バルカン半島はヨーロッパに自然のまま残された最後の原生河川のふるさとです。しかしながら何千もの水力発電事業が、この忘れられた地方の文化や生態系を破壊する脅威となっています。果敢に行われている地元の反対運動が万一失敗すれば、ヨーロッパ大陸最後のダムのない流域は、提案されている3,000以上もの水力発電ダムや分水路により、取り返しのつかない損害を与えられることになります。しかも現在では多くの先進国でダムが廃止されているというのに。
これらの川の流域に散らばるアクティビストたち、そしてドイツ人活動家ウルリッヒ・アイフヒェルマンが創設したRiverWatch(リバーウォッチ)のようなヨーロッパのNGOは、対外投資や地元政府の汚職と闘っています。『ブルー・ハート』はヨーロッパのアルバニアのヴョサ川に自然のまま残された最後の大水系に対する闘いについての、そして稀少なマケドニアのバルカンオオヤマネコを救うための努力の、また地域で唯一の飲み水の供給源である彼らの川を守るため、数か月にわたり昼夜を問わず陣頭指揮を執るボスニア・ヘルツェゴビナのクルシュチツァの女性たちについてのドキュメンタリーです。こうしたストーリーとともに、ヨーロッパにおける重大で差し迫った環境災害がはじめて明かされます。