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Work in Progress Reportをご覧ください

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2025年度のWork in Progress Reportでは、私たちの唯一の株主である地球への負担を軽減するために行っている、新しくて楽しい、そしてちょっと変わった方法をすべてお伝えします。

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地球が私たちの唯一の株主

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事業の繁栄を大きく抑えてでも地球の繁栄を望むのならば、私たち全員が今手にしているリソースでできることを行う必要があります。これが私たちにできることです。

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生活賃金

生活賃金とは、労働者とその家族のために適切な生活水準を保つのに十分な報酬を意味します。それが賄うべきものは食物、水、住居、教育、ヘルスケア、交通費、衣類、そして非常時に備える蓄えを考慮に入れた、その他の日々の必需品を含みます。

なぜ

衣料品業界の工場労働者のほとんどは生活賃金を受けず、その基本的なニーズを満たすために妥協を余儀なくされています。パタゴニアは私たちの提携工場において労働者が地元の労働法を遵守する最低賃金、残業手当、法定待遇を確実に受けられるよう努力してきましたが、そうした賃金は適切な生活水準を満たすのに十分ではないことも知っています。

生活賃金:基本的人権

国連とその国際労働機関(ILO)は、生活賃金は基本的人権であると宣言しました。

生活賃金について広範にわたる調査を実施し、他のブランドやNGOや生活賃金関連組織と論議を重ねた結果、パタゴニアはグローバル・リビング・ウェイジ・コーリション(GLWC)の生活賃金の定義を支援します:

ある特定の場所における標準的な週間労働に対し、労働者とその家族のために適切な生活水準を保つのに十分な、労働者が受けるべき報酬。適切な生活水準の要素には食品、水、住居、教育、ヘルスケア、交通費、衣類、そして非常時に備える蓄えを考慮に入れた、その他の日々の必需品を含む。

歴史的には、賃金および異なる地域にまたがる生活費のデータはほとんど存在していませんでした。2017年のアンカー・メソドロジーのローンチは、ある特定地域内の典型的な家族の生活費を考慮しながら生活賃金を推定し、それを異なる国々で比較することを可能にしました。パタゴニアは、労働者とその家族が暮らす場所に特化した基本的ながらも適切な生活様式のコストを推定するために、地元の人びとや組織と取り組むアンカー・メソドロジーを支持します。これは確固とした信頼のおける生活賃金ベンチマークの推定へとつながる透明性と詳細な研究を要します。この方法の創始者に名を連ねるGLWCはすでに20か国以上における生活賃金ベンチマークを完了し、今後さらに多くの国々を加えていきます。この生活賃金ベンチマークはオープンソースで誰でも利用できます。

このベンチマークはパタゴニアが開発に助力した、公正労働協会(FLA)の報酬/生活賃金ダッシュボードにも含まれています。FLAのダッシュボードはアンカー・メソドロジーと一貫しており、アパレル/フットウェア企業によって世界中の何百もの工場から収集された賃金に関するデータを含みます。このダッシュボードは特定の工場における生活賃金と既存の賃金の違いを探しやすくするため、私たちはその差をなくすためにより効果的に取り組むことができます。

現在の取り組み

パタゴニアは労働者のひとりひとりに生活賃金の権利があると信じています。公正労働協会(FLA)の創設会員である私たちは、その生活賃金の基準要項をパタゴニアの行動規範に組み込み、提携工場での生活賃金達成を目指す企業としての誓約を守ります。

私たちのデータは、サプライチェーンにおいて65,000人以上の労働者を雇用する工場(通称「スコープ内の工場」)を対象としています。2023年現在、私たちの分析の結果は平均的に以下の通りです:

  • すべてのスコープ内の工場が最低賃金以上を支払い、その多くが最低賃金の2倍あるいは3倍を支給。
  • スコープ内の工場の3分の1が生活賃金を支給。
  • さらに3分の1が生活賃金の80%またはそれ以上を支給。
  • 残りは生活賃金の50%またはそれ以上を支給。

