PFCフリー
2024年までにパタゴニアの撥水加工のすべてをフッ素化合物不使用に切り替えるよう取り組んでいます。
なぜ
撥水性は快適な着心地を保つだけではありません。極限に厳しい状況では、生命の維持に欠かすことのできない機能を発揮することもあります。このため、多くの衣料品製造業者は、撥水加工のコーティングを施したギアを製造し、表面生地とメンブレン層から水滴を玉状にして弾き落とすことを促進します。また、温かくドライな着心地を保つために、フッ素系化学物質を使用しています。これまで、このような加工には、撥水効果に非常に優れたフッ素を含むパールフルオロ又はポリフルオロという化合物が使用されてきました。(この種の化学物質は無数に存在し、各々が微妙に異なる分子構造を備えていますが機能は非常によく似ています。パタゴニアでは「PFC」をその総称の略語として用います)
しかし、フッ素はそれら接触するすべてのものに影響を与え滴り落ちていくのです。米国環境保護庁(EPA)によると、この「永遠に残る化学物質」の生産は、空気や水、食物を通して私たちの体内に蓄積し、人間と動物の健康を脅かします。そして、これらの化学物質は、そのほぼ不滅の結合であり、私たちの環境に何千年も残留する可能性があります。
そのため、私たちは機能と耐久性を犠牲にすることなく、PFCフリーの最適な代替品を見つけるために、多大な時間とエネルギーや資金を費やしてきたのです。
その違いとは
パタゴニアが総称する、フッ素化合物を使用しない製品のこと。
現在の取り組み
防水加工や撥水加工を施した製品の機能を保証することは、単に安全性の問題だけではありません。それは、ギアを遊ばせつづけ、埋立地行きにさせないよう、長持ちすることを優先し、製品を製造しています。そのため、PFCフリー素材への移行に多くの時間を費やしました。このように環境への影響が少ない化学物質を使用するために、戦略的で熟考された応用とともに、サプライチェーンのパートナーとの緊密な協働が必要です。
その探究がはじまって以来、私たちは製品ライン全体でPFCの使用を大幅に減らし、一部の製品で必要とされる場合に限り、これらの化学物質を使用してきました。2013年から2016年の間には、長鎖(C8)のフルオロカーボンをベースとするDWR加工の使用を段階的に廃止することができました。それは、環境と人間の健康に対してC8が悪影響を及ぼす研究に基づいています。その代わりに、私たちは、C8よりも短鎖のフルオロカーボンであるC6を使用するようになりました。当時は、それがより害の少ない化学物質だと考えられていましたが、移行後にC6もほぼ同様に有害であるという新たな研究が発表され、その時、私たちは100%PFCフリーに移行することを決意したのです。
2019年の秋に、私たちはパタゴニア初のPFCフリーDWR加工を採用した製品をリリースしました。そして2021年には、パタゴニア初のPFCフリーのテクニカルなアルパイン製品である、メンズ&ウィメンズ・デュアル・アスペクト・ジャケット&ビブを発表し、そのDWR加工とメンブレンの両方からPFCを取り除くことができました。
2022年秋には、撥水性加工を採用した素材の78%がPFCフリーとなりました。
(防水および撥水性加工を施したギアは、その状態を持続させるために適切なお手入れをする必要があります。きれいに保たれたシェルは、幸せなシェルであることをお忘れなく。お手入れのコツは、『製品のお手入れ方法』をご覧ください。)
次なる展開
多大な時間と資源を投資した結果、私たちは2024年までに全製品ラインを100%PFCフリーにすることを目標とし、現在、順調に進んでいます。
PFCの使用を廃止するという業界全体の目標が設定されていない現在、これらは他社を刺激する機会だと捉えています。共有するサプライチェーンの中で取り組み、私たちが吟味して取り入れた解決策を利用するよう他の衣料品ブランドに活用してもらうことで、業界全体が大きく変化し、より多くのPFCフリー製品が届けられることに期待しています。
