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ダークセンダービー参戦:チェアスノーボードを持って初めて海外に飛び出した

辰己 博実  /  読み終えるまで8分  /  スノー

マウント・バチェラー最高! Photo: Rip Zinger

ダークセンダービー参戦:チェアスノーボードを持って初めて海外に飛び出した

マウント・バチェラー最高! Photo: Rip Zinger

ダークセンダービーは、世界的に知られるプロスノーボーダーのジョシュ・ダークセンが地元、オレゴン州ベンドのマウント・バチェラーでイベントを開催したいというのがはじまり。地元やスキー場の負担にならないよう大がかりな仕掛けを使わずになるべく少ない資金でどのようなイベントを作りだせるかと考えた結果、地元有志やボランティアを募り、手掘り・手作りで小規模な連続バンクのスラロームコースを作成し、タイムを競い合うラリー形式のレースというアイデアを考案。時を同じくして、同じくオレゴン州ベンド出身で将来有望な若手スノーボーダーであるタイラー・エクルンドが競技中の事故で頚椎を損傷した。タイラーは保険に加入しておらず、膨大な治療費を自費で支払うことを余儀なくされる。これを機にジョシュは企画していた大会の目的をタイラーの治療費を集めるため、そして頚椎や脊椎損傷患者やチェアスキーの認知度を上げるためのチャリティーイベントにすることを決める。大会はさまざまなクラスに分けられており、プロ・アマ、男女、年齢別、スプリットボードやチェアスキー部門など、老若男女、健常者、障害者が一同に介して楽しい時間を共有するイベントとして誕生。2006年の初開催時は極少数の参加者に留まったものの、噂は広がり、参加者の数は年々増加、昨年の第6回大会の参加者数は全クラス合わせて100名を超えた。いまではマウント・バチェラーの冬季シーズンを代表するイベントにまで育っている。僕は2013年12月に第7回目を迎えるダークセンダービーのチェアスキー部門に参戦することになった。

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サポートされてダービーコースを滑るタイラー Photo: J.P.Martin

ダークセンダービーのことを初めて知ったときは、日程や会場がアメリカということもあって断念したが、去年の1月にニセコでジョシュと会って、タイラーのことや大会の目的を聞き、ダービーに出ないかと誘われると迷わず行くことを決めた。けれども不安もあった。英語があまり得意ではないことに加え、車いすでたくさんの荷物を運ぶことは難しい。GENTEMSTICK玉井太朗さんに相談してみると、アメリカでのサポートに友人のJPとカメラマンのRIPさんを紹介してくれた。荷物も空港の職員に頼めばいいだろうとアドバイスを受け、航空会社に問い合わせてみると、荷物の運搬と乗り継ぎの案内のすべてを空港職員がサポートしてくれた。実際、車いすに乗っているほうが楽に旅ができるんじゃないかと思うほどスムーズだった。

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今回サポートしてくれたRIPさんとJP 写真:辰己 博実

現地入りした翌日は、ジョシュと合流して一緒に滑ることになった。1本目のリフトの降り場でどこを滑るか相談していると、あるアメリカ人スノーボーダーに声をかけられた。「あなたをYouTubeで見たことがある。俺もじつはこうなんだ」とズボンをめくると、彼の右足は義足だった。2本目のリフトでもまた声をかけられた。次は片足のスキーヤーだった。日本では障害のある人とゲレンデで会うことはほとんどない。アメリカでは障害がある人でもみんな当たり前に滑っていて、どこのスキー場でも障害者を受け入れるスクールやトイレが完備されている。さらにスクールスタッフのサポートの元、障害者が障害者を指導するシステムができ上がっていることが素晴らしい。実質的なサポートはできなくても、滑り方の指導は同じ乗り物に乗っている方が確実にわかりやすく伝えられる。日本もこうあるべきだし、みんなが気軽にスキーやスノーボードを楽しめる環境を作っていかなければいけない。この日は、最終リフトまで滑ってダービーコースも滑らせてもらって終了。ダービーコースはレッドとグリーンの2本で、タイトなバンクのGが心地いい。山は全体的にバンクや沢地形があって面白い。マウント・バチェラー最高!

