なぜ
撥水性は快適な着心地を保つだけではなく、生命の維持に役立つこともあります。しかし過去何十年にもわたり衣料品に使用されてきた、表面で水分を玉状にして弾くことを助けるDWR(耐久性撥水)加工は、PFASとして知られる化学物質の系統に属するパールフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル化合物に依存してきました。これらの「永遠の化学物質」は製造過程で、空気や水や食物、さらには私たちの体内に蓄積し、深刻な健康問題を提起すると、米国環境保護庁(EPA)により報告されています。
PFASとは?
パタゴニアは2025年春シーズン以降、すべての新製品をPFAS化学物質を意図的に使用せずに製造します。パタゴニアでは、撥水加工やメンブレンがPFASを意図的に使用せずに製造されている場合、それがPFCもPFOSもPFOAも意図的に使用していないことを意味します。
現在の取り組み
15年以上の努力の末、私たちは製品ライン全体でPFASの意図的な使用を大幅に減らしてきましたが、そこには挑戦の連続がありました。2013年から2016年の間には、長鎖(またはC8)のフルオロカーボンをベースとするDWR(耐久性撥水)加工の使用を段階的に廃止することができました。それは環境と人間の健康に対してC8が悪影響をおよぼすという研究に基づいたもので、その代わりに、当時はC8よりも害の少ない化学物質だと考えられていた、短鎖のフルオロカーボンであるC6を使用するようになりました。しかしその移行後にはC6もほぼ同様に環境と人間に有害であるという新たな研究が発表され、その時点で私たちは、いかなるPFASも意図的に使用しない撥水加工とメンブレンに取り組みはじめることを決意しました。
2019年の秋に私たちは、PFASを意図的に使用しないDWR加工を採用した初のパタゴニア製品をリリースしました。そして2021年に発表したメンズ&ウィメンズ・デュアル・アスペクト・ジャケット&ビブでは、そのDWR加工と撥水性メンブレンの両方においてPFASを意図的に使用せずに製造することができました。
2025年春シーズン以降は、パタゴニアの新製品の100%がPFASを意図的に使用せずに製造されます。これは私たちがパタゴニア製品の特殊なテクニカル機能を達成するために、有機フッ素化合物を加えることはないという意味です。
この重大な切り替えは、政府によって制定された製造の需要削減を目指す法律とも足並みを揃えています。アメリカ合衆国では2025年1月1日からカリフォルニアとニューヨークが、意図的に使用されたPFASを含有する特定のテキスタイルおよびアパレル製品の販売を禁止する初の州となりました。この流れには、他の州や地方もつづくことが期待されています。
では一体どうしたら、PFASが「意図せずに」加えられることがあるのでしょうか。新しい法律によって規制されているPFAS系統の化合物は14,000種類以上もあり、機能的またはテクニカルな目的で衣類に実際に使用されるものは、そのうちのごくわずかです。それが、私たちがパタゴニア製品に加えない化合物を指しています。しかしアパレル業界は、それ以外の化学物質が衣料品の構成要素として製造過程のどこで発生しかねないのかについて、現在も学びつづけています。こうした化学物質とそれが人びとや地球の健康におよぼすかもしれない影響に関する最新の調査が、つねにパタゴニアのサプライチェーンや製品に反映されていることを確実にするために、私たちは科学に厳密な注意を払いつづけます。
要するに、新しい法律によって規制されている化学であれば、パタゴニアはそれを使用しないということです。
(防水性および撥水性を備えたギアは、その状態を持続させるために適切なお手入れをする必要があります。きれいに保たれたシェルは、幸せなシェルであることをお忘れなく。お手入れの手順をわかりやすく説明した『防水性ジャケットの洗濯方法』をご覧ください。)
次なる展開
多大な時間と資源を投資した結果、私たちは2025年春シーズン以降のすべての新製品のメンブレンと撥水加工を、PFASを意図的に使用せずに製造します。ここにたどり着くまでには約15年の歳月を要しましたが、この移行を支えるための堅固な規範遵守のプログラムを利用しています。
私たちは共有するサプライチェーンの中で取り組みをつづけ、私たちが吟味して取り入れた解決策を利用するよう他の衣料品ブランドに働きかけていきます。この協働は、業界全体が大きく変化し、より多くの製品がPFASを意図的に使用することなく成功するという可能性を秘めています。