生活賃金の取り組みに加え、私たちは労働者に賞与を支払うフェアトレードへの資金提供も継続します。パタゴニアの責任ある購買慣行を通して社内でもこの取り組みへの決意を守り、業界のパートナー、政府、市民社会との協力をつづけながら、生活賃金の差をなくすためにサプライヤーを支援します。

次なる展開

パタゴニアは引きつづきサプライヤーから賃金に関する年次データを収集し、2025年までに私たちのアパレル製造工場で生活賃金を達成するという目標への進捗を監視していきます。私たちはまた、労働者にとって意義のある賃金向上を目指し、サプライチェーンのいたるところで革新的なアプローチを試しています。

生活賃金の達成は、ひとりではできないということも知っている私たちには、他のプランドや団体との協働と、世界的なサプライチェーンを通して賃金の差をなくすための業界レベルのイニシアチブが必要です。私たちはFLAと緊密に協力し、この分野における彼らの取り組みを支援しながら、生活賃金に関するFLAの活動に他のブランドも関与するよう奨励しています。

企業の皆様へ:
企業は労働者の賃金を引き上げることにおいて重要な役割を果たします。あなたの会社のサプライチェーンとビジネス慣行を検証することからはじめ、生活賃金について専門家との対話をもちましょう。生活賃金の達成は多数の工場と取引する企業にとっては困難なことですが、ブランドの協働がその変化のためのきっかけとなります。以下はそれに着手するためのヒントです:

  • 公正な労働慣行を推進し、維持するために工場と取り組むことについての私たちの理念と、パタゴニアの環境的および社会的責任の歴史をお読みください。これらすべてのアプローチはパタゴニアが生活賃金戦略を実施する上で、私たちが現状にたどり着くために役立ってきました。
  • 生活賃金を推定するアンカー・メソドロジーについて学んでください。
  • 賃金向上に取り組む専門家と機関を探してください。
  • 公正労働協会(FLA)に参加してください。FLAの「公正報酬戦略」は生活賃金達成へのロードマップを提供し、その生活賃金ダッシュボードは自社のプログラムを開発する際に世界的な賃金データを分析するための素晴らしいツールです。
  • お客さまへ:
    皆さまには衣類の製造方法を変える力があります。

    情報に長けたお客さまはその購買力によって生活賃金に向けて取り組むブランドを支持することができます。お気に入りのブランドが生活賃金を達成するためにどのように取り組んでいるのかについて質問しましょう。より良い慣行を求めましょう――皆さまが買うものが業界をつくります。

    生活賃金への道のり
    パタゴニアの生活賃金のための戦略は以下の4つの原則に基づいています:

    • 私たちは工場と直接協力して、生活賃金の達成と維持に向けた多面的なアプローチを模索し、試験的に取り組むことを信条とします。
    • 他社、サプライヤー、労働者、NGO、労働組合、専門家、教育機関および顧客と協力して、私たちはこれらの目標達成に献身します。
    • 私たちはサプライヤーが事業変動時にも生活賃金を支払いやすいように、持続可能な生活賃金戦略の実施を望みます。
    • 解決策の拡大につながるように、みずからの成功や失敗を含めた教訓を共有することを望みます。私たちは業界のカンファレンスやミーティングに参加したり、他のブランドやNGOと個別に対話をもつことで、この目標を達成しています。
    • 第1段階:ローンチ
      2010年〜2011年:公正労働協会の会員ブランドが生活賃金へ向けて取り組むことを要求するサプライヤーの職場行動規範の内容の開発に、パタゴニアの社会的/環境的責任(SER)チームが協力しました。

      2013年:パタゴニアは生活賃金への道のりの第一歩として、フェアトレードUSAとの協働を開始しました。また、生活賃金要素を含んだサプライヤーの職場行動規範を改正して出版しました。

