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JEANNIE CHEN

移民労働者の保護

容認できない労働コスト
サプライチェーンをより深く掘り下げることが、新しい移民労働者雇用水準にどのようにつながったのか

数年前、パタゴニアが社会的責任慣行について繊維工場を監査しはじめたとき、台湾の工場で働く移民労働者が仕事を得るために高額な斡旋手数料を払っていることを知り、動揺しました。彼らはしばしばこれらの手数料を支払うために借金をします。仕事を得るためにそのような手数料を支払うことは、すでに生計を立てるのに苦心している労働者にとってはほとんど不可能な重荷です。台湾などの国では労働者不足により、アパレル製造業を含むさまざまな産業において移民労働者が多用されます。2017年9月の国際労働機関および〈Walk Free Foundation〉の報告書では世界中で1,600万人が強制労働の状態に陥り、その44%が建設業と製造業、あるいは農業と漁業の仕事に携わっています。状況をさらに悪化させているのは、斡旋手数料のほとんどが合法だとういうことです。さらに斡旋業者の多くは合法の限度を超えた額を請求します。

パタゴニアはサプライヤーに高い水準を課しており、これらの慣行はパタゴニアの価値観とミッションに合致するものではありません。そこでパタゴニアのサプライチェーンにおいてそれらを撲滅し、産業全体に広めるために他者と協働しはじめました。この問題に慎重な方法で取り組むブランドおよびサプライヤーは多くないため、産業界で変化を加速させるために私たちはこの認識を高め、私たちが学んだことを分かち合うことに取り組んでいます。

このプロセスに着手するため、私たちは2人のフルタイムの専門家を雇用しましたが、サプライチェーンのこの段階において変化を促す例がほとんどないことをまもなく発見しました。最終製品を組み立てる第1段階のサプライヤーとして知られる工場とは違い、繊維工場(第2段階)のほとんどが人権慣行について監査されたことはありませんでした。ほとんどの衣類ブランドはサプライチェーンをここまで深く掘り下げないからです。

この時点で私たちは新しい移民労働者雇用水準を開発するために、世界中の人々が健全、公正かつ合法な状況で働けることを目標とし、研究、提言、コンサルティング、訓練と査定を行う独立非営利団体〈Verité〉と仕事をはじめました。また私たちのサプライチェーンにて変更を導入するためにこの問題についてサプライヤーを教育しはじめました。

パタゴニアの移民労働者雇用水準は雇用前の交流、労働契約、賃金と手数料、パスポートの保有、生活/労働条件、苦情処理手続きと本国送還を含む、外国人雇用の全側面をカバーしています。

戦略、リサーチ、試行、監査と訓練に2年を費やした後、私たちは2014年12月に台湾のフォーラムにてこれらの水準をサプライヤーに正式に発表しました。移民労働者の問題はパタゴニアが利用する台湾の繊維工場に限ったことではないため、他の部門における移民労働者の状況を向上させる方法について討議するために台湾政府とミーティングをはじめ、私たちの産業全体において慣行を向上させるために他のブランドとの関与も継続しました。また私たちはパタゴニアのサプライチェーン全体に移民労働者水準を適用しました。そして不公平な移民労働慣行をサプライチェーンにて撲滅することを希望する他のブランドにもこの水準を提供しました。

2015年、私たちは移民労働者の特定の問題と斡旋手数料について理解するために台湾の全サプライヤーにフォーカスした監査を実行し、それ以来、明らかになったことを修正するために彼らと緊密に取り組んでいます。パスポートの保有や外出禁止令、強制預金計画などの問題において前進が見られています。サプライヤー数社は斡旋手数料を返金し、手数料を徴収しないシステムへと移行することに取り組んでいます。

2017年8月、パタゴニアのCOO、ソーシャル/エンバイロメンタル・レスポンシビリティ担当副社長、資材調達ディレクターが率いる別のフォーラムにて移民労働者プログラムの次段階を発表しました。これには台湾のサプライヤー全社が出席した。私たちはこの段階を「2020年までに手数料を撲滅するためのロードマップ」と名付けました。これは2020年までに移民労働者が支払う斡旋手数料を完全に撲滅するためにパタゴニアのサプライヤーが取り組む段階の明確なアウトラインです。

2013年以来、私たちは台湾を拠点とし、修正の仕事をするためにサプライヤーと直接取り組み、米国のソーシャル・レスポンシビリティ担当のフルタイム社員に支えられるフルタイムの専門家を雇用しました。私たちはまた産業システム全体の変化を駆動し、これらの慣行を撲滅するために合同の影響力を利用するために台湾政府と他のブランドとの関与も継続しています。


