クリーネストライン


Photo: Tracy Kraft Loaboe
Photo: Tracy Kraft Loaboe

ヨガのすすめ – 自然のなかで遊びつづけるために

By 岡崎 友子(パタゴニア・サーフィン・アンバサダー)   |   2013/04/11 2013年4月11日
Photo: Tracy Kraft Loaboe
Photo: Tracy Kraft Loaboe

日常にYin and Yang、静と動を作ってくれるヨガ。自分のやっているスポーツにおいてヨガがどう役立っているかについて書いてほしいと依頼を受けたとき、じつを言うとすぐに書けると思っていた。しかし、いったん書きはじめたらあまりにいろんな面で助けられていることに気づき、まとまりがつかなくなり、途方に暮れてしまった。私のように地道にプラクティスを継続していない者でもその素晴らしさがわかるのだから、真面目にやっていればさらに感じられるに違いない。とりあえず今回は私が感じている2つの面について書こうと思う。

一. 体が軽く、かつ強靭になる

「ヨガをする、しないの違いは、5ミリのウエットスーツを着てサーフィンするのと裸でやるのとの差だと思えばいいね」 サーファーでもあるヨガの先生が言っていた言葉だ。なるほど、これはサーファーだったらわかりやすい喩えだと思う。

ウインドサーフィン、カイトサーフィン、サーフィン、スノーボード、私がやっているものはどれもアドレナリンスポーツなどと呼ばれる激しいものばかり。スポーツは体にいいと思われているが、やり過ぎて体を痛めることはしょっちゅう。また偏った大きな筋肉ばかり使うとバランスが悪くなる。筋肉にはいろんな種類があるけれど、このようなスポーツは系統からいえば重量挙げタイプ。だからムキムキした筋肉が育ってしまうのだ。

一方、ヨガはストレッチ効果がありながら普段あまり使うことのない小さな筋肉などを強化してくれる。サーフィンやカイトサーフィン、スノーボードなどは、どうしても大きな筋肉に頼ってしまうのでそういうところがあまり鍛えられないが、ヨガはまんべんなく、バランスよく筋肉をつけ、均整のとれた体を作ってくれる。

たまに「ヨガをすると友子さんみたいにごつごつムキムキになるのですか?」と聞かれるけれど、それは大まちがい。私の体型はじつはヨガを真面目にやっていない証拠で、地道に毎日続けていると反対に少し痩せて、細いけれどしなやかな感じになれる。けれどもカイトやスタンドアップばかりやってヨガをさぼっていると、一瞬の瞬発力を強化するようなムキムキ筋肉ばかりついて重量挙げタイプの体になってしまうのだ。ヨガはしなやかで柔らかないい筋肉がつき、体の関節を開くので、ケガをしにくくなる。だったらストレッチでいいではないかという人もいるけれど、ヨガは体を柔軟にさせながら、細かい筋肉を強化しているのだ。

コアマッスルはとことん鍛えられ、結果どんなスポーツでも役に立つ。そして何より体が軽くなる。それが冒頭に書いたウェットスーツなしのサーフィン感覚につながるのだろう。ストレッチとバランスのいい筋肉強化が一緒にできるヨガはケガをしない体作りには最高だ。

Abreojos, Baja  Photo: TAKI
Abreojos, Baja  Photo: TAKI

二. 内面のメリット

ヨガをしているときは呼吸に集中する。深い呼吸をすることでたくさんの酸素を体内に送り込み、筋肉の疲れを癒し、アドレナリンスポーツで緊張して、高揚している心を落ち着かせ、地に戻してくれる。そのときの自分と向き合い、自分の体調や心の状態がいやがおうにも見えてくる。そんななかでその状態や自分の限界を受け入れることを学ぶ。そしてそれがケガや無理をすることを防ぐことにも繋がると思う。

運動面でも精神面でも普段自分がやっているスポーツが動、あるいは陽だとしたら、ヨガは静、または陰の役目を果たしてくれている。ヨガをすることによって自分の中でいいバランスが出来上がる。私にとってヨガは心のクールダウンの時間ともいえる。

こうやって書いているだけでいかに自分がヨガの劣等生であるかをバラしている気持ちになる。ヨガを地道にやらないとこうなる、という例がまさにいまの私かもしれない。しなやかな筋肉どころかここ数年間体の故障でできないポーズが増えたし、自分の限界を把握せず無理をして、ケガばかりしている。心の落ち着きどころか揺れ動いてばかり。

ヨガを地道につづけている人は60代になっても姿勢が良く、にこやかで健康的だ。もし皆さんがいつまでも若々しく、海や山で遊びつづけ、健康でありたいと思っているのならぜひヨガをつづけてほしいと思う。ヨガはむずかしいポーズをマスターすることではない。ポーズができなくても最初は呼吸だけでもいいからプラクティスをつづけること、それが大事なのだ。ヨガほど才能がいっさい関係ないものはない。とにかく練習、練習、そして練習、それさえつづけていれば必ず変化が目に見えてくる。ヨガをすること自体で体も良くなり気持ちも落ち着くけれど、もしかしたら私にとってヨガで学んだいちばん重要なことは地道な積み重ねの大切さと、自分の限界を受け入れることかもしれない。ヨガをつづけている良い見本はジェリー・ロペス。彼のようになりたかったら(そう思っている人がたくさんいるはず)ヨガをやるといいと言われれば、やってみる気になるのではないだろうか。

さぼってばかりいるけれど、それでも私はヨガがいかに素晴らしいかだけはよくわかっている。サーフィンと一緒で、どんなにモチベーションが上がらないときでもやってしまえば、「やらなきゃ良かった」と思うことは一度もない。やって良かったという爽快感や達成感が必ず得られる。心がざわざわしているとき、体が固くなっているときになって、はじめてヨガをしなくちゃと、海に入ることと同じように日常の一部としてヨガなしではいられない自分になり、地道なプラクティスをつづけ60歳になっても70歳になっても楽しく海で遊べる健康体を保っていきたいと心から願っている。

Photo: Tracy Kraft Loaboe
Photo: Tracy Kraft Loaboe

パタゴニアのアンバサダーたちが熱中するスポーツを補うためにヨガをどのように取り入れているかについて語ります。

コメント 2

関連した投稿

« »