防臭加工
パタゴニアは臭いの抑制や防止を助ける加工を、銀塩ベースから植物由来のものに切り替えています。
なぜ
汗や皮脂や汚れは必然的に臭いを発生させるものですが、ウェアやギアに防臭加工を施すことで、身に着けるものの臭いを防ぐことができます。
こうした加工は防臭に役立つだけではありません。衣類のライフサイクルのなかで最もエネルギーを消費する部分は製造過程にあり、その次に大きく消費するのは、洗濯です。防臭加工はウェアの臭いの発生を抑え、着用の合間の洗濯の回数を減らすことに貢献するので、水とエネルギーの節約につながります。
現在の取り組み
ベースレイヤーなど素肌に直接着用するようなパタゴニア製品の一部には、現在ハイキュ・ピュアを採用しています。この銀塩ベースの防臭加工は、臭いの原因となる細菌の繁殖を抑えます。パタゴニアが採用をはじめた当時、ハイキュ・ピュアはその種のなかで最高のテクノロジーでした。しかし銀塩ベースの防臭加工が環境にもたらす影響の可能性について知ったとき、私たちは代替策の調査をはじめました。
銀はさまざまな方法で生地に用いることができますが、その加工方法によっては、洗濯で落ちやすいものがあります。最近の調査は、銀を含有する洗濯からの流出物が堆積物に蓄積され、海洋の生態系に害をおよぼす可能性があると示しています。ハイキュは溶解しない銀塩を使用し、安定性をもって生地の表面に結合されているため、他の銀(銀ナノ粒子など)の構造よりも環境に流出する可能性は少ない傾向にあります。しかし私たちは、通気性と吸湿発散性と肌触りに妥協せず臭いを防ぐ、より責任ある加工を見つけることに尽力しました。
2019年に私たちが実施した調査では、30種類以上の銀の代替となるものを分析しました。その上位5種類に選択肢を絞り、ラボとフィールドで広範なテストを行いました。2種類の異なる加工を左右それぞれに施したウェアをフィールドテスターに試してもらい、機能性の違いをより正確に比較するための「ハーフ&ハーフ」のテストも実施しました。
そこで明らかに優れていたのは、ハイキュ・ミントでした。この植物由来の防臭加工に使われる食品グレードのミントオイルは、水蒸気で植物から直接抽出され、他の溶剤や添加物は使用しません。強い香りをもつことで知られる香水グレードの精油とは異なり、ハイキュ・ミントは生地に結合して高い安定性をもつため、ウェアを着用して油っぽい感じがしたりペパーミントの香りがすることはありません。これは化学的な構造のレベルで機能する防臭加工です。
ハイキュ社と長く協力関係を築いていた私たちは共同開発に携わり、ハイキュ・ミントが衣料品業界で広く採用されるよう、改善を加え、市場に投入する準備を整えました。パタゴニアのキャプリーン・クール・デイリーやキャプリーン・クール・ライトウェイトといったテクニカル・Tシャツは、この植物由来の防臭テクノロジーを導入した最初の製品です。
次なる展開
私たちはつねに新しい防臭加工の評価とテストを行い、環境への影響を最小限に抑えながら最高の機能性を達成する、そしてもちろんシャツの臭いの発生をできるだけ長く防ぐための方法を探しています。私たちの現在の目標は2026年までに、防臭加工を施すパタゴニア製品のすべてをハイキュ・ミントのテクノロジーに切り替えることです。