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電力小売り自由化:パタゴニア日本支社の選択

パタゴニア  /  読み終えるまで7分  /  アクティビズム

2016年4月にはじまる「電力の小売り全面自由化」は、いままで選択権のなかった家庭用や小規模事業所の電力について、どの小売電気事業者から電力を買うのかを決定する権利が市民や事業所に移った、ことを意味しています。

しかしながら、多くの市民が望んでいる再生可能エネルギーによる電力が4月時点では十分に供給されないことが明らかななか、1年間で100万kwh以上の電力を消費しているパタゴニア日本支社はこの権利をどう行使するべきなのでしょうか?私たちは小売電気事業者を選択するうえでの基準を以下のように定めました。

電力自由化におけるパタゴニアの小売電気事業者の選択

• 2016年4月時点では、まずは原発由来ではない電気。そして二酸化炭素排出の最も多い石炭由来が可能なかぎり少なく、そのなかで再生可能エネルギー比率の高い電気を供給する小売電気事業者を選択する。

• また、大きな環境破壊をともなう大規模水力発電(ダム)や再生可能エネルギー事業由来の電気にも留意する。

• そのうえで、非再生可能エネルギー分については、従来どおりグリーン電力証書で相殺する。

• 2016年4月以降については、再生可能エネルギーの供給を受けられる状況になった事業所/店舗から随時切り替えていく。

• テナントとしてビル管理者と個別契約をしている事業所/店舗については、ビル管理者に対して、上記の方針での小売電気事業者の切り替えをリクエストするとともに情報の提供を行う。

この方針はパタゴニアのエネルギーに対する考え方を反映したものです。

原子力発電についての、「ウラン採掘、放射性廃棄物、核兵器の拡散、悲惨な事故を起こす潜在性など、さまざまな脅威をもたらす受け入れることのできない電力」との私たちの認識は、福島第一原子力発電所事故が起こる前からいっさい変わっていません。

また石炭、天然ガス、石油などのように、再生不可能な化石燃料を燃焼して発電したり、熱を作り出したりすることは、大気や土壌や水を汚染し、地球温暖化を加速させ、すでに不安定になっている世界をさらに不安定にすることを認識しています。

昨年12月にフランス・パリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で、世界最大の二酸化炭素排出国であるアメリカや中国を含む世界の国々が、「地球の平均気温上昇を産業革命前の水準に比べて2℃よりはるかに低い水準に抑え、1.5℃に抑制する努力をする」ことに合意したように、現在の世界の傾向は「脱炭素」であり、100%再生可能エネルギーへの転換を目標とする企業や自治体も数多く現れています。私たちも加速化する気候変動の影響を最小限に抑制するためには唯一再生可能エネルギーだけが望みであり、化石燃料由来のエネルギーからの可能なかぎり早期の投資引き上げが必要との考えです。

さらに水力発電については、映画『ダムネーション』で水力発電用ダムを取り上げました。日本の資源エネルギー庁のサイトでは「水力発電は、CO2排出量が非常に少ないクリーンなエネルギー」とされていますが、ダムは流域全体の生態系や地域社会や文化に影響を与えるだけでなく、ダムによって人工的に作られる貯水池は二酸化炭素の大きな排出源になっていることがアメリカの河川保護団体<International Rivers>などによって報告されています。

そして太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギー源についても、一方で事業計画によっては地域社会や環境に大きな影響を及ぼしかねないという現状があります。

パタゴニア日本支社では、こうした私たちの企業としてのエネルギーに対する考え方や認識に基づき、また私たちが使用する施設での電力使用状況や、継続して支援してきた脱原発・再生可能エネルギー普及に取り組む市民団体の取り組みを踏まえ、電力の小売り自由化にどのように対応するべきなのか真剣に考えてきました。私たちが望む再生可能エネルギーによる電力が2016年4月時点では十分に供給されないなかでは、これは非常に困難な課題でした。

それでは、再生可能エネルギーの供給体制が整うまで、私たちは何もせず、現状の電力会社との契約を維持するべきなのでしょうか?

パタゴニアのミッション・ステートメントである「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。」に忠実であるためには、電力小売り自由化に際して選択できる権利を行使せず、指をくわえてやり過ごすことはできません。現況を踏まえながら最適な選択をした結果、私たちが定めた基準が冒頭の「電力自由化におけるパタゴニアの小売電気事業者の選択」です。

私たちは再生可能エネルギーの普及に取り組む地域電力も、それを後押しする市民団体も、できるだけ早く提供できる状態を整えようと熱心に取り組んでいることを知っています。その後押しをすべく、4月1日からスタートする「電力小売り自由化」に際し、東日本大震災および福島第一原子力発電所事故から5年目を迎えた今年の「Go Renewable~再生可能エネルギーを活かして2016」では、以下の取り組みを行います。

Go Renewable~再生可能エネルギーを活かして2016

• 自然(再生可能)エネルギーによる電力の供給が促進されるような制度設計を求め、「自然エネルギーの電力会社や、市民や地域主体の電力を選びたい」という市民の声を可視化することを目的とする「パワーシフト・キャンペーン」を支援する。

• 脱原発を訴求するイベントを継続支援する:バイバイ原発・京都Peace on Earth

• あらためて、省エネルギーに対する意識を全社で徹底する。

電力小売り自由化に際して選択できる権利を行使しましょう。また再生可能エネルギーによる社会を望んでいるという意思表示をしましょう。再生可能エネルギーを広げるための私たちのあらたな一歩に、ぜひご協力をお願いします。

電力小売り自由化:パタゴニア日本支社の選択

行動を起こそう

電力小売り自由化:パタゴニア日本支社の選択

パタゴニアはGo Renewable – 「再生可能エネルギーを活かして」2016のなかで、4月1日からスタートする電力小売り自由化に際し、原発から再生可能エネルギーへの転換が必要であることを訴え、持続可能な未来社会のためにどう行動すべきかを考えていきます。再生可能エネルギーを広げるための私たちのあらたな一歩に、ぜひご協力をお願いします。

• パワーシフト宣言

デンキを選べば社会が変わる!2016年に向けて、「自然エネルギーの電力会社、市民・地域が主体で生み出された自然エネルギーの電力を選びたい」という市民・消費者の声を、たくさん集めて世論として大きく広げ、政府の制度設計を検討する審議会に届けるとともに、電力小口小売り事業者にも一般の市民・消費者の自然エネルギーの電力の大きな需要が存在していることを示していきます。

• Go Renewable チェックリスト

これまでにエネルギー消費を減少させたり、再生可能エネルギーを推進するために取り組んだことをチェックしてみましょう。そうすることで、これから何をすべきかを知り、実行し、進捗状況を確認することができます。

• 「脱原発を目指す首長会議」の会員になることを求める請願を

自治体首長の第一の責任は「住民の生命財産を守る」ことです。自治体の首長も自らの責任として、原発に依存しない社会をめざし、すみやかに再生可能エネルギーを地域政策として実現することを積極的に進めていかなければなりません。

パタゴニアでは、認定NPO法人環境エネルギー政策所の協力のもと、再生可能エネルギーに関して多くの皆様がお持ちの疑問にもお答えしています。

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