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草の根活動家のための「ツール会議」の12周年を祝う

草の根活動家のための「ツール会議」の12周年を祝う

2011/10/13 2011年10月13日

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[さまざまな国から草の根環境保護団体のリーダーがスタンフォード・シェラ・キャンプに集い、最新の手法と技術を学ぶ。全写真:Tim Davis]

草の根活動家のための「ツール会議」はパタゴニアで働いていて誇りに思えることリストのなかでも上位の方にあります。社員として、ツール会議のことは何年も知っていましたが、ほかの多くの環境イニシアティブと同じように、この会議の大部分は利他的な業務であり、ここで提供されるツールは、結局のところ、いま環境問題の最前線で働く活動家のためのものです。つまりそれは、私たち社員のほとんどが参加することのできない会議ということを意味します。

いずれはうんざりする仕事はどこにもあり、「意義」や「目的」などからはほど遠い場所にいる気持ちになる日々も多くあります。けれどもツール会議のようなものは、私たちがパタゴニアでする仕事に意義や目的を与えてくれます。私は自分がツール会議が実際にもたらしている変革の一部であるような気がいつもしていたわけではありませんが、今年の集まりに参加したことで、それがすべて覆されました。

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[スタンフォード・シェラ・キャンプで開催された第12回の草の根活動家のための「ツール会議」の参加者たち。日本支社からも2名が参加]

今年の9月14〜19日に開催された第12回のツール会議で、活動家たちと手法を分かち合うパタゴニアの社員チームの一員となれたのは幸いでした。集まりでは中核となるスキル(戦略、草の根組織化、ロビー活動)と新しいツール(テクノロジー・フォーラムとトレーニング、ビジネスと一緒に仕事をするための戦略、不確かな時期の資金集め)などを提供しました。こういったワークショップの背後には、数々の手法をバランスよく身に着けることにより、会議の参加者たちがそれぞれの組織における環境に関する仕事に重要な強化とサポートを得られるようになるのではという希望があります。企業として私たちが学んだことを分かち合い、幅広い分野で実績のある専門家からの提言を受けることにで、私たちは共同で最良の方法を探求し、重要な仕事を達成するための考えを交換することができます。

今年、基調講演をした「THE STORY OF STUFF (物の物語)」プロジェクトのアニー・レオナードのような専門家の手を借りれば、それはほぼ間違いありません。そしてアニーの熱気的な基調講演のあとには、オウエン・ベイリー(Sierra Club)、ジョン・スターリング(Conservation Alliance)、ティナ・アンドリナ(Planning and Conservation League)、ダイアン・ブラウン(Non-profit Assistance Group)、ベン・アレクサンダー(Headwaters Economics)そしてキャリン・タクシン-ベットマン、タニヤ・キーンとライリー・シームスタ(Google Earth Outreach)のダイナミックな3人組といった講師たちがつづきました。

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ツール会議の着想の中核には、草の根活動家が問題に直面し、公表し、その大切さを一般に認めさせ、そして他の人びとを行動させる動機付けをする方法は、製品を市場に出し、宣伝し、それが最高のものであることを一般に認めさせるそれと、それほど違わないのではないかという信条があります。パタゴニアのようなビジネスはそれをマーケティングと呼びますが、他の人はこのプロセスを違う言葉で表したいと思うかもしれません。いずれにせよ、それが吸湿発散性を備えたアンダーウェアであれ、存続が危ぶまれるヨタカであれ、メッセージを創造的かつ正直に届けることは、成功と失敗の明暗を分けることに繋がるのです。

会社としての視点からいえば、パタゴニアのツール会議は「ビジネスを手段としての環境への悪影響を極度に減らし、環境団体に有益な援助を与える」という私たちのミッションに適用可能な、かけがえのない教訓を与えてくれます。この会議は私たちが支持する団体に助成金以上のものをもたらす、素晴らしい方法なのです。また今日の環境への取り組みの最前線について学び、実際に活動している人びととの緊密な関係を築く良いチャンスでもあります。

そしてこの最後のポイント、人びととの関係を築くことこそが私たちのより大きな環境活動が基盤とするものであり、毎回の会議でそれぞれの魔法を創り出すものなのです。何よりも私たちのツール会議は、ほとんどの場合はなれた場所で働き、予算が少なすぎるために集まって知り合うことなど不可能な活動家のコミュニティーにとっては、大きな恩恵です。私たちがもたらす変革は「私たちはそれができるのだ」という信念と直結しています。その信念を保つことは、仕事がたくさんあるときや孤独だと感じているときは間違いなく困難です。そして多くの活動家たちのグループが地球の自然資源のために熱心に仕事をしているなかで、私たちの究極の資源である「互い」を見失うのはいともたやすいことです。

けれどもこれまで述べてきたようなことは、その真っただ中にいなければ、陳腐に聞こえるかもしれません。

今年のツール会議が終わりに近づいたころ、私たちは小さなグループに分かれて、今回入手したどのツールのなかでもっとも使いたいものはどれかについて話し合いました。そして浮かんだのが「あなたは何を学びましたか?」という質問でした。

私たちのグループは活発な討論になり、メンバーの一人である〈Headwtaers Initiative〉のジェラルディーン・トーマス-フルーラーがまだ発言していないことを危うく見逃しそうになるところでした。でもそのとき、私たちは彼女の目にいまにも溢れ出そうな涙がたまっていることに気づいたのです。その瞬間、静寂が訪れました。そしてジェラルディーンはこう言いました:

「私は何年も不可能なことのために戦ってきました。カナダの政治家たちが熱望しているタールサンドを防止することなど、ファースト・ネーションズの原住民にどうしてできるでしょう?でも私はここでひとりぼっちではないことを学びました。いま私は何でもできることを知りました。一緒にやれば何でもできるのです」

本当に、できるのです。

[右上:第12回の草の根活動のための「ツール会議」で基調講演をするアニー・レオナード]

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[基調講演を行ったアニー・レオナードを紹介するのは、持続可能なアパレル産業同盟やフットプリント・クロニクルなどのパタゴニアのイニシアティブを担った一員であるジル・デュメイン]

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[トレーニング中に即興セッションを楽しむ会議の参加者。このセッションは〈Conservation Lands Foundation〉のブライアン・オドネルが提供したチャレンジに応えるもの。それは危機にさらされている自分たちの所有地を保護することがなぜ企業利益につながるかを企業開発業者に説得するというもの]

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[すべてを可能にする1人、パタゴニアの環境チームのハンス・コールが土曜の夜のホーダウンを楽しむ。参加者がリラックスして楽しむ数少ないチャンス]

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[スクエアダンスが架橋に入る前にウォームアップするグループ]

日本でも2008年より2年毎に「ツール会議」を開催しています。第3回は2012年に開催する予定です。

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