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古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

スコット・ヘッド  /  読み終えるまで6分  /  アクティビズム, フライフィッシング

生まれ故郷のファネル・クリークの産卵床に帰ってきたソッカイ・サーモン。アラスカ州ブリストル湾。写真:Ben Knight

さかのぼること2006年、パタゴニアはデンバーの直営店でフライフィッシング・リテイラー・ショーと連動し、ある社会的イベントを開催した。同イベントで同僚と私は参加者に、世界で最も多産なブリストル湾の野生サーモン漁場への脅威が浮上していることを告げた。その夕方、提案されているペブルマイン(露天掘り採掘鉱山)のストーリーを撮影することに興味があるという若い映画制作者と知り合った。パタゴニアは映画『レッド・ゴールド』(英語)の初期の重要な支持者だった(複数の賞を受賞したこのドキュメンタリーは、見たことがあるかないかに関わらず、観るべき)。この映画はブリストル湾の漁場から恩恵を受けるアラスカ先住民、商業漁業者、スポーツアングラーといった、異なるユーザーグループのストーリーを語るもので、リリースは2008年、ブリストル湾を保護するための長期的キャンペーンに全国の視聴者を参加させるのに役立った。もしかしたらこれを読んでいる皆さまのなかにも、この場所が特別なものであることをお役人に知らせるための何らかの行動を起こした方がいるかも知れない。

数年に渡って百万人以上のアメリカ国民がこの公共の行為に参加し、米国環境保護局(EPA)はブリストル湾の2つの主要な河川における鉱山廃棄物の除去について、いくつかの常識的な制限を課した。それは到達すべき唯一の結果だったのだろうか? 結局のところ、世界最大の野生サーモンの漁場の源流そのものに、北米最大の銅と金の露天掘り鉱山を建てることが健全な決断としてまかり通るというのは、いったいどんな奇妙な世界なのだろうか? しかし制限が最終化される前に、ペブルマインを推すカナダの小規模の鉱山会社がこのプロジェクトを存続させようと、EPAに対して大量の訴訟を起こした。そのうちのひとつ以外はすべて却下されたが、残りひとつがEPAがブリストル湾の保護の完成させるのを妨げた。

2014年の夏から今年にかけて、ブリストル湾はその130年以上のサーモン漁業の歴史において最も豊作なシーズンを経験した。今季、ペブルマインによって影響を受ける流域のひとつ、ヌシャガク川のあるヌシャガク地域だけでも、百万匹以上のベニザケの収穫高をあげた日が2日あった。それは加工工場の許容量が限界に達したほどだ。そしてこの収穫が高値で売れたおかげで、漁業の船舶隊を成す小企業にとって、とても良いシーズンとなった。2017年の遡上の記録は膨大な数字を示している。5,650万匹の魚が回帰し、そのうち1,880万匹がブリストル湾の次世代のベニザケを産むために生まれた川を遡上した。再生可能資源とはまさにこのこと。

古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

サーモンでいっぱいの固定網を引き寄せる商業漁師。アラスカ州ブリストル湾。写真:Corey Arnold

この素晴らしく生産的な漁業を保護するEPAの努力が法的に宙ぶらりん状態の4シーズンで、2億800万匹のベニザケがブリストル湾の川に回帰した。漁場は1万4千の職を支え、毎年15億ドルの経済活動を生み出している。これらの数字は5種の太平洋サケだけでなく、地球上屈指の巨大なニジマスを追いかけて世界中からやって来る何万人ものスポーツアングラーからの貢献も含む。

これだけ多くのサーモン遡上の朗報を前にして、なぜまた同じ戦いを繰り返すのかと思うだろう。選挙には結果が伴うことのもうひとつの明らかな例として、新政権が設定したEPAのリーダーシップはその本性を素早く明かし、ペブルマインの後援者との裏取引によって訴訟で和解、2014年に提案された制限の撤回を試みている。昨年11月の選挙前には株価が50セント以下だったカナダの弱小企業の利害を、ブリストル湾が代表するすべての利害よりも優先させる、というのはアメリカ第一主義の決断とは思えない。そしてそれがブリストル湾の人びとにどう受け止められたかは想像に難くない。

古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

「提案されているペブルマインからブリストル湾を保護することを求めたEPAの過去の行動を取り下げるEPAとトランプ政権の決断に、BBNCは大きく失望している……今日の訴訟の和解とは関わりなく、提案されているペブルマインについては何も変わっていない。何年も前に故代議員テッド・スティーブンスが述べたように、それは未だに間違った場所に計画された悪い鉱山だ。この鉱山に対するBBNCの反対は確固たるものであり、ブリストル湾の人びとの決意は揺らいではいないし、これからも揺らぐことはない」

— ジェイソン・メトロキン、ブリストル・ベイ・ネイティブ・コーポレーションCEO

古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

「ワシントンD. C.のリーダーが勤勉なアラスカ民へ背を向けたことに信じられないほどがっかりしています。ブリストル湾のサーモンはこの時期、私たちの地域社会と地元経済の稼動力です。この漁場を経験しようと、人びとが世界中から訪れます。ペブルマインが生み出す110億トンの廃棄物はサーモンと何千もの職とビジネスを脅かします。それは明らかにアラスカ民とアメリカの資源を末位とするものです」

—ナンシー・モリス・ライオン、ベアー・トレイル・ロッジ所有者

古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

「10年以上も言いつづけているように、ブリストル湾はこのことを静観しはしない。これはブリストル湾が記録を何百万も破る収穫をあげ、地元だけではなく世界を食べさせているときに発表された。私たちは初日からこの鉱山に反対し、ブリストル湾をペブルのような鉱山から保護するためには何も厭わない」

—アラナ・ハーリー(右)、ユナイテッド・トライブス・オブ・ブリストル・ベイ事務局長

古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

ペブルは過去10年間、延べ何億ドルもの損失を出しながらもペブルへの利害から足を洗った三菱、アングロ・アメリカン、リオ・ティントに取って代わる主要な鉱山会社をいまだに探している。ペブルは中身の薄い「ペブル・ライト」版を一般に売りつけながら、より小さく、よりかわいらしい規模での実現を約束しているが、それは間違いなく巨大な利益を出す必要のあるものだ。そしてその間ずっと、投資家たちにはこのプロジェクトの巨大さを豪語するという矛盾した行動を取っている。さらにこの地域ではペブルが最も知られた提案だが、同時にドアが開いて、50万エーカー(ほぼ1,280平方キロ)以上にわたる採掘権がブリストル湾を採掘地域にしてしまうのを待っている。ペブルはその足がかりにすぎない。それに進展があれば、破壊的な結果をもたらすドミノが倒れることになる。

古きはまた、新しき:ブリストル湾とペブルマイン

ヌシャガク川の航空写真。ペブルマインはブリストル湾に流れ込む8つの主要な河川の2つであるヌシャガクとキヴィチャック川の源流に位置することになる。写真:Ryan Peterson

だからいまふたたびブリストル湾のために、野生サーモンや、アメリカの小企業や、これらの土地と水へのつながりが数千年にも遡る家族のために、そして釣竿の先にかかる75センチのニジマスの夢のために、立ち上がるときだ。ブリストル湾には、このような多岐にわたる団体が協力すべき大義があり、その結束には強さが存在する。イリアムナ湖の北のツンドラに、一線が引かれた。我々はペブルマインを打破するだろう。

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