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エルワ・リバーの復元

ディラン・トミネ  /  読み終えるまで4分  /  アクティビズム, フライフィッシング
エルワ・リバーの復元

新学期がはじまる前にもう一度、近場でいいから、平日の遠征に乗り出そうと決めた子供たちと私は、ダムが撤去されたばかりのエルワ・リバーへ向かった。上流のダムの最後の部分が先週取り壊されたので、夏のはじめに行ったときとの違いをみるいい機会だった。それに甦った川を子供たちに体験させたかった。上の写真はオリンピック・ラフト&カヤックの仲間が撮ってくれた、川に漕ぎ出すウェストンとスカイラだ。

まず気づいたのは、水がすばらしく澄んでいたことだ。ダム撤去反対派の予測は、堆積物のせいで川の水はこの先何年も濁るというものだった。ところが上流のダムの完全撤去からわずか数日で、とてもきれいな青緑色の水が、少なくとも水深2.5メートルくらいまで見えた。そしてさらに驚いたのは透き通った水中に、産卵のために遡上する何百匹ものキング・サーモンの姿が見えたことだ。早瀬を下るラフトの前にサーモンの群れが引き起こす波紋が広がり、テールアウトや浅瀬のあちらこちらで魚の産卵が見えた。とにかくあっちにもこっちにも魚がいた。多勢の予想とはまったく裏腹に、川底は沈泥や砂ではなく、きれいな玉石と砂利に敷き詰められていた。産卵に最適な条件である。上の写真で川底の明るく見える部分は、産卵するキング・サーモンが石をひっくり返してつくった産卵場所、いわば巣だ。私たちは圧倒的な魚の数に感動し、さらに川は100年ものあいだダムに塞き止められていて、ここにはサーモンがいなかったことを思うとさらに高揚感が高まった。

エルワ・リバーの復元

子供たちが立っているのは下流のダムのすぐ上にあったアルドウェル湖の底だ。川は新たな進路を切り開き、自然のさざ波や流れや淵を作っている。右側に並ぶ背の低い植物は復元活動で植えられた自生植物で、うまくいけば外来種が根付くのを防ぐ。河川域の川岸や水路のあちこちに積み重なる流木は、サーモンの幼魚の重要な生息地となっている。

エルワ・リバーの復元

川下りを終えると、エルワがフアン・デ・フカ海峡に流れ込む地点までドライブしていった。河口に向かって歩く途中、新たに形成された三角州に氾濫沼や潮溜まりがいくつもあった。私たちは小さな沼の土手で足を止め、水面で餌を食べる無数のサーモンの幼魚を見た。虫を追って跳ね上がる小さな銀色のサーモンが作る輪が水面にいくつも重なった。

エルワ・リバーの復元

友人のマット・シュテッカーと7月にここを訪れて以来、三角州はさらに大きくなっていた。かつて海峡に流れ込んでいた堆積物のない1本の水路は、いまでは何エーカーもの新たな土地に広がる湿地や砂州や潮溜りの複雑なシステムを作っている。これは生物学者によれば、サーモンの幼魚が海水に順応する肝心な時期に必要とする理想的な生息地だ。潮が満ちてくると、小さな沼に注ぐいくつもの流れができ、サーモンの稚魚が流れと一緒に移動して、海に滑り込んでいくのが見えた。私はサーモンの遡上をはじめ、あらゆる自然資源が年々減っていく時代に育った。だから子供たちがいまここで、何かが回復して良くなっていく過程を目の当たりにしていることに、私は言葉にならないほどの感動を覚える。エルワはふたたび川として甦り、サーモンが戻ってきたのだ。

エルワ・リバーの復元

ディラン・トミネはパタゴニアのフライフィッシング・アンバサダーであり、『Closer to the Ground: アウトドア一家の水辺、森、食卓での一年』(日本語版発売未定)の著者。ワシントンの海岸沿いに妻と2人の子供たちとともに暮らす。本書からの抜粋はクリーネストラインでこちらからお読みいただけます。またディランのブログでは家族について、北西部での狩猟採集やフライフィッシングについての黙想をお読みいただけます。

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