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ダムネーション – 川はみずから回復する

ケイティー・クリングスポーン  /  2013年2月25日  /  読み終えるまで5分  /  アクティビズム

オリンピック国立公園内にある64メートルのグラインズ・キャニオン・ダムは、1927年以来、たぐいまれなチヌーク・サーモンの産卵床への遡上を違法に塞いできた。Photo: Ben Knight/ダムネーション

ダムネーション – 川はみずから回復する

オリンピック国立公園内にある64メートルのグラインズ・キャニオン・ダムは、1927年以来、たぐいまれなチヌーク・サーモンの産卵床への遡上を違法に塞いできた。Photo: Ben Knight/ダムネーション

2011年9月、緑生い茂るワシントン州オリンピック半島のエルワ・ダムが重機によって少しずつ削り取られ、米国史上最大のダム撤去プロジェクトがはじまりました。

1913年以来エルワ・リバーを塞き止めてきたダムは、下流のエルワ・ダムが完全に撤去され、上流のオリンピック国立公園内にあるもうひとつのダム、グラインズ・キャニオン・ダムも部分的に取り壊され、来年初夏までには過去の廃物となる予定です。川は100年ぶりに解放されるのです。

この画期的なプロジェクトは先住民のローワー・エルワ・クララム族と州政府および連邦政府の関連機関が川の回復を目指して数年にわたり取り組んできた努力の賜物です。かつて何十万匹ものサケの産卵床であった川がダムにより寸断され、その数がわずか数千に減少してしまったこの川を再びつなげるのが狙いでした。

これは各種団体の目覚ましい連携と崇高な目的を象徴すると同時に、壮大な実験でもあります。これほど大規模なダム撤去は米国ではかつて例がありません。1,835万立方メートルという膨大な量の堆積物が川に流れ出すため、プロジェクトの成功には疑問もありました。

それでも、これまでのところ川は順調な回復を見せています。

エルワ・ダム撤去後わずか数週間で、ダム跡地の上流へと移動する魚の姿が見られました。ギンザケの成魚と野生の冬のスチールヘッドも7か月以内にかなり上流まで遡上し、そして8月にはオリンピック国立公園内でチヌーク・サーモンの成魚が見られ、この流域への自然遡上がはじめて観察されました。

この秋には、長年にわたりエルワ・ダム撤去に取り組んできた国立海洋大気庁北西部漁場科学センターの科学者ジョージ・ペス氏が「いまのところ順調です。さまざまな要素がうまく作用したようで、魚はいい反応を見せています」と話しました。

この冬、生物学者は11月と12月に産卵床へ遡上すると期待されていたギンザケとシロザケを注意深く見守ってきました。降雨量の増加もあって川の濁度が高かったものの、国立公園局によると最大5,000匹のギンザケとシロザケが遡上しました。

一方、多流量と高濁度は大量の堆積物を川下へ運び、淵を満たし、新たな砂浜を形成し、川を変形させながら劇的な変化を生み出しています。

回復は河道にとどまりません。生物学者は川沿いおよびかつてダムの上にあった2つの貯水池跡に植物を移植し、サケは生態系にもたらす栄養素を運びはじめました。

ダムネーション – 川はみずから回復する

エルワ・ダムが撤去されると貯水池の水が引き、美しく残された原生スギの切り株とローワー・エルワ・クララム族にとって文化的に重要な場所が姿を現した。Photo: Ben Knight/ダムネーション

文化的回復もこのプロジェクトの注目すべき点であるとオリンピック国立公園広報担当のバーブ・メインズ氏は語ります。8月にはローワー・エルワ・クララム族の人々が長年貯水池に埋もれていた彼らの神聖なる創造の地に100年ぶりに集合しました。

「ダム撤去がはじまり、今年は本当に胸が踊る1年でした」とメインズ氏は語ります。

パタゴニアのフライフィッシング・アンバサダーで著者のディラン・トミネは〈ワイルド・スチールヘッド・コーリション〉の役員を務めます。彼は、ダム撤去後のエルワ・リバーは本来の手つかずの生息環境となるため、川の回復を調査する絶好の機会になると指摘します。

「こういうことに自然がどう反応するかを観察する、またとない面白い実験場だと思います」とトミネ氏は話します。

現在、エルワ・リバーは世界で一番きれいな場所ではありません。水には大量の堆積物が混ざり、貯水池があった場所は乾いた湖床となっています。

「でも、流れる方向を川がみずから削っていく様子を目にできるのは大きな励みとなります」と彼は話します。「感傷的に聞こえるかもしれませんが、本当に心を打たれます」

トミネ氏が唯一残念に思うのは、川に孵化場があることです。彼にとっては魚が自然に遡上するのが理想的なのです。それでも全体的にはかなり期待でき、人々が目的に向かって全力を傾ければ、状況は変えられるということを証明するだろうと話します。

トミネ氏は言いました。「私たちが実際にダム撤去の時代にいるというのは驚くべき事実です」

グラインズ・キャニオン・ダムの撤去は川が時間をかけて堆積物を押し流すようにゆっくりと進められています。また魚の冬の遡上に合わせ、ダム下部の取り壊しは1月まで保留となっています。

エルワ・ダム(1913年)とグラインズ・キャニオン・ダム(1927年)建設以前は、最大45キログラムもある大型チヌークを含む約40万匹のサケの成魚が毎年産卵床を目指してエルワ・リバーを遡上していました。スチールヘッドとトラウトの個体数も健全でした。

現在、年間のサケの生息数はわずか数千まで減少してしまいましたが、国立公園局は今後数十年でかつての生息数まで回復するだろうと期待しています。

トミネ氏も楽観視しています。

「ダム撤去が完結し、川が元の状態に戻る様子を目にすることができるでしょう。このプロジェクトは人々が協力しあって最後まで粘り通すことの模範です」とトミネ氏は語ります。

トレーラー、写真ギャラリーやFAQなど、『ダムネーション』の詳細は、DamNationFilm.comをご覧ください。

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