サプライチェーンにおける移民労働者の搾取を阻止するためのパタゴニアの取り組みのタイムライン

2011年1月:
パタゴニアは「原材料サプライヤーのソーシャル・レスポンシビリティ・プログラム」をローンチするための準備を開始。これには原材料サプライヤー(繊維工場)の第2段階サプライチェーンおよびその下請メーカーのマッピング、このプログラムの発表のためのコミュニケーション計画の開発、および素材開発およびデザインチームのための移民労働者についての社内トレーニングの提供を含む。

2011年8月:
原材料サプライヤーのソーシャル/エンバイロメンタル・レスポンシビリティ(SER)プログラムを発表するため、パタゴニアはソルトレイク・シティで開催されたアウトドア・リテーラー・ショーにて原材料サプライヤーのためのセミナーを実施。これ以前は、パタゴニアは最終製品(組み立て)工場とその下請工場にその努力を当てていた(第1段階)。

2011年9月:
パタゴニアは社会監査用テンプレートを見直し、不公平な慣行を検出しやすくするために移民労働者のセクションの改訂を決定。第3者のコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ(CSR)専門家が新たな移民労働者セクションを開発し、この問題にフォーカスする非営利団体数社がこれを厳しく吟味。これ以降のすべての社会監査は移民労働者セクションを含む改訂済みの監査ツールを使用。

2011年10月:
来る社会的責任監査のために第2段階サプライヤーに準備を促す。ブランドがこのレベルのサプライチェーンを監査することは稀なため、この監査はサプライヤーのほとんどにとっては新しいもの。パタゴニアが選んだ経験豊かな第3者の監査機関がサプライヤーとの監査の打ち合わせを開始。

2011年11月:
新しいカリフォルニア州法(カリフォルニアSB 657)に従い、パタゴニアは「サプライチェーンの透明性に関するカリフォルニア州法」の開示をウェブサイトに公表。これはサプライチェーンにおいて人身売買と児童労働を防ぐためにパタゴニアが取る詳細措置の大要。

2011年12月:
サプライチェーンと関与するすべてのパタゴニア社員に対し、人身売買の認識のための訓練を実施。

2011年12月~2012年9月:
世界中でパタゴニアの主な原材料サプライヤーを監査。台湾における監査では7社において移民労働者が過剰な斡旋手数料を課されていたことを明らかにした。これを受け、パタゴニアはすべての問題を修正するための行動計画に取り組むようサプライヤーに依頼。パタゴニアのSERスタッフは彼らとフォローアップし、移民労働者の問題は台湾における労働力不足による体系的な問題であること、その撲滅にはそれに焦点を当てた包括的なアプローチが必要であることを素早く認識。

パタゴニアのSERチームは台湾で見つかった問題のための短期、中期、長期の修正戦略を作成し、パタゴニアの経営陣に提出する。パタゴニアの段階的な戦略:リサーチとローンチ・プログラム、修正、システム全体への拡張(下記リスト参照)。パタゴニアのビジョンはパタゴニアのサプライチェーンの労働者のみならず、同じ状況下にある台湾のその他の移民労働者を支援し、この試みに他のブランドを巻き込むように励ますこと。

段階1:リサーチとローンチ

  • 同じ問題に取り組むブランドを招集
  • データ収集
  • 移民労働者水準の開発
  • サプライヤーの教育
  • パタゴニアの幹部が参加する直接セミナーを通して台湾のパタゴニアのサプライヤーにてプログラムをローンチ
  • 移民労働者にフォーカスした詳細監査の完了

段階2:修正

  • トレーニングとカウンセリングを提供してサプライヤーを支援
  • 持続可能な修正を最大化/加速化するためにプログラムをチェック/調整する
  • 進行状況の監視と報告
  • 政府機関とミーティングを持ち、彼らの知識、トレーニングと支援サービスを活用する

段階3:システム全体への拡張

  • サプライチェーン全体にて水準をローンチ
  • 水準とその経過を公表
  • 興味を持つブランドを招集
  • 台湾ににおけるすべての移民労働者へプログラムを拡張するため、業界パートナーシップの構築の継続

2012年10月~2013年2月:
台湾の原材料サプライヤーにおける強制労働/人身売買のトレンドについてパタゴニアのCEO、COO、副社長に報告。彼らはこの問題解決のためにスタッフと外部のコンサルタントの増強が必要であることを認識。移民労働者プログラムの開発のために2人の専門家(1人はベンチュラ本社、もう1人は台湾を拠点とする)が必要であることを識別する。直ちにベンチュラを拠点とするCSR専門家雇用のためのサーチに着手。