      2014年:パタゴニアは複数の利害関係者による協議の一員として、FLAの公正報酬ワークプラン(アパレル/フットウェア製造工場での生活賃金の達成方法のビジョン)の創作に助力しました。このワークプランの施行に先立って私たちがパタゴニア社内に設立した公正賃金タスクフォースは、FLAの支援とサプライチェーンでの生活賃金達成への道のりの探究を課題とし、複数の部門から構成されました。

      第2段階:実績評価
      2015年:FLAが公正報酬ワークプランを出版。パタゴニアはそれを、2025年までにアパレル製造工場で生活賃金を達成するという社内目標の基礎として利用しました。

      2016年:私たちはアパレル製造工場のための賃金データを収集して分析する最善の方法を構築するために、FLA会員たちとの取り組みをはじめました。そしてパタゴニアのアパレル製造工場10社にて、賃金データを集めるツールをテストしました。

      2017年:パタゴニアのアパレル製造工場10社で賃金データ収集のテストを完了することにより、FLAとの取り組みをつづけました。現行賃金と生活賃金の差を狭めるための早急な対応がどのアパレル製造工場に必要であるかを見極めようとするなかで、私たちはマサチューセッツ工科大学(MIT)のサステナブル・ビジネス・ラボの学生に援助を要請しました。それは大規模なサプライチェーンにおいて賃金データを収集しやすい方法を見つけるためで、学生たちはこのデータ収集の合理的なモデルを開発しました。

      2018年:この年のはじめ、私たちはFLAの改善された賃金データ収集ツールを10社のアパレル製造工場で試験的に導入。この試みは良好だったため、パタゴニアのアパレル製造サプライヤーたちとともにインタラクティブな研修ウェビナーを企画しました。パタゴニアの生活賃金プログラムが正式にローンチされたこのウェビナーで、私たちは目標を発表し、生活賃金を定義づけ、生活賃金の大切さを提示し、生活賃金達成のための戦略を伝え、次の段階とプログラムのタイムラインについて論じ、質問に答えるとともにフィードバックを受けました。サプライヤーとの正式なプログラムの発足後に私たちは賃金データの収集を完了し、MITのサステナブル・ビジネス・ラボにこのデータ分析の支援を依頼しました。

      2019年:パタゴニアのアパレル製造工場サプライチェーンの生活賃金の分析を更新しました。私たちのレポートでは当時のアパレル製造工場の35%、または31社のうち11社において、平均的に生活賃金が支払われていることが明らかになりました。このデータは新型コロナウイルス感染症の世界的大流行以前に収集されたもので、これらの労働者および工場における経済的現実の大きな違いを示しています。

      2020年:パタゴニアのアパレル製造工場サプライチェーンの生活賃金の分析を再更新しました。私たちの2020年のレポートでは当時のアパレル製造工場の39%、または31社のうちの12社において、平均的に生活賃金が支払われていることが明らかになりました。

      2021年:私たちはアパレル製造工場サプライチェーン全体において賃金の年次分析を継続しました。2021年当時にはアパレル製造工場の33%、30社のうち10社において平均的に生活賃金が支払われており、これは2020年と比較すると、パンデミック以前に生活賃金を支払っていたほぼすべての工場が2021年にもそれを継続していたことを意味します。パンデミックの経済的影響を考慮するととくに、私たちの提携サプライヤーたちがその最も困難な期間を経て、現在も誓約を守りつづけていることは賞賛に値します。これら30社の工場における賃金に関する年次分析は総体的に、世界中の工場で50,000人以上の労働者に支払われた賃金に対する洞察を私たちにもたらしてくれます。

      2022年:2022年の賃金に関する私たちの年次分析ではアパレル製造工場の34%、29社のうち10社が平均的に生活賃金を支給していました。これは過去数年における経済その他の面での困難にもかかわらず、サプライヤーの生活賃金達成が相対的に安定していることを示しています。

