2011年のマーベリックスでのサイオン・ミロスキーの死は、才能あるサーファーをまたひとり失ったビッグウェーブサーフィンのコミュニティを動揺させた。それは警鐘だった。ビッグウェーブサーフィンは安全基準よりも進歩してしまっており、何らかの変化を必要としていた。その年、コール・クリステンセンとダニーロ・コウト率いるサーファーのグループは、オアフ島ノースショアにあるコールの納屋に集まり、ベテラン救急看護師の教えるCPR講習を受けた。これはビッグウェーブ・リスク・アセスメント・グループ(BWRAG)初の非公式会議となった。翌年、BWRAGはノースショアのタートル・ベイ・リゾートで初の一般向けの講習会を開催し、CPR、応急処置、水難救助スキルなど、その訓練を拡大させた。
その2年後、ベテランのライフガード兼サーファーであり、海洋危機管理専門家のブライアン・ケアウラナがコールとダニーロの招きで加わる。彼が持ち込んだ数十年もの知識と経験は、BWRAGトレーニングを大幅に膨らませた。それから10年にわたり、BWRAGは国際的に認知される代表的な基準となり、世界中で大規模な講習会を開催するようになった。世界最高レベルの緊急対応訓練を受けたビッグウェーブサーファーや海上危機管理専門家によって提供される講習は、海上での危機管理、CPRとAED訓練、救命救急処置、現状分析、マインドフルネス呼吸法、エネルギー管理、緊急時対応計画、水難救助など、多岐にわたる。
2021 / 19 分