自然エネルギーで発電したときに生まれる「環境価値」にお金を払う。それが自然エネルギーの電気を購入するということになるのです。ヨーロッパではいろいろな電気のメニューがあり、太陽、風力、バイオマスなどの種別だけでなく、そのミックスや50%グリーンといったものもあるようです。そしてそれぞれで値段が違います。明確なのはそれらは石油や石炭や原子力だけの電気よりも高いこと。つまりヨーロッパの人たちは、通常の電気に環境価値分を加えた「上乗せされた料金」を払っているのです。

日本でも環境価値は買える
では「環境価値」を買うことはヨーロッパでしかできないことなのでしょうか。いいえ、日本でもできます。それがグリーン電力証書の仕組みです。2000年に誕生し、すでに多くの企業で利用されています。先述したように、環境価値を買うことは自然エネルギーがもっているさまざまな力を買うことになるわけですから、グリーン電力証書の購入によって、環境を汚さない、CO2を出さない、資源を枯渇させないといった力を手に入れることができます。企業はそれによって「年間○○トンのCO2を削減」という宣伝もできるのです。

実際に使用する電気は送電線から流れてくる電力会社の電気ですが、たとえば1年間に消費する電力と同じ量の環境価値を買うことで、その1年は自然エネルギーの電気のみを使ったことになります。もちろん10%、あるいは20%など、好きな量だけを買うこともできます。

個人専用グリーン電力証書
そして、個人でも同じことができます。けれどもこれまでのグリーン電力証書の仕組みでは、個人のような少量購入の場合は少々割高で、負担感が大きいものでした。ヨーロッパでの自然エネルギーの電気の購入は、普通の電気の1.2倍程度です。日本では少量のグリーン電力証書だと、2倍近い金額になっていました。そこで仕組みを工夫して、個人にも比較的安価で電力証書の販売ができるようにしたのがエナジーグリーンパーソナル、「えねぱそ」です。

販売する最小単位は500kWhと、従来の半分から購入できるようになりました。価格も5,000円前後で、通常の電気料金の1.3倍~1.5倍程度。電気の種類は太陽光、風力、小水力、バイオマスの4つで、それぞれどこの発電所でいつ誕生した電気かということもわかります。

「えねぱそ」太陽光発電/おひさま発電所(長野県飯田市)
「えねぱそ」太陽光発電/おひさま発電所(長野県飯田市)
「えねぱそ」風力発電/かぜるちゃん(北海道石狩市)
「えねぱそ」風力発電/かぜるちゃん(北海道石狩市)
「えねぱそ」小水力発電/大宮発電所(埼玉県さいたま市)
「えねぱそ」小水力発電/大宮発電所(埼玉県さいたま市)
 「えねぱそ」バイオマス発電/兵庫パルプ発電所(兵庫県丹波市)
「えねぱそ」バイオマス発電/兵庫パルプ発電所(兵庫県丹波市)

「えねぱそ」はいますぐ1人からできるアクション
個人向けグリーン電力証書「えねぱそ」で「環境価値」が買える。日本で自然エネルギーを選択したいと思ったら、まずは「えねぱそ」を購入することではじめることができます。日本の自然エネルギー比率は電力供給の2%程度です。これをまずヨーロッパ並みの10%台に押し上げるためにも、「えねぱそ」の購入は誰でもできる最初の一歩なのです。

1人の力は小さなものかもしれません。でも集まれば大きな影響力を発揮できます。日本の人口の1%が「えねぱそ」ユーザーになるだけで、いま最もシェアの大きなPPSよりも多くの量を取扱うことになります。そのころ個人需要家にまで電力の自由化が進んでいたら、「えねぱそ」に電気をつけて売ることも可能になります。ドイツの「シェーナウ電力会社」は自然エネルギーのみを供給する、市民によって設立された電力会社です。私たちも日本のシェーナウを目指しませんか。

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現在、パタゴニアの直営店およびオンラインショップでは個人向けグリーン電力証書「えねぱそ」を販売しています。

また、鎌倉ストア、渋谷ストア、大阪ストアでは下記の日程で特別企画トークイベントを開催します。ぜひご参加ください。

Go Renewable ~再生可能エネルギーを活かして
~特別企画トークイベント~
自然エネルギーとグリーン電力証書「えねぱそ」

3月24日(土) 18:30~21:00 鎌倉ストア (要予約:定員50名)
ゲスト: 竹村 英明 ×小渕 愛 (エネルギーシフトを考えるデータバンク)

4月4日(水) 20:30~22:00 渋谷ストア (要予約:定員50名)
ゲスト: 竹村 英明

4月26日(木) 19:30~21:00 大阪ストア (要予約:定員50名)
ゲスト: 自然エネルギー市民の会

詳細はパタゴニアウェブサイトのイベント&ニュースをご覧ください。お問い合わせ/ご予約は各ストアまでお願いします。

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