      2023年:2023年の賃金差の年次分析ではアパレル製造工場の34%、29社のうち10社が平均的に生活賃金を支給しており、工場が生活賃金を支払う平均値が相対的に不変である傾向が継続して認められました。この毎年のデータ収集により私たちは長年の進歩を追跡し、年ごとの比較から大きな変化に注目することができます。またこのデータは、賃金のレベルに関するサプライヤーとの会話を促進し、賃金を上げるために可能な戦略を探究することにも役立ちます。

      第3段階:学習、計画、改革
      2021年:パタゴニアはこれらの工場の競合性を損なうことなく労働者の賃金を向上させるために、アパレル製造サプライヤーたちとともに試験の計画に着手しました。私たちの計画は毎年1〜2の試験を導入し、参加ブランドとサプライヤーが共通の目標に向けて協力できる有益なフォーラムを構築するために、その結果をFLAと共有することでした。しかし2020年に新型コロナウイルス感染症の世界的大流行がはじまり、パタゴニアおよびサプライヤーのビジネスへの顕著な経済的影響と感染拡大のリスクにともない、現地での取り組みに関与することが困難となったことからこの試験を進めることはできませんでした。そこで私たちはサプライヤーの状況を再評価し、最も効果的な対策を探るために取り組みを適合させました。

      2022年:パタゴニアは2つの試験(1つは完全に遠隔、もう1つは遠隔と現場の両要素を含む)を開始しました。これらの試験は特定のサプライヤーにおける賃金支払い制度を探究し、賃金差に潜在する性別的な側面についても調査しました。こうした試験から私たちは今後の取り組みを前進させるための情報を得て、生活賃金の差をなくすための方法を探ることを継続します。

      2023年:パタゴニアは2つの工場と協力し、実質賃金と生活賃金の差の検証に焦点を絞る現場での試験を実施しました。この試験は私たちが遠隔で収集する生活賃金のデータを検証するために、労働者と管理職員のインタビューもデータ分析に組み込みました。私たちは今後の生活賃金に関する取り組みに役立てるため、これらすべての試験から学びつづけます。

      2024年:2023年の最初の試験から学んだことをもとに、私たちは高基準を保ちながら拡大することができるよう、その検証過程を洗練させました。労働を専門とする第三者機関を特定してその検証過程をベトナムの現場でテストし、翌年にはさらに多くの工場に適用することを希望しています。この年を通してパタゴニアは、FLAやIDH(持続可能な貿易のためのイニシアチブ)を含む、マルチステークホルダー組織による生活賃金のイニシアチブを評価しました。また社会的な対話、複数企業による団体交渉、責任ある購買慣行などを介して賃金向上を探究する2つの調査に参加し、この調査は2025年を通して進行中です。

      上記のような試験に加え、パタゴニアは同じ業界の企業だけでなく他の業界にも提供できる、生活賃金のための取り組みに投資をつづけます。2021年に私たちはFLAと協働で、エルサルバドル、コロンビア、タイにおける3つの生活賃金ベンチマーク調査のための資金提供を行いました。これらの推定はアンカー・リサーチ・インスティテュートのアンカー・メソドロジーを利用して作成され、完了時にはGLWCのウェブサイトで無料公開されます。これは生活賃金のための取り組みを前進させるために世界中の利害関係者が利用できる、データの質を向上させるという重要な仕事です。パタゴニアは、世界中で生活賃金ベンチマークの調査を追加および更新していくアンカー・リサーチ・インスティテュートのこの重要な仕事を、支援しつづけることを楽しみにしています。

      私たちはまた、労働者のための生活賃金達成の一助として、政府やその他の機関の役割も欠かせないことを認識しています。生活賃金達成における困難のひとつは、世界中で最低賃金が低すぎることにあります。2023年にパタゴニアは、バングラデシュで既製服分野の最低賃金値上げを公に支援するための重要な一歩を踏み出しました。これはバングラデシュ労働研究所とGLWCによって定義された、労働者とその家族のための生活賃金と足並みを揃えるものです。この分野でやるべき仕事はまだたくさんありますが、私たちはブランドの声を利用して生活賃金の進歩を擁護することが、政策レベルでの変化に影響し得ると期待しています。

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