2013年1月:
人身売買と奴隷労働に言及した人身売買と奴隷労働に言及したサプライヤー行動規範の改訂版をローンチ。パタゴニアの旧バージョンはすでに強制労働禁止を含んでいたが、新バージョンには人身売買と奴隷労働が足される。

2013年3月~5月:
移民労働者プログラムの陣頭指揮を取るCSRの専門家をベンチュラにて雇用。2013年の5月末より彼女が仕事に就く。

2013年5月:
パタゴニアのデザイナーとマーチャンダイザーに対し、移民労働者問題およびサプライヤー管理のための「4重のアプローチ」のトレーニングを提供。これはSERチームが非遵守のサプライヤーを解雇する権限を含む。

2013年6月~10月:
パタゴニアが新たに雇用したSERマネージャーが短期、中期、長期戦略の履行に着手。台湾を拠点とする現地マネージャーのサーチを開始し、異なるビジネスセクターのブランドを招集してサプライチェーンにおけるこれらの問題についての対話の計画を立てる。パタゴニアは台湾を含む世界中の鍵となる原材料サプライヤーの社会的責任監査を継続。

2013年11月:
長期にわたる調査の後、台湾を拠点とするCRS専門の現地スタッフを雇用。またサンフランシスコにて40のブランドを招き、サプライチェーンにおける人身売買についての1日フォーラムを開催。7社が出席する。残りの多くも興味はあるものの、この問題に挑む準備ができていないと話す。

2014年1月:
から帰還まで移民労働者のライフサイクルの全側面を学ぶため、それぞれのサプライヤーの工場における移民労働者に焦点を当てた4件の査定を委託した。これらの査定には求人手数料、差別、住居、賃金、契約などを含む。提案依頼書を作り、専門機関を調査したのち、企業がこの問題へ対処するための支援を専門とする2つの組織と仕事を開始。両社に対して台湾における移民労働者と就職斡旋業者との面接を含む2件の移民労働者査定の実施を要請。

2014年2月~4月:
4件の移民労働者の試験的査定が実施され、結果を受け取る。パタゴニアは最終の査定工程の参考にするため、このチャンスを活用してデータ収集のための異なるプロトコルと方法を試す。監査結果は台湾の原材料サプライヤーにおける移民労働者の非遵守の程度の深さと酷さをより理解する手助けをし、パタゴニアはこの問題に対処するための忠誠をさらに強める。

2014年6月~7月:
パタゴニアは公正労働非営利組織〈Verité〉とパートナーシップを組むことを決め、詳細戦略を開発するための最善の方法について対話を開始。鍵となるアクティビティとマイルストーンを見極め、最初のステップを計画する。

2014年8月~11月:
〈Verité〉と共同で包括的な「移民労働者雇用水準および実施要項」を開発する。またパタゴニアの新しい水準を発表し、移民労働者関連の非遵守を修正することをサプライヤーに依頼するため、台湾におけるサプライヤー・サミットの準備も開始。

2014年12月:
パタゴニアは「移民労働者雇用水準」を最終化し、この40ページ以上の書類を中国語に翻訳し、直接そしてe-mailにてサプライヤーに提示する。パタゴニアは2つの締切を設定:(1)2015年6月以降、いかなる労働者も斡旋業者に手数料を支払わない(原材料サプライヤーは政府から直接雇用するか、自ら斡旋業者に手数料を払う)、(2)2015年6月1日以前に雇用されたすべての労働者が支払った、法的制限を超えた斡旋手数料を2015年12月31日までに返金する。

パタゴニアが招待した原材料サプライヤー全社およびパタゴニアのCOO、サプライチェーン担当副社長と資材調達およびソーシャル/エンバイロメンタル・レスポンシビリティ部門のディレクターが台湾でのミーティングに出席する。

同出張時、パタゴニアのSERチームは台湾の労働省の官僚とミーティングをもつ。移民労働者が直面するチャレンジについて討議し、ベストプラクティスをシェアし、コラボレーションのできる分野を識別。労働省の官僚は労働者が支払う斡旋手数料を排除するひとつの方法である移民労働者の直接雇用のためのトレーニングをパタゴニアのサプライヤーに提供することに同意する。

2015年1月:
パタゴニアのSERマネージャーと現地マネージャーは台湾の原材料サプライヤーと密に協力して新水準の履行と締切遵守のための支援を継続。ホワイトハウスの招待により、パタゴニアのCOOおよびSERディレクターがワシントンD.C.へと旅し、「サプライチェーンにおける人身売買と戦うためのホワイトハウスのフォーラム」に参加する。パタゴニアのSERディレクターはまた、パタゴニアの仕事を発表するためにパネル討論会にも参加。

