ポリウレタン
ポリウレタンは乾きが速く優れた強度と伸縮性を提供する素材です。リサイクル・ポリウレタンはバージン・ポリウレタンと同様の伸縮性と品質を備えているので、それを使用することで、価値あるものが埋立地行きとなるのを防いで転換し、無駄にしません。
なぜ
ポリウレタンは、パタゴニアの製品に欠かすことのできない素材です。スパンデックス、ライクラ、エラスタンなどの名称でも知られるポリウレタンは、石油を原料とするプラスチックの一種である弾性ポリマーで、衣類やトリムに伸縮性を提供し、ぴったりとしたフィットと動きやすさを実現します。しかし残念なことに、バージン・ポリウレタンの製造に使われる石油の採掘と精製は、土地や大気や水を汚染して気候変動の一因となっています。さらに、その糸を製造する工程にも問題があります。リサイクル・ポリウレタンにしても、バージン・ポリウレタンにしても、新たな糸を作るにはジメチルアセトアミド(DMAc)またはジメチルホルムアミド(DMF)による溶解工程が必要です。DMAcは肝毒性および生殖毒性との関連があるとされており、欧州連合によって「SVHC(高懸念物質)」に指定されているため、パタゴニアは製品へのポリウレタンの使用を可能なかぎり抑えるよう努めています。
パタゴニアは近年、プレコンシューマーリサイクル・ポリウレタンの試験的な使用を開始し、2020年にはじめて、リサイクル・ポリウレタンを製品ラインに加えました。それはバージン・ポリウレタン繊維と同様の伸縮性を備え、埋立地行きとなる運命にあった素材を再利用することを可能にしました。
現在の取り組み
パタゴニアのすべての製品における生地や素材の総使用量のうち、ポリウレタンの使用量の割合は平均して2%未満です。ポリウレタンは重要な機能を提供するものの、パタゴニア製品のなかでは使用量が最も少ない素材のひとつです。たとえば、伸縮性を備えたジャケットに使用するポリウレタンの割合は、生地全体の8〜9%程度です。それでも私たちは、プレコンシューマーリサイクル・ポリウレタンを採用することは、地球からさらに資源を採取するのではなく、すでにあるものを活用する取り組みを進める好機であると考えています。
それを実現するために、私たちは製造工程で余ったポリウレタンを採用しています。この余剰素材は製造ラインで回収され、原料製造段階に再び組み込まれます。プレコンシューマーリサイクル・ポリウレタンを使用することで、価値あるものが埋立地行きとなるのを防ぎ、転換することで無駄にせず、バージン石油への依存を減らすことができます。
次なる展開
私たちはバージン石油を使用した原料から脱却することを目指しており、リサイクル・ポリウレタンを採用することは、その目標達成に向けた取り組みの一助となっています。しかしリサイクル・ポリウレタンであっても、新しい糸を製造する工程ではまだDMAcが必要であるため、パタゴニアの素材革新チームは、この溶剤の使用量を削減する方法を積極的に模索しています。また、同等の機能性を備えながら、ウェアが寿命を迎えた際の解決策としてリサイクルが容易な、より環境への影響を抑える代替素材も探しつづけています。