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この景色に向かって滑る 写真:辰己 博実

次の日も山に上がり、同行カメラマンのRIPさんの友人であるローカルライダーたちとセッション。そのあとチェアスキーヤーのラヴィと知り合い、フリーランやダービーコースを滑り倒した。ラヴィはXゲームのチェアスキークロスにも出場しているすごいやつで、23歳と若く、一緒に滑って楽しい刺激的なチェアスキーヤーだった。

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ラヴィと出会えたことはいちばんの刺激になった。Photo: Rip Zinger

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ベンドのローカルたち。Photo: Rip Zinger

そして、いよいよダービー初日。会場は大勢の参加者たちでにぎわっていた。この日もラヴィと滑り倒し、RIPさんとフォトセッション。夜はダークセンダービー・パーティーがあり、ブロークンボード・オークションが開催された。折れたり使わなくなったボードにペイントしたり、リメイクしたボードや新品のボードをオークションにかけ、売り上げをタイラーの治療費として寄付されている。

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ブロークンボードオークション 写真:辰己 博実

ダービー2日目の見どころは、スプリットボードクラスだった。スタートの合図でいっせいに走りだし、途中で板にシールを付けてハイクアップ、コースのスタート地点に到着したらシールをはがし、板を組み合わせて滑り下りる。まさに圧巻だった。あんなに大勢のスプリットボーダーたちを見られるのはダークセンダービーしかないだろう。夜はベンドのパタゴニアストアで上映会に参加。サーフィン・アンバサダーのジェリー・ロペス氏と会って話をすることができた。すごく穏やかな優しい人だった。

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パタゴニアのベンドストアにてオーガニックビールで乾杯 写真:辰己 博実

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ジョシュ&ジェリーさんと Photo: Rip Zinger

いよいよ最終日、レース本番だ。2本のコースの合計タイムで競う。1本目はグリーンコース、木がないオープンコースでバンクのつなぎが気持ちいい。うまくバンクをつなぎ、いい感じで滑れたが、最後のフラット部分でタイムを伸ばそうとアウトリガー(手に持つストックのようなもの)で雪面を押して加速しようとしたが、逆に引っかかって減速してしまいタイムロス。2本目はレッドコース、木の中をバンクでつないだ少し斜度がありコースアウトすると木が近いスリリングなコース。上部のバンクを気持ちよくつなぎ、スピードに乗って滑れたのだが、下部のジャンプセクションでラインを外してしまいうまくバンクに合わせられずに転倒。このコースは最後に登りのセクションがありアウトリガーを使って何とか登りきることはできたが、大幅にタイムロスしてしまった。結果3位にはなれたものの、今回ダービー用に作って持っていったGENTEMSTICKのTT165が調子よかっただけに残念。レースには勝てなかったが、みんなが僕を見て興味を持ち、滑りを見て喜んでもらえたからよしとしよう。

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ダービーグリーンコース全景。写真:辰己 博実

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レッドコース。Photo: Rip Zinger

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チェア部門の入賞者。Photo: Rip Zinger

今回の滞在中は一度も雪が降らず、雪も少なかったので滑れるコースは少なかったが、十分楽しむことができた。次回はもっと雪のあるバチェラーを滑りたい。地形が面白く、スケールの大きい山で滑りたいと思える場所が山ほどあった。チェアスノーボードを持って初めて海外に飛び出し、多くの人に出会い、滑り、話をし、世界を広げることができた。ラヴィとは来年もダービーで会おうと約束し、友人もたくさんできた。日本でもこのような大会を開いて、仲間を作れるような環境を作り、チームで遠征できたらいいな。ラヴィにも来てほしい。これからももっと視野を大きく、いろいろな場所に出かけて、自分の可能性を試したい。

今回の旅をサポートしてくれたGENTEMSTICK、パタゴニア日本支社、パタゴニアUS、現地でサポートしてくれたJPとRIPさん、そして快く送り出してくれた家族に感謝します。

ダークセンダービー参戦:チェアスノーボードを持って初めて海外に飛び出した

次はあそこを滑りたい Photo: Rip Zinger

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