2015年2月:
台湾の労働省が移民労働者の直接雇用について原材料サプライヤーにトレーニングを実施。

2015年3月:
パタゴニアが台湾以外の裁断および縫製工場と原材料サプライチェーンすべてに対して「移民労働者雇用水準」を発表。

パタゴニアは自社費用で、台湾のサプライヤーに対する移民労働者に焦点を当てた監査を継続して〈Verité〉に委託。

2015年4月:
国際労働機関(ILO)は現代の奴隷労働についてのシンポジアム「アウト・オブ・ザ・シャドウズ」の討論会で発言するよう、パタゴニアのSERディレクターを招待。

2015年6月:
一般の閲覧と使用のため、パタゴニアは「移民労働者雇用水準」をウェブサイトで公開。

2015年11月:
パタゴニアのSERマネージャーと現地マネージャーが進行状況および支援方法を探るために台湾のサプライヤー各社とミーティングをもつ。またパタゴニアの移民労働者プログラムについての進行状況を報告し、移民労働者問題に対応する政府の努力について学び、協働分野を探るために台湾の「労働力開発機関」ともミーティングをする。〈Verité〉もまた共通の問題について対処するためのアプローチをサプライヤーに説明するために「移民労働者についての社会的遵守管理」訓練を実施。

2015年12月:
この問題が台湾の産業における特有のそれであり、いちブランドによって是正することができないものであることを認識し、パタゴニアは業界の他のブランドを関与することを継続。40のブランドを招き、パタゴニアの仕事の最新情報を共有するウェビナーを開催。2013年のコンファレンスには7社が参加したが、今回16社に拡大。また移民労働者雇用水準の履行を改善するために同じサプライヤーと契約している他のブランドと共に取り組む。

2016年2月:
SER担当副社長が公正労働協会の役員会におけるサプライチェーンの移民労働者問題および潜在的な協働のチャンスについての特別分科会セッションでフィーチャーされる。パタゴニアは既存のイニシアチブについて、移民労働者問題に対処するためのブランド協働の必要性について提示。

2013年6月:
台湾労働省が直接雇用のためのトレーニングを実施し、パタゴニアの鍵となるサプライヤー5社が参加する。このコンファレンス中、労働省は特にパタゴニアの移民労働者問題に対応するための取り組みをベストプラクティスとしてハイライト。

2016年10月:
手数料撲滅の第一段階として、サプライヤーが既存の求人コストを見積もり、就職斡旋業者を通して雇用することと直接雇用をすることのコスト差を決定するための使いやすいコストパフォーマンス分析ツールを開発。

2016年12月:
個々のサプライヤーと進行状況についてミーティングをするためにSERチームが再び台湾に出向く。この旅の間、労働省と直接雇用センターの代表とミーティングをし、仕事と生活の質についてのコンファレンスにてパタゴニアの取り組みを政府関係者、非営利団体、教育関係者、および公共に提示。

2017年5月:
サプライチェーン・レスポンシビリティのシニア・マネージャーのウェンデイ・サヴェッジが人身売買とと戦うパタゴニアの取り組みによって〈Nomi Network〉より栄誉を受ける。〈Nomi Network〉はインドとカンボジアで人身売買と戦う非営利の経済開発機関。

また企業の責任についての異教徒間センターの移民労働者の倫理的雇用のためのベストプラクティス・ガイダンスにおいて最善慣行のケーススタディとしてフィーチャーされる。

2017年7月:
サプライチェーンの透明性に関するカリフォルニア州法(SB 657)および英国現代奴隷法に準ずる最新の開示をウェブサイトに公表。

2017年8月:
パスーポートの保有と外出禁止令および強制預金策略の撲滅への前進は遂げているものの、斡旋手数料の完全削除は多くのサプライヤーにとって困難である。このプロセスを促進するため、パタゴニアはサプライヤーのために鍵となる提出書類のアウトラインを明示した詳細な「2020年までに手数料を撲滅するためのロードマップ」を開発。

このロードマップ・プログラムを始動するにあたり、パタゴニアのCOO、ソーシャル/エンバイロメンタル担当副社長および素材調達ディレクターが台湾に戻り、鍵となるサプライヤー各社とミーティングをもち、そのチャレンジについて理解し、いかにしてパタゴニアが手数料撲滅のために必要となるビジネスの変更を支援できるのかについて識別。

またサプライヤーがこれらの変更を実施する努力を支援するためにツールとテンプレートをシェアする。コスト分析ワークシートに加え、サプライヤーが2020年までに手数料を撲滅することへ向けた明らかな前進の道を開くための行動計画のテンプレートを提供。

注:台湾におけるフルタイムの専門家の存在とその努力がパタゴニアの前進に大きく貢献した。