ケミカル・リサイクル
ケミカル・リサイクルは原料を基本的な構成要素に化学的に分解する方法です。
なぜ
ケミカル・リサイクルは、ポリエステルやナイロンのような原料を基本的な構成要素に分解し、着色剤やその他の不純物を除去するために使われる方法です。この工程は化繊の生地や、他の方法ではリサイクルできない汚れた海洋プラスチックなどをリサイクル可能にします。ポリエステルにおいては、ポリマーはグリコリシス(糖分子分解)法、ヒドロリシス(水分子分解)法、メタノリシス(メタノール分子分解)法によって分解できます。その工程次第で、異なる構成要素(モノマーまたはオリゴマー)が復元され、新たなバージン品質の素材を作るために再ポリマー化されます。メカニカル・リサイクルはより確立されていますが、ケミカル・リサイクルは最終製品の品質、色、機能においてより優れた柔軟性を提供します。
ケミカル・リサイクルはメカニカル・リサイクルの工程よりもエネルギーを要しますが、それでも環境への影響削減には貢献しています。たとえばグリコリシス法で化学的にリサイクルされたポリエステルは、バージン・ポリエステルと比較すると二酸化炭素排出量を18%削減します(Higg Materials Sustainability Index, version 3.7に基づく計算)。
ゴミを新たなものに変える
バージン・ポリエステルと比較して、グリコリシス法で化学的にリサイクルされたポリエステルを使用した場合の二酸化炭素排出量削減率(Higg Materials Sustainability Index, version 3.7に基づく計算)
現在の取り組み
パタゴニアはポリエステル、ナイロン、エコニールのような化繊の素材だけでなく、リフィブラ・リヨセル(木材とリサイクル・コットン繊維から作られた素材)などの天然繊維でもケミカル・リサイクルを利用しています。
世界的にはもっと、ケミカル・リサイクルの工程を取り入れる必要があります。消費者から使用済みの素材や生地を化学的にリサイクルするためには、確立された回収インフラ(古い衣類の回収箱がいかに少ないかを考えてみてください)が欠如しています。メカニカル・リサイクルの課題と同様に、特定の汚染物やジャケットに混紡されたポリウレタンなどは生地のケミカル・リサイクルを困難にするものです。もし他者もケミカル・リサイクルの需要に貢献するようになれば、より高度な技術と必要な世界規模のインフラ構築に欠かせない支援の強化につながります。
次なる展開
私たちが環境に望ましい素材だけを使用した製品へと移行していくうえで、パタゴニアの基準を満たす生地の品質や機能を維持するためにはケミカル・リサイクルが重要です。業界で「環境に望ましい素材」の基準となる定義は未だ存在しませんが、私たちはテキスタイル・エクスチェンジの最新の手引きに従っています。それは原料が従来の相当品に比べて悪影響を減らし、環境と動物と人びとのための利益を増やしていることを一貫して示しているということを意味します。パタゴニアでは製品ライン全体への採用を増やすために、リジェネラティブ・オーガニック・コットンやリサイクル成分を含むもの、レスポンシブル・ダウン・スタンダードを採用したものなど、その他にも多数の環境に望ましい素材のリストを慎重に選定してきました。
そこには最も醜く汚い、誰にも望まれないゴミを、美しく便利な繊維や素材、そして最終的には皆さまが着用する衣類に変えることができるという、素晴らしい可能性が存在します。私たちは新たなケミカル・リサイクルの技術開発と安定したサプライチェーンの設立のために支援をつづけます。