フィッツのレイヤリングシステム:寒い季節に子供を温かく快適に保つ方法
今日はパタゴニアのクライミング・アンバサダー、トミー・コールドウェルの妻でフィッツのお母さん、そして写真家でもあるレベッカ・コールドウェルからの投稿です。レベッカは5年前にクライミングのライフスタイルに出会い、いまでは家よりも世界各地の美しい場所で過ごす方が多い女性。フィッツを連れて型破りなライフスタイルを送るコールドウェル夫妻は、子供と一緒にアウトドアを探検することを勧めています。
トミーと知り合って以来、毎年秋になるとトミーが巨大な一枚岩エルキャピタンのメガプロジェクト「ドーン・ウォール」に取り組むため、バンに荷物を積み込んで、コロラド州エステスパークの家を出てヨセミテ国立公園へ向かいます。フィッツが生まれてからは、一刻も早くこの息をのむようなすばらしい場所へ連れていきたくてたまりませんでした。この時期、木の葉は黄金色に変わって地面に落ち、ヨセミテバレーの岩壁の上はうっすらと雪化粧をまとい、温かいカリフォルニアの太陽はバレー南側の岩壁に見え隠れしながら東から西へと移動します。そしてアッパーパインズのキャンプ場の仮住まいには寒さが忍び寄ります。フィッツとのバンでの生活は、変わりやすい天気に対応しながらフィッツを適度に温かく、快適に保つためのウェアに気を配らなければなりません。大人のレイヤリングシステムに関する情報は豊富でも、子供のウェアのレイヤリングシステムは見落とされがちなのが現実です。
幸いトミーのスポンサーがパタゴニアなのでとても助かっています。パタゴニアは機能的な子供用アウトドアウェアを製造する屈指のブランドだからです。フィッツのアウトドアでの冒険にはパタゴニアのウェアしか着せていないため、他社製品との比較はできませんが、以下でフィッツの秋(および初冬)のレイヤリングシステムをご紹介します。

「モービー・ディック」に備え準備するフィッツ。Photo: Rebecca Caldwell
肌寒いときに欠かせないのはキャプリーン3・ミッドウェイト・セットです。気温が上がったら、トップをTシャツに替えることもあります。1セットはパジャマ用にできるだけきれいに保ち、外で遊んで汚してもいいようにもう1セット用意しています。キャプリーンは1週間着つづけてもても臭いが気にならず、マーセド川の水に濡れてもあっという間に乾き、泥道や舗装道路で転んでも持ちこたえるし、こぼれたヨーグルトをさっと拭き取ることもでき、そしてエルキャップ・メドウを駆け回るときも、かさばることなく秋の風からフィッツを温かく守ります。単独で着用させても十分ですが、他のレイヤーの下にも容易にフィットします。しかもサイドのスナップ留めで子供の成長に合わせた調節ができるので経済的。フィッツは小柄なのでサイズ6Mを8か月まで着ていました。また、母乳だけを飲んではよく吐いていたときも、シンクでさっと洗い落とせてシミにもなりませんでした。洗濯設備のないロードトリップ生活にはもってこいです。
秋の早朝や夕方、また肌寒い日中にはキャプリーンの上にベビー・マイクロD・クルーとパンツを着せます。マイクロDの上下はたとえ砂だらけになってもしっかり振り落とせば翌日も着せられます。とても温かいうえ通気性にも優れているので、フィッツがアッパーパインズのキャンプ場でベアボックスの周りを走りまわったり、チャーチボウルでマントリングの課題に挑戦して体温が上がったりしても安心です。

マイクロD・パンツの「土抵抗力」を試すフィッツ。Photo: Rebecca Caldwell

チャーチボウルのマントリングの課題に挑戦するフィッツ。Photo: Rebecca Caldwell
Fitz sending the Mantle! from Rebecca Caldwell on Vimeo.
ベッカはこう書いています:「トミーと私は一生懸命やることの大切さをフィッツに教え込みたいのです。毎日同じ課題に取り組むことでスキルを磨いてほしいのです。フィッツがヨセミテ国立公園のチャーチボウルのマントリングの課題を辛抱強くやり抜いて達成したのは誇らしい瞬間でした!」ビデオ:「フィッツのマントリング登攀」by Rebecca Caldwell。Vimeo
気温が下がりはじめたら、フリースのジャケットを着せます。お気に入りはフードとジッパーを備え、下にレイヤリングさせやすいベビー・シンチラ・カーディガン。今シーズン新発売のベビー・スワーリー・トップ・ジャケットは、フードの先をとがらせた格別にかわいいデザインで、巨大なアワニー・ボルダーの間を歩きまわるフィッツはまるで妖精のように見えました。

リーダーについてボルダリングに行こう。Photo: Rebecca Caldwell

ハッピーな小妖精。Photo: Rebecca Caldwell
欠かせないもう一着のジャケットは、保温性をぐんと高めるベビー・ダウン・セーター。食べ物や泥といったフィッツの冒険の証拠が少々目立ちますが、もちろん小さな男の子がいつもきれいにしているはずはないし、長いロードトリップが終わったあと、たいてい洗い落とせます。それにちょっとしたシミがあった方が一端のクライマーに見えるかも。フィッツのダウン・セーターはコロラド、ヨセミテ、海を越えてヨーロッパ、さらに南米パタゴニアへも一緒に行きましたが、どこでも大活躍でした。

草地の向こう側にあるフィッツの秘密の場所。Photo: Rebecca Caldwell
歩きはじめる前の赤ちゃんに何を着せようか迷っているのなら、キャプリーン3のセットとマイクロDのセット(これは何歳児にでも便利)、フリースまたはダウン・セーター、そしてシンチラ・フリース・バンティングもしくはパフボール・バンティングをお勧めします。フリースの上にパフを着せれば保温性と耐風性と耐水性が加わり、気温の低い日に最適です。フリース製バンティングは脚部のジッパーを使って「袋状」にできるので、テントやバンのなかで眠らせるときにとても便利です。あとはシンチラ・ブーティもお忘れなく。フィッツは歩きはじめるまで四六時中履いていて、いまでも靴を脱いだときに履いています。脱げ落ちることはなかったし、靴底は滑りにくいので転倒を防ぎます。適度な保温性を提供するフリース素材ですが、寒さが厳しいときは靴下との併用をお勧めします。かさばらないのでバンティングにくるむときも履かせたままでしたし、いまでも寒い夜はブーティを履いたまま寝ています。

生後5か月のフィッツ。はじめてヨセミテへ向かう途中のユタのソルト・フラッツにて。Photo: Rebecca Caldwell

季節が変わり、コロラドのロッキーマウンテン国立公園でそり遊びを楽しむフィッツ(前)と友達。Photo: Rebecca Caldwell
エステスパークに戻り、秋から冬に変わって雪が降りはじめると、フィッツには上記のウェアを重ねて着せます。フィッツは毎日ウェアを酷使するタイプで、そんなところはお父さんにそっくり。よく着込んで少々くたびれてはいるものの、まだまだ長持ちするでしょう。