インフィナ繊維
インフィナは、新しい繊維に何度もリサイクルできるポストコンシューマーコットンを原料とした、従来のコットンのようにソフトな繊維です。
なぜ
製造するものはすべて環境に影響を及ぼします。パタゴニアのカーボンフットプリントの97%がサプライチェーンで発生し、そのうち86%は原料由来です。そのため、すでに存在する素材のリサイクルや再利用は、私たちのカーボンフットプリントの削減において不可欠なのです。パタゴニアはポリエステル、ダウン、さらには漁網のリサイクルにおいても進歩を遂げてきましたが、私たちがもたらすことのできる最も重要な変革は、すべての素材により循環型のシステムを確立することだと信じています。
インフィナ繊維は、その旅路における私たちの最新のステップです。フィンランドを拠点とするサプライチェーンのパートナー〈インフィニテッド・ファイバー〉を通じて、着古したパタゴニア製のTシャツをリサイクルするだけでなく、ソフトながら丈夫でリサイクルできる繊維を生み出します。それは何度もリサイクルでき、何度も生地に織り上げられ、何度も何度も着ることのできるものになります。
現在の取り組み
インフィナ繊維は、パタゴニア初のクローズド・ループ(循環型)製品であるティーサイクルの基盤となっています。テイクバック・プログラムを通して回収されたパタゴニア製Tシャツと、世界的なリサイクル・チャンネルから調達した使用済みコットン製の衣類を使用して、〈インフィニテッド・ファイバー〉は「インフィナ」と呼ばれるソフトで弾力性のある繊維を生み出します。木のパルプから作られるレーヨンやリヨセルなどの他の人工セルロース系繊維とは異なり、インフィナ繊維は消費者から回収された使用済みのコットン製の衣類を、新たなパルプにリサイクルし、繊維に仕上げられます。それと、埋立地行きとなる運命だったコットンの端切れを工場から収集して混紡し、リサイクル原料100%で作られた新しいTシャツが出来上がります。
その違いは寿命にあります。インフィナ繊維を素材として作られたTシャツが新しい持ち主に着用され、着古されても、その繊維は同じ技術を利用して再びリサイクルが可能であり、品質や耐久性を失うことはありません。
次なる展開
アパレル産業で循環型のシステムを実現することには、廃棄される衣類をリサイクルするサプライチェーン・パートナーを支援することが重要です。パタゴニアの素材・革新チームがリサイクル技術の規模を拡大すべく〈インフィニテッド・ファイバー〉のようなパートナーとの協働を継続し、他のブランドもこうしたサプライチェーンの支援と、より循環型のシステムへの切り替えに参加してくれることを願います。