鈴木 啓紀
鈴木 啓紀
DTC部門プロセールス/アシスタントマネージャー
パタゴニア入社年
2004年
ワークスタイル
ハイブリッド:オフィス/リモートワーク
「なぜここで働いているかというと、ひとつは会社がアルパインクライミングの本質を理解し、リスペクトしてくれていること。もうひとつは環境問題に対する本気度。自分にとって、クライミングと環境問題は、人生を貫く2つの大きなテーマだと思っています」
情熱を注いでいること:
アルパインクライミングとパタゴニアの仕事。この両輪が、自分にとっては必要だと思っています。
お気に入りのパタゴニア製品:
深い愛着と信頼を寄せて使い倒してきた製品は数多くあり、ひとつに絞り込むのは難しいのですが、強いて挙げるなら、RPSロックパンツ。2015年の登場後、すぐに購入し、クライミングから、ときには通勤まで穿いてきました。以来、春夏シーズンで忘れがたいクライミングの数々は、常にこのパンツと共にありました。
パタゴニア入社までの道のり:
幼少の頃から野鳥に深い興味を持ち、鳥を見るために山に通う間に登山が好きになり、大学から本格的なアルパインクライミングにのめり込みました。大学は林学で森林の環境問題の研究室。ガイドとして山の世界で生きていくことも夢見ましたが、私にとってはクライミングと同じくらい環境問題や社会問題にも興味があったのです。そんなときにパタゴニアと出合い、以来18年になります。
最も記憶に残るクライミング:
20歳前後の時のいくつかの印象的なソロクライミグ、自分のクライミングに大きな影響を与えた一村文隆との冬季登攀の数々、山岳会の先輩との信頼関係を実感したマッターホルン北壁、20代のころ毎年のように海外でロープを組んだ今井考とのカナダとカラコルムのビッグウォール、谷口けいとのヒマラヤのランシサ・リ北壁敗退、印象的なラインを描くことができた冬の剱岳周辺の登山、頂上直下で感極まってしまった、大石明弘とのハンター北壁、そして大好きなフィールド、瑞牆山での忘れがたいクライミングの数々……。「最も記憶に残る」と胸を張れるクライミングは特にないのですが、いずれも全力を尽くしたクライミングの蓄積と鮮烈な記憶は、私の大きな財産です。
山と仕事、どう両立していますか?
基本的に週末や休暇を使って山に行っています。以前はほとんどの休日を山で過ごしましたが、今は月に4日前後。週末のどちらかは子どもと一緒に過ごす時間にしています。海外遠征は2年に1度くらいの割合でした。社歴もそこそこ長いので、がんばって有給休暇を溜めるとかなりまとまった日数を確保できます。それを長期の遠征に充ててきました。不在の間の業務はチームの仲間のサポートでやり繰りするのですが、その分、自分が遠征で得たものを、しっかりこの会社にフィードバックする役割を果たさないといけませんね。
プロセールスとはどんな仕事ですか?
ガイドやスキーパトロール、自然学校や環境団体のスタッフなどアウトドアの現場で働くプロフェッショナルに対して、製品の割引サービスを提供する仕事です。プログラムの登録には明確なガイドラインがあり、フルタイムで従事していることや公認資格の有無、活動内容などの審査があります。コアに活動する人は年間を通してフィールドに出る頻度が非常に高く、ウェアやギアの消耗が激しいため、このプログラムの存在意義は大きいと考えます。アウトドアスポーツや環境活動に人生の多くを捧げている人たちにパタゴニアの製品を道具として使っていただきたいですし、、そのような方々を通してアウトドアスポーツのコミュニティとパタゴニアを深く結びつけることに、関係部署と協力しながら取り組んでいます。また、個人的には仕事を通じて全国のコアなコミュニティとつながることができたのは得がたい経験でした。
コアな活動の本質を理解しているというたしかな手応えがこの会社にはあります。たとえば、グローバルのクライミング・アンバサダーの顔ぶれを見ても、クライミングを本当に理解していなければ絶対にできない人選だったりします。社員としてもクライマーとしても、そんな会社で働ける安心感は